「パラレルワールドみたい」雪次郎とのシンクロ率に興奮! 山田裕貴(小畑雪次郎)【「なつぞら」インタビュー】

2019年6月28日 / 14:40

 菓子屋「雪月」の3代目を継ぐため、なつ(広瀬すず)と共に上京して修業をするも、役者の夢を捨て切れずに大きな決断をする小畑雪次郎。演じる山田裕貴は、役と自身の生き方や感情の「シンクロ率が高い」と興奮を隠せない。「なつぞら」というパラレルワールドで、もう1人の自分を生きる山田に、撮影時の様子や、役へのアプローチ法、念願の朝ドラ出演を果たした思いなどを聞いた。

小畑雪次郎役の山田裕貴

-菓子職人よりも役者の道を選ぶ雪次郎ですが、同じ役者として重なるところはありますか。

 僕は無個性でつまらない人間で、違う人になりたい欲求がすごかったから、この仕事は天職だと思っています。だから「俳優になりたい」というせりふには気持ちが乗りました。それに、父親が元プロ野球選手(元広島東洋カープ・山田和利)だから、僕も自分から野球を始めましたが、限界を知って自分の意志で辞めて役者を志したところも、菓子屋の息子として生まれたから当たり前のように家業を継ごうとするけれど、その道を自ら断って役者として生きることを選ぶ姿に重なります。

-脚本の大森寿美男さんは当て書きをされているのでしょうか。

 分かりませんが、雪次郎が大切にしている俳優像や役者としての感覚が自分と同じなので、僕のインタビュー記事をめちゃくちゃ読んでくれていると勝手に思っています(笑)。「本物は普通。スターじゃなくて、普通の人間だから伝わる精神を持っているのがすごい俳優」というせりふは、まさに僕が目指しているところなので、シンクロ率が高いです。

-性格面でのキャラクター作りはされましたか。

 戦後の大変な時代に、菓子屋の一人息子として生まれ、北海道の大自然の中で育った人間は、すごくホンワカしていると考えました。吉沢亮くん(山田天陽役)や清原翔くん(柴田照男役)とは何度か共演しているので、彼らが作るキャラクター像を予想して、そこから外れる男の子にしようとも思いました。結果的にホンワカイメージは成功でした。北海道では幼なじみの夕見子ちゃん(福地桃子)のことを好きと言っていたのに、上京したら女優の蘭子さん(鈴木杏樹)に心引かれたり、菓子屋を継ぐはずが役者の道に行ったりする人は、愛されキャラじゃないと見放されますよね。後からの肉づけもたくさんあるので、撮影のたびにワクワクしています。

-ちなみに、山田さんは甘いものは好きですか。

 和菓子が好きで、京都に行くと抹茶と和菓子を食べたり、名古屋出身だからか、小倉マーガリンも大好きです。劇中にも小倉とバターのお菓子が出てくるんですよ! 大森さん、どんだけ僕のこと好きなんですかね(笑)。

-雪次郎の人生を大きく変えた蘭子ですが、鈴木杏樹さんとの共演はいかがでしたか。

 大先輩なので、最初は演技プランなどを聞く一方でしたが、徐々に自然と話し合うようになりました。それは、雪次郎と蘭子さんがそうさせてくれたような気がします。劇団のシーンは本当に舞台をやっているようで、しびれる瞬間が多くて楽しかったです。

-小畑家(安田顕/父・雪之助、仙道敦子/母・妙子、高畑淳子/祖母・とよ)はいつもにぎやかですが、現場の雰囲気はどのような感じですか。

 皆さん、面白くて大好きです。愛が深くて、優しく見守ってくださり、リハーサルでも「好きなようにやっていいよ」と言ってくれます。小畑家は雪次郎にかき乱されることで家族の気持ちが動くシーンが多いので、僕が暴れるほど、いいキャッチボールができると信じて臨んでいます。ある重要なシーンで、台本には書かれていなかったけど自然と涙が出たときは、3人とも「良かった」と言ってくれました。それによって雪次郎は家族から許され、僕は役者として認めてもらえた気がしました。パラレルワールドみたいな感覚です。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【インタビュー】「十三人の刺客」中村芝翫「ぜひまた克典さんと共演を」高橋克典「家族に近い感覚でできたことが楽しかった」幼なじみの2人が、名作時代劇のリメークドラマで初共演

ドラマ2020年11月27日

 昭和の名作時代劇が、令和の時代によみがえる。昭和38(1963)年の公開以来、映画やテレビドラマ、舞台劇として何度もリメークされてきた「十三人の刺客」が、NHK BSプレミアムで11月28日(土)午後9時から新作テレビドラマとして放送され … 続きを読む

【インタビュー】『記憶の技法』石井杏奈「自分も華蓮と一緒に旅をした気分になって、自然と成長していけたと思います」

映画2020年11月26日

 東京に住む女子高校生の鹿角華蓮(かづの・かれん=石井杏奈)は、奇妙な記憶喪失癖に悩んでいた。幼少期の記憶の断片が不意に脳裏をよぎり、しばしば意識が飛んでしまうのだ。ある日、華蓮は自分が養子であることを知る。真実を知りたいと考えた華蓮は、同 … 続きを読む

【インタビュー】「23階の笑い」小手伸也 三谷幸喜演出の舞台で「全力で恩返しをするときがきた」

舞台・ミュージカル2020年11月25日

 三谷幸喜が演出する、ニール・サイモン作の「23階の笑い」が、12月5日から上演される。本作は、熾烈(しれつ)な視聴率戦争で各局がしのぎを削っていた1950年代のアメリカのテレビ業界が舞台。ある高層ビルの23階の一室に集まった人気コメディア … 続きを読む

【大河ドラマコラム】「麒麟がくる」 第三十三回「比叡山に棲(す)む魔物」光秀を比叡山焼き討ちに導いた運命の歯車

ドラマ2020年11月23日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「麒麟がくる」。11月22日放送の第三十三回「比叡山に棲(す)む魔物」では、朝倉義景(ユースケ・サンタマリア)と比叡山の天台座主・覚恕(春風亭小朝)の同盟に苦杯を喫した織田信長(染谷将太)が、家臣たちに比叡山 … 続きを読む

「派手な衣装からも、どこか憎めないキャラクターとして目に止まれば」ユースケ・サンタマリア(朝倉義景)【「麒麟がくる」インタビュー】

ドラマ2020年11月22日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「麒麟がくる」。個性的な戦国武将が数多く登場する中、本心の読めないキャラクターとして異彩を放っているのが、越前の戦国大名・朝倉義景だ。一時は美濃を逃れた明智光秀(長谷川博己)をかくまい、後には織田信長(染谷将 … 続きを読む

page top