【インタビュー】スペクタクル時代劇「里見八犬伝」佐野勇斗「熱く演じて、最後まで熱い気持ちをお届けしたい」

2019年7月12日 / 18:00

 2014年と17年に山崎賢人が主演し、全国各地でアクションエンターテインメントの傑作として好評を博したスペクタクル時代劇「里見八犬伝」。2年5カ月ぶりの上演となる今回はキャストを一新し、深作健太が再び演出を務める。山崎の当たり役である犬塚信乃役を日ごろから山崎を慕っている後輩の佐野勇斗がその魂ごと受け継ぎ、新たな信乃役を創造する。今回は、今最も注目されている若手俳優の一人である佐野に、舞台初主演の心境や意気込みなどをビジュアル撮影を終えた直後に語ってもらった。

犬塚信乃役の佐野勇斗

-舞台初主演が決まった時の気持ちを教えてください。

 舞台に出演するのが2回目で、初めての舞台が上京したての18歳の頃だったんです。右も左も分からない状態で初めての舞台だったんですけど、そこから時を経て、舞台で主演をやらせてもらえるということで、正直に言うと不安はありますね。

-山崎さんが出演された公演を映像で見られたそうですが、本作の魅力をどう感じましたか。

 「自分がこれをやるのか…。すごいな、賢人くん」みたいに思いながら見ていました(笑)。すごく引き込まれる作品で、ストーリーも魅力的。演じる皆さんが熱いお芝居をされていて、本当に戦国時代に自分がタイムスリップしちゃったような気分にもなりました。信乃はいろんな感情が複雑に入り交じっている役ですね。はかなさがある反面、熱さもある。それをうまく表現できたらいいなと思っています。

-本作は激しい大殺陣も魅力の作品ですが、殺陣稽古で苦労していることなどありますか。

 殺陣稽古はまだ始まったばかりなので、刀の持ち方とか、振り方の基本を教わっている段階ですが、賢人くんの映像を見せてもらったときに、みんな軽々と刀を振り回している感じがしたんです。その映像を見てから稽古に臨んだんですけど、下半身をものすごく使う動きが多くて、すごいなと思いました。軽々とスマートに格好良くやられていたので、自分にできるのかまた不安でしたね(笑)。

-佐野さんは特技がサッカー、空手、それにボーカルダンスユニット「M!LK」でダンスもされていますが、その点を殺陣に生かせそうですか。

 グループでダンスをやらせてもらっていて、動きをまねるということは普段からやっていることなので、そこは生かせたらと思います。ただ、芝居となると話は別なので、昔だったら人を殺すために剣術を学んでいたわけで、そういった背景も理解しながら殺陣を学んでいきたいです。信乃の重さ、力強さを演じられたらと思いますね。

-ビジュアル撮影を終えての感想は?

 お話を頂いたときにはまだ実感がなかったですが、今日初めてメークもしてもらって、衣裳も着て、いよいよだなと感じました。撮影では舞台にいるようなイメージを膨らませたりもしましたし、身が引き締まる思いでした。

-ビジュアル撮影で演出の深作さんと会ったそうですが、どんなことを話しましたか。

 「先輩とはまた違った新しい里見八犬伝を一緒に作れたらいいね」とお声を掛けていただきました。初めてお会いしたのですが、とても優しくて、こちらの話もすごく聞いてくださるし、寄り添ってくださる方だと感じました。分からないことはとにかく質問して作り上げられたらなと思います。それと「料理するの?」と聞かれました。殺陣で人を斬る感覚というのが少しでも分かるんじゃないかということで、鶏肉とかを毎日切った方がいいとアドバイスを頂きました。人を斬るという感覚は現代だとなかなか体験できないですからね。普段はあまり料理をしないのですが、今日から切ろうかなと思っています。公演が終わる頃には肉料理だけ上手になっているかもしれませんね(笑)。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

前田旺志郎「世の中に関心を持つ大切さに気付いた」窪塚愛流「止まっていた時間が動き出した」初共演の2人が福島原発事故を題材にした映画で感じたこと『こんな事があった』【インタビュー】

映画2025年9月16日

 東日本大震災から10年後の福島を舞台に、原発事故で引き裂かれた家族と青春を奪われた若者たちの姿を描いた『こんな事があった』が9月13日から全国順次公開中だ。監督・脚本は、『追悼のざわめき』(88)などで日本のみならず世界の映画ファンから支 … 続きを読む

グイ・ルンメイ、真利子哲也監督「お互いが思い合うからこそすれ違う。でもそこには愛があるという家族の形を描きたかった」『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』【インタビュー】

映画2025年9月12日

 ニューヨーク・ブルックリンで暮らすアジア人夫婦を主人公に、息子の誘拐事件をきっかけに夫婦の秘密が浮き彫りとなり家族が崩壊していく姿を、全編NYロケで描いた『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』が、9月12日から全国公開され … 続きを読む

【物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家ストーリー】(3)無鉄砲小僧、恐れを知らぬ行動力

舞台・ミュージカル2025年9月12日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 ▼無鉄砲小僧、恐れを知らぬ行動力 … 続きを読む

北村匠海 連続テレビ小説「あんぱん」は「とても大きな財産になりました」【インタビュー】

ドラマ2025年9月12日

 NHKで好評放送中の連続テレビ小説「あんぱん」。『アンパンマン』を生み出したやなせたかしと妻・暢の夫婦をモデルにした柳井のぶ(今田美桜)と嵩(北村匠海)夫婦の戦前から戦後に至る波乱万丈の物語は、ついに『アンパンマン』の誕生にたどり着いた。 … 続きを読む

中山優馬「僕にとっての“希望”」 舞台「大誘拐」~四人で大スペクタクル~の再始動で見せるきらめき【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年9月11日

 中山優馬が主演する舞台「大誘拐」~四人で大スペクタクル~が10月10日に再始動する。本作は、天藤真の小説「大誘拐」を原作とした舞台で、2024年に舞台化。82歳の小柄な老婆が国家権力とマスコミを手玉に取り、百億円を略取した大事件を描く。今 … 続きを読む

Willfriends

page top