「パラレルワールドみたい」雪次郎とのシンクロ率に興奮! 山田裕貴(小畑雪次郎)【「なつぞら」インタビュー】

2019年6月28日 / 14:40

-役者の道を選んだあとにも、雪次郎には涙するほどの試練が待っているんですよね。なつ同様、雪次郎も紆余(うよ)曲折の人生ですね。

 そうですね。でも、なっちゃんは自分の人生をどんどん開拓して成功する一方、雪次郎は失敗続きで全然開拓できません。だけど、人生を開拓できなくても、大きく道を踏み外さない限りは幸せになれるという雪次郎の人生も素晴らしいです。実際、生きていく上で、本当にやりたいことをやれている人は少ないし、後になって「やっぱりやりたい!」と行動に移せる人はもっと少ないですよね。そう考えると、雪次郎はそんなジレンマを振り切る強さがあって偉いと思います。

-念願の朝ドラ出演ですが、現在の心境は。

 朝ドラのインタビューだと、こんなにも大勢のライターさん(約25人)が一気に集まってくれるという驚きとうれしさと同時に、同じ熱量で頑張ってきた今まではなんだったんだろう…と悲しさや悔しさもあります(笑)。

-周囲の反響はどうでしょうか。

 いろんな年代の方から「朝ドラ、見てますよ」と言われるようになったけど、名前は覚えられていないんですよね。「カメレオン俳優」って言われるけど、本当のカメレオンですよね。うれしさ半分、悲しさ半分です。

-そうは言っても近年は大活躍されていますよね。朝ドラと並行して他作品に出ることはやはり大変ではないですか。

 今回は4作ほどが重なった時期があって頭がごちゃごちゃでした。なので、本番に命を懸けて、現場ではギリギリまで時代設定とかキャラクターを思い起こして、本番の声が掛かると同時にスッと役に入り、感じたことをそのまま表現していました。それがスリリングで楽しくて、自分はこんなふうに動くんだ…と新しい発見もありました。その面白味がなかったら本当に嫌になっていたんじゃないかな。

(取材・文/錦怜那)

 

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