【インタビュー】ドラマ「緊急事態宣言/ボトルメール」夏帆 自粛明け初の現場で、念願の三木聡監督作品に初挑戦「『現場って楽しいな…』と舞い上がっていました(笑)」

2020年9月8日 / 12:00

 突如として私たちの日常を一変させた新型コロナウイルス感染症。今も続くその危機の最中、日本を代表する5組の監督と豪華キャストが、“緊急事態”をテーマに自由な発想で作り上げたオムニバス作品「緊急事態宣言」が、Amazon Prime Videoで独占配信されている。5つあるエピソードの中の一つが、「時効警察」シリーズ(06~)など、独特のシュールな作風で人気を集める三木聡監督の「ボトルメール」。第二波がくる少し前。不倫で仕事を干された女優・鈴音のもとに謎のメールが届く。その指示に従い、新作映画のオーディションに出かけた鈴音の前に待ち受けるものとは…。本作に主演した夏帆が、撮影の舞台裏やコロナ禍で感じたことを語ってくれた。

夏帆

-オファーを受けたときのお気持ちは?

 今回、出演する上で一番の決め手になったのは、三木組だったことです。「時効警察」はもちろん、『転々』(07)や『インスタント沼』(09)もずっと見てきて、三木さんにしか作れない独特の世界観がすごく好きだったんです。だから、この世界観に自分も参加してみたいな…とずっと思っていました。

-念願の三木作品ということですが、最初に台本を読んだときの印象は?

 「これは難しいな…」と。すごく面白いんですけど、捉えどころがなく、どういう話なのか、うまく説明できない。全体的には笑えるのに、ホラーっぽい部分もあったりして、不思議な作品ですよね。その上、私が一人でお芝居するシーンが多くて…。一人芝居って、すごく難しいんです。三木さんとの仕事は初めてということもあり、台本を読んでいるときから、「どうやって演じたらいいのかな…?」とあれこれ考えてしまいました。自粛明けで、久しぶりの現場に、なかなかハードな作品を選んでしまったな…と。

-実際に体験してみた三木監督の現場はいかがでしたか。

 撮影は3日間だったので、もう少しやりたかった…というのが正直なところです。ただ、ニュアンスだったり、テンポだったり、他の組とは違う三木さんならではの笑いの作り方に触れられたのは、すごく刺激的でした。そういうものを早くつかむことができれば、もっといろいろなことができただろうな…という反省はありつつも、参加できたことがすごくうれしかったです。

-三木作品の常連、ふせえりさんとの共演場面も多いですね。

 ふせさんとは初めてご一緒させていただくことができたので、うれしかったです。初日は私一人だったのですが、2日目はふせさんや長野(克弘)さん、麻生(久美子)さんといった、三木組常連の方がいらっしゃったので、すごく心強かったです。三木さんとご一緒するのは初めてだったので、やっぱり1人だと心許せなくて、どういうトーンでお芝居をしたらいいのか、手探りの状態で。そこへ、皆さんがいらしてくださったので、「こういうふうにやるのか」と、皆さんのお芝居を、自分が演じる際の手掛かりにさせていただきました。

-ふせさんのお芝居を間近でご覧になった感想は?

 やっぱり、すごいな…と。三木さんから、ちょっとしたしぐさや声のトーンに対して細かく指示が出ると、それを瞬時に理解して、的確にお芝居を変えていくんです。その様子を見て、さすがだな、と圧倒されました。ふせさんのお芝居を生で見て、三木組のテンポ感や世界観みたいなものを垣間見ることができたような気がします。

-そのほか、撮影に関するエピソードを教えてください。

 最初に着ているグレーのTシャツは、私の私物なんです。「とにかくグレーの服を持ってきてください」と言われて持っていったんですが、ふざけたTシャツなのでまさかそのまま採用されるとは思いませんでした(笑)。難しかったのは、オーディションで助監督とエチュード(即興芝居)をやる場面。実際はが決まっているのでエチュードではありませんが、どういう動きにするのか、考えなければいけない。でも、ソーシャルディスタンスも意識しなければいけないし…。本当だったらもっと近寄りたいんだけど、近寄ってはいけない、みたいな動きの制限もあって、大変でした。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

川口春奈、高杉真宙「自分や家族、周りの人たちを大事にしようと思うきっかけになったらうれしいです」『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』【インタビュー】

映画2026年10月1日

 大腸がんによって24歳で他界した遠藤和(のどか)さんが亡くなる10日前までつづり続けた手記を映画化した『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』が、10月2日から全国公開される。本作で、主人公の和と夫の将一を演じた、川口春奈と高杉真 … 続きを読む

木戸大聖「悲しいと思っていてもそれを表情に出せないのが難しかったです」『沖晴くんの涙を殺して』【インタビュー】

映画2026年10月1日

 余命1年の音楽教師・京香(広瀬アリス)と、喜び以外の感情を失った高校生・沖晴が織りなす、切なくも温かい感動の人生賛歌『沖晴くんの涙を殺して』が10月2日から全国公開される。本作で、訳あり高校生の沖晴を演じた木戸大聖に話を聞いた。 -沖晴の … 続きを読む

小瀧望「ファンの皆さまの声に応え続けたい」 舞台「ロックンロール」では「僕たちの芝居とともに、当時のロックミュージックも楽しんで」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年9月30日

 小瀧望が主演する舞台「ロックンロール」が、11月6日から上演される。本作は、世界的な劇作家トム・ストッパードが祖国チェコスロバキアを舞台に、20年以上にわたる歴史のうねりを描きながら、自由の尊さをうたう物語。愛するロックンロールと母親を守 … 続きを読む

佐津川愛美「酒井監督に惚れました(笑)」念願だった酒井麻衣監督との初タッグ『時給三〇〇円の死神』【インタビュー】

映画2026年9月30日

 10月2日から全国公開となる『時給三〇〇円の死神』は、累計発行部数36万部を突破した藤まるの同名小説を原作にしたファンタジーだ。生きる希望を失った大学生・佐倉真司(西畑大吾)が、謎めいた同級生・花森雪希(福本莉子)に誘われ、この世に未練を … 続きを読む

【K-POPもKドラマも深読みしたら韓国が見えた】#受験競争だけではない韓国の教育問題、「鉄槌教師」が問う教師の役割

2026年9月29日

 K-POPや韓国ドラマは、エンターテインメントであると同時に、韓国社会を映す鏡でもある。何気ない言葉やしぐさ、習慣の背景をたどると、その国ならではの価値観や歴史、人との関わり方が見えてくる。この連載では、韓国カルチャーを入り口に、知ってい … 続きを読む

page top