【インタビュー】ドラマ「少年寅次郎スペシャル」井上真央(車光子)「このドラマには、相手を思うことの大切さが込められています」

2020年12月3日 / 06:00

-今回、光子を演じてみて改めて感じたことはありましたか。

 今回は、ぎりぎりまでフェースシールドを付けていたり、なるべく距離を置いて演じなければならなかったので、その分、人と触れ合うことの大切さを気づかされました。寅ちゃんにも、ハグしたくなるような瞬間がたくさんあったのに「あっ、ちょっと近いな」とか(笑)。何ということはない親子の触れ合いですが、そういう瞬間が親子っぽく見えるのかなと思いました。

-特に印象に残ったシーンはありますか。

 家族がそろうシーンで布団の打ち直しをするところがあって、その当時の普通の日常の風景なんですが、こういう一つ一つの作業をみんなでやっていたんだなあ、こういう時代だったんだなあと思ったことが印象に残っています。これを見て、懐かしいと思われる方もいらっしゃると思いますし、逆に新鮮に見ていただけるシーンでもあると思います。

-コロナ禍でのこのドラマの価値はどんなところにあると思いますか。

 私は、脚本を読んだときに、亡くなった祖父のことを思い出しました。祖父は渥美清さんの大ファンだったので、いろいろな思い出がよみがえってきました。前回のドラマもそうですが、きっと今報告したら、うれしがるだろうなとか、もっといろんなことを聞きたかったなあとか、そんなことを思いました。今回のスペシャルは、寅ちゃんが、大好きだったお母さんや家族のことを、思い返すという物語です。今、コロナ禍で、会いたくても会えない人がたくさんいると思います。このドラマには、相手を思うことの大切さが込められているので、見終わった後に、会えないけど会いたいな、という大事な人のことを思えるような作品になっていると思います。

(取材・文・写真/田中雄二)

「少年寅次郎スペシャル」

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【週末映画コラム】“原爆の父”と呼ばれた男は一体何者だったのか『オッペンハイマー』/80年代と現代が交錯しながら合体している『ゴーストバスターズ/フローズン・サマー』

映画2024年3月29日

『オッペンハイマー』(3月29日公開)  才能にあふれた物理学者のロバート・オッペンハイマーは、第2次世界大戦中、核開発を目的とした米政府のマンハッタン計画において、原子爆弾開発プロジェクトの委員長に任命される。  だが、実験での原爆の威力 … 続きを読む

岡本圭人、岡本健一と2度目の親子共演への思い 「成長した姿を見せられたら」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2024年3月27日

 若村麻由美と岡本圭人、岡本健一が出演する舞台「La Mère 母」と「Le Fils 息子」が2つの劇場で同時上演される。同作は、劇作家フロリアン・ゼレールによる家族三部作のうちの2作で、若村が主演する「La Mère 母」は日本初上演、 … 続きを読む

「光る君へ」第十一回「まどう心」互いの思いとは裏腹に、さらに開くまひろと道長の距離【大河ドラマコラム】

ドラマ2024年3月23日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「光る君へ」。3月17日に放送された第十一回「まどう心」では、藤原兼家(段田安則)によるクーデター“寛和の変”の事後処理、およびそれに伴う主人公まひろ(吉高由里子)と藤原道長(柄本佑)の行動が描かれた。  兼 … 続きを読む

【週末映画コラム】4K復元版で「ドル3部作」を一挙上映『荒野の用心棒』『夕陽のガンマン』『続・夕陽のガンマン 地獄の決斗』

映画2024年3月22日

 監督セルジオ・レオーネ、音楽エンニオ・モリコーネ、主演クリント・イーストウッドという伝説のトリオが放った「ドル3部作」(「ドル箱3部作」と表記されることも多い)が、マカロニ・ウエスタン誕生60周年を記念し、4K復元版として3月22日から一 … 続きを読む

「生への回帰というのがこの映画の目指したところです」荒木伸二監督、若葉竜也『ペナルティループ』【インタビュー】

映画2024年3月21日

 朝6時、いつものように目覚めた岩森淳は、恋人の砂原唯(山下リオ)を殺した溝口登(伊勢谷友介)を殺害する。翌朝目覚めると周囲の様子は昨日のままで、なぜか溝口も生きている。そして今日もまた、岩森は復讐(ふくしゅう)を繰り返していく。荒木伸二監 … 続きを読む

Willfriends

page top