エンターテインメント・ウェブマガジン
30年前、「純ちゃんの応援歌」で女優人生をスタートさせた山口智子にとって、朝ドラは特別なステージだ。「ご恩返しをしたい」と、ダンスシーンに挑戦したり、編集でカットされるのも承知の上で、おでん屋のカウンター内で“一人懐メロ歌謡祭”を繰り広げるなど、体当たりで岸川亜矢美役に挑む山口にその胸中を聞いた。
30年ねぇ…。びっくりしちゃいますよね。お母さんのおなかに戻ってきたような安心感とともに、ビシッと本気で臨まなければという、背筋が伸びるような緊張感もあります。朝ドラは周りからの反響もすごくて、疎遠になっていた友達や、遠い親戚から連絡があって、絆を深めるのに役立たせていただいています(笑)。
若々しいキラキラしたエネルギーにあふれた皆さんに囲まれていますが、本気で根性を見せてぶつかってくる気迫と豊かな才能が素晴らしいです。初心に帰らなければ!と、改めて大きな刺激を頂ける毎日です。
生きる喜びを体で表現できる役を頂いたことが本当にうれしいです。エンターテインメントの世界に身を置き、踊ることで戦争でのつらい別れや苦労の中でも、強く生きる力を生み出してきました。今はおでん屋のカウンターが、亜矢美にとって人生の晴れ舞台という気持ちで演じています。パワー全開で周囲の人たちを巻き込んでいきたいです。
亜矢美は歌と踊りとともに生きている女性です。だから、現場では絶対に歌おうと決めて、当時はやっていた曲の中から、そのシーンの登場人物の気持ちを代弁するような歌詞の部分を抜き出して歌っています。でも時間の関係で約9割は編集でカットされています(笑)。カスタネットなどの、踊り心をくすぐる小道具もスタッフさんが置いてくださるので、取り入れて踊っています。
なっちゃん(広瀬すず)が咲太郎(岡田将生)を探している回では、「どこにいるのか、リルを知らないか」と「上海帰りのリル」を歌いました。なっちゃんが北海道から上京したときは、なっちゃんの素朴さや富士子さん(松嶋菜々子)の母の思いを「リンゴかわいや~」に乗せて「リンゴの歌」を歌いました。皆さんのお耳に届くことはないでしょうが、「歌う亜矢美」を自分で楽しませていただいています(笑)。
用意してくださる衣装もなぜかフラメンコ風の水玉模様だったり、ヒラヒラの飾りがついたものだったり、面白い服を集めてくださるので、私もついつい気分が盛り上がってしまいます(笑)フラメンコは、庶民の暮らしの中から生まれたもので、みんなで歌やギターや踊りで心を合わせて、共に人生の辛苦を乗り越えていこうというものです。まさにこのドラマと共通するテーマだと思います。
亜矢美と咲太郎の関係がどうなるかも分からないまま撮影が始まったので、中盤、その関係性に微妙な変化が突如浮上してきて、「そうきたか!?」とびっくりしています。こんな複雑な関係性の役は初めてなので、とてもやりがいがあります(笑)。
ドラマ2024年7月26日
NHKで好評放送中の連続テレビ小説「虎に翼」。新潟地家裁三条支部に赴任し、娘・優未(竹澤咲子)と2人だけの暮らしに苦労する主人公・佐田寅子(伊藤沙莉)を助けるため、かつて花江(森田望智)の家で女中として働き、第7週で故郷の新潟に帰った稲が … 続きを読む
舞台・ミュージカル2024年7月26日
「才能が宿るのは肉体なのか?魂なのか?」という深遠なテーマをベースに、その高い音楽性と重層的な作劇で“人間モーツァルト”の35年の生涯に迫る、ミュージカル「モーツァルト!」が、8月19日から帝国劇場にて上演される。2002年の日本初演以来 … 続きを読む
映画2024年7月26日
『もしも徳川家康が総理大臣になったら』(7月26日公開) 新型コロナウィルスがまん延した2020年。首相官邸でクラスターが発生し、総理大臣が急死した。かつてない危機に直面した政府は、最後の手段として、歴史上の偉人たちをAIホログラムで復活 … 続きを読む
映画2024年7月25日
高校生の時宮朱莉は、謎の男・穂積(斎藤工)と出会い、特殊美術造形家だった亡き祖父・時宮健三(佐野史郎)が制作を望んだ映画『神の筆』の世界に入り込んでしまう。怪獣ヤマタノオロチによって、その世界が危機にひんしていることを知った朱莉は、同級生 … 続きを読む
映画2024年7月24日
怪盗グルーとその相棒ミニオンたちが活躍する「怪盗グルー」シリーズの最新作『怪盗グルーのミニオン超変身』が7月19日から全国公開された。本作は、グルーとその家族に息子が生まれ、新たな町で身分を隠しながら奮闘する姿を描く。日本語吹替版で主人公 … 続きを読む