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実はあの場面、泣いてしまったんです。勘九郎さんのお芝居に、ものすごく感動して。本番前のテストでは「先生、その通り!感動する」と思いながらも、普通に聞いていました。ところが、本番になったら勘九郎さんが、テストを遥かに上回る熱量でしゃべり始めて…。それを見ていたら、涙が止まらなくなり、思わず拍手までしてしまいました。それぐらい勘九郎さんのお芝居からは、うそのない真っすぐな気持ちが伝わってきました。こんなふうに、本番中であることを忘れるような経験は滅多にないので、そういう現場にいられたことが、とてもうれしかったです。
私自身、小さい頃からスポーツには慣れ親しんで、何の疑問も感じずにやってきました。でも、「女にとってはお嫁に行くことが一番。スポーツなんてとんでもない」という時代があった。そのことに、まず驚きました。今でこそ、世界中で男子と同じように女子もスポーツを楽しむようになり、マラソンではおへそを出して走ったりもしていますが、あの時代からは考えられないことだなと。もし、当時の人が現代にタイムスリップしてきたら、ものすごい衝撃を受けるでしょうね(笑)。そういう歴史があって、今につながっていると知ることができたのは、とてもよかったです。
(取材・文/井上健一)
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