「『アシガール』で過酷な場所を走った経験があるので、まだまだ余裕で走れます(笑)」黒島結菜(村田富江)【「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」インタビュー】

2019年6月9日 / 20:50

-第22回、富江が素足で走ったことが問題になり、学校に押しかけた父兄に対して四三が「あなたたちのような理解のない人がいるから、女子スポーツが普及しないんだ」と訴える場面も熱かったですね。

 実はあの場面、泣いてしまったんです。勘九郎さんのお芝居に、ものすごく感動して。本番前のテストでは「先生、その通り!感動する」と思いながらも、普通に聞いていました。ところが、本番になったら勘九郎さんが、テストを遥かに上回る熱量でしゃべり始めて…。それを見ていたら、涙が止まらなくなり、思わず拍手までしてしまいました。それぐらい勘九郎さんのお芝居からは、うそのない真っすぐな気持ちが伝わってきました。こんなふうに、本番中であることを忘れるような経験は滅多にないので、そういう現場にいられたことが、とてもうれしかったです。

-日本の女子スポーツの黎明期に活躍した女性を演じてみて、改めて感じたことは?

 私自身、小さい頃からスポーツには慣れ親しんで、何の疑問も感じずにやってきました。でも、「女にとってはお嫁に行くことが一番。スポーツなんてとんでもない」という時代があった。そのことに、まず驚きました。今でこそ、世界中で男子と同じように女子もスポーツを楽しむようになり、マラソンではおへそを出して走ったりもしていますが、あの時代からは考えられないことだなと。もし、当時の人が現代にタイムスリップしてきたら、ものすごい衝撃を受けるでしょうね(笑)。そういう歴史があって、今につながっていると知ることができたのは、とてもよかったです。

(取材・文/井上健一)

村田富江役の黒島結菜(中央)

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