【インタビュー】「お気に召すまま」満島真之介、30歳を迎え「ここからが再デビュー。生まれ変わる」

2019年7月28日 / 12:00

 シェークスピアの恋愛喜劇「お気に召すまま」が満島ひかり、坂口健太郎、満島真之介、温水洋一、中村蒼、中嶋朋子ら共演で上演される。演出を手掛けるのは、気鋭の演出家の一人である熊林弘高。一般的には牧歌的なユートピアと解釈されている物語の舞台“アーデンの森”を、人間のあらゆる性的欲望がうごめく暗闇と解釈し、物語が展開する。本作で、オリバー役を演じる満島に、作品への思いを聞いた。

オリバー役の満島真之介

-本作のオファーを受けたときのお気持ちは?

 この作品のお話は数年前に、直接、演出の熊林さんからお声掛け頂きました。熊林さんは僕が初めて舞台に立った作品の演出家さんで、今回が4回目。演劇の世界に生み落としてくれた方です。力になりたいという気持ちもありますし、30歳になって1本目の作品というとても素晴らしいタイミング。新たな関係が作れるんじゃないかという期待もあって、即決しました。それにプラスして、初めての舞台で恋人役をさせていただいた中嶋朋子さんもご一緒ですし、姉のひかりもいるので、いろいろな意味で、改めてこの作品で再デビューするんだなという思いがありました。

-本作は、シェークスピアの有名な作品ですが、戯曲に関してはどのような思いがありますか。

 熊林さんはもっとコアな戯曲が好きな方だと思っていたので、シェークスピアをやるというのは驚きではありましたが、稽古を通してこの作品は“古典”ではないんだと感じています。特に今回の翻訳では、普遍的な男女の関係性や自分とは何なのかという、根本的であり、誰もが向き合わなければいけないテーマを描いています。情報があふれすぎて、本当の自分に向き合わなくても生きていけるようになってしまった今だからこそ、「どう生きていくのか、自分を周りをどう愛していけるのか」という問いがある。まさに、今やるべきこの作品で描かれていることは多くの人の心に響くと思います。

-これまでにもひかりさんとは舞台で共演されていますが、一緒の舞台に立つのはどんなお気持ちですか。

 何よりも、同じ母から生まれた人と、この年になって、一つのゴールに向かって一緒に過ごせるということは幸せだし、とても恵まれていると感じます。大人になり、きょうだいと一緒に仕事をしているという人は少ないはずです。そんな中、毎日顔を合わせて、思ったことを存分に話し合うことができる関係性にあるのはとても素晴らしいこと。感謝しかありません。ただ、今回の作品では官能的なシーンも多いので、いつか家族会議が開かれるんじゃないかという危うさはありますが(笑)。

-気恥ずかしさはないですか。

 今はもうないですよ。以前に共演したときには感じたこともありましたが、キャリアの違いや男女の違いということも今はもう全て乗り越えて、個が個として立っているので、お互いにリスペクトし合えています。仲がいいという言葉よりも、もっと絶対的な関係性があると思います。僕たちは、役者になる前からずっと、同じ釜の飯を食べ、同じ屋根の下で眠り、笑い合って泣き合ってけんかしたりしながら今日まで来ました。だからこその、あうんの呼吸があるんです。お互いの出している空気だけで今、何を考えているのかが分かる。それが、舞台上で役柄を通して見えてくると、芝居以上の空気感が出るはず。とても楽しみです。

 
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