【インタビュー】『トイ・ストーリー4』 新木優子「コンプレックスが、ギャビー・ギャビーを通して自信につながった」

2019年7月22日 / 17:29

 世界初の長編フルCGアニメーションとして映画の歴史を変えた『トイ・ストーリー』シリーズの最終章『トイ・ストーリー4』が、7月12日に公開された。製造不良のためおしゃべりができず、長い間店の奥で忘れられていたアンティーク人形ギャビー・ギャビーを演じた新木優子に、本作の魅力やシリーズに対する思い入れなどを聞いた。

アンティーク人形のギャビー・ギャビーを演じた新木優子

-本作が吹き替え初挑戦ということですが、役作りで心掛けたことなどはありましたか。

 ギャビー・ギャビーというキャラクターは1950年代に作られたアンティークのおもちゃなので、監督からは「昔の海外の女優をモデルに表現してほしい」と指示がありました。声質については、もともと落ち着いていると言われることが多かったので、大きく変えるというよりは、自分の声を生かして、なるべく口調を落ち着かせて雰囲気を出せるように努力しました。

-ギャビー・ギャビーを演じるに当たって役作りなどで苦労した部分はありましたか。

 全てが難しく、新鮮でした。特に声だけの表現が難しくて、自分が想像して出している声と、映像の中で自分の声が芝居をしているのを見ると、ちょっと違うと思うことがすごくあって、最初はとても不安でした。けれど、監督からの指示を受けて工夫をしていくことで自分の中でしっくりくるようになりました。

-ギャビー・ギャビーは製造不良で声が出ないことにとても強いコンプレックスを持っていましたが、新木さんにコンプレックスなどはありますか。

 今までは自分のハスキーな声がとてもコンプレックスで、もっと女の子っぽい、かわいい声がいいなと憧れを持っていましたが、今回、声のお仕事をさせていただいたことで、声を褒めてもらう機会が多くなり、この声が強みだと、ギャビー・ギャビーを通して自信につながりました。

-新木さんにとって『トイ・ストーリー』とはどういう作品でしょうか。

 物心がついたときからそばにあって、当たり前のように見ていた作品です。子どもの頃は映像美や色彩に目を輝かせながら見ていましたが、大人になってから見ると「こんなに深い作品だったんだ」って改めて実感しました。楽しいだけではなく人間関係やおもちゃの大切さを実感させてくれる作品だと思います。

新木優子

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

板垣李光人「最初から、戦争を考えて見るのではなく、実際に見て感じたことを広めていっていただければ、それが一番うれしいです」『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』【インタビュー】

映画2025年12月5日

 戦争がもたらす狂気を圧倒的なリアリティーで描き、第46回日本漫画家協会優秀賞を受賞した武田一義の戦争漫画をアニメーション映画化した『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』が12月5日から全国公開された。太平洋戦争末期、激戦が繰り広げられたペリリ … 続きを読む

【物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家ストーリー】(8)百年ぶりの復活へ 四代目が掲げた三つの大願

舞台・ミュージカル2025年12月4日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。    2016年に四代目・玉田玉秀 … 続きを読む

多部未華子「学びの多い現場でした」DV被害者役に挑んだヒューマンミステリー「連続ドラマW シャドウワーク」【インタビュー】

ドラマ2025年12月1日

 WOWOWで毎週(日)午後10時より放送・配信中の「連続ドラマW シャドウワーク」は、佐野広実の同名小説を原作にしたヒューマンミステリー。  主婦の紀子は、長年にわたる夫の暴力によって自己喪失し、すべて自分が悪いと考えるようになっていた。 … 続きを読む

森下佳子「写楽複数人説は、最初から決めていました」脚本家が明かす制作秘話【大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」インタビュー】

ドラマ2025年12月1日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」。“江戸のメディア王”と呼ばれた“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く物語は、まもなくクライマックスを迎える。これまで、いくどとなく視聴者を驚かせてきたが、第4 … 続きを読む

富田望生「とにかく第一に愛を忘れないこと」 村上春樹の人気小説が世界初の舞台化【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年11月30日

 今期も三谷幸喜の「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」に出演するなどドラマや映画で注目を集め、舞台やさまざまなジャンルでも活躍する富田望生。その富田が、2026年1月10日から上演する舞台「世界の終りとハードボイルド・ワンダ … 続きを読む

Willfriends

page top