【インタビュー】「連続ドラマW 悪党 ~加害者追跡調査~」東出昌大「撮影は台本との戦いでした」瀬々敬久監督「東出くんのドキュメンタリーのような作品」

2019年5月11日 / 13:09

-共演者と言えば、佐伯が働く探偵事務所の所長・木暮役の松重豊さんと東出さんは初共演だそうですが、印象をお聞かせください。

東出 やっぱりすごいなと…。その一言です。木暮はややとぼけたところのある人物なので、最初はしばらくそういう芝居が続きました。でもその後、初めて一対一で向き合うシーンを撮影したときは、それまでと全く違う熱を感じたんです。真剣に目と目を合わせる芝居をしてみたら、まるで心臓を殴られたような気持ちになって…。

瀬々 松重さんには何度か僕の作品にも出てもらっていますが、天使のような面と悪魔のような面がある。そんな持ち味が、木暮という人物にも生きています。守護天使のように「頑張れよ!」と佐伯を応援しながら、時には悪魔のようなささやきもする…。そういう両面性のある不可思議な存在感は、松重さんならではです。

-作品の見どころは?

東出 瀬々監督はこれまで『ヘヴンズ ストーリー』(10)や『64-ロクヨン-(前編/後編)』)、『友罪』など、犯罪を扱った作品をいくつも手掛けてきました。ただ今回は、そのいずれとも違った作品に仕上がっています。瀬々監督の下、みんなが同じ方向を向いて作った作品で、僕もその一体感を肌で感じながら演じていました。そういう空気も含めて、ドキュメンタリーのような雰囲気のある作品になったのではないでしょうか。

瀬々 “復讐”という視点から犯罪の被害者と加害者、それぞれの問題に迫るというテーマはとても現代的です。とはいえ、それだけにとどまらず、犯罪を通して現代を生きる人々の姿を描いた奥行きのある作品になったと思います。俳優の演技にも力があるので、登場人物たちのエモーションは視聴者の方にも伝わるはず。それが人の温かさなのか、人生の試練なのかは分かりません。いずれにしても、深みのある人間ドラマとして、皆さんに何かを感じてもらえたらうれしいです。

(取材・文・写真/井上健一)

 

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【映画コラム】時空を超えた愛の行方は『楓』『ビューティフル・ジャーニー ふたりの時空旅行』『星と月は天の穴』

映画2025年12月20日

『ビューティフル・ジャーニー ふたりの時空旅行』(12月19日公開)  友人の結婚式で知り合ったデビッドとサラは、レンタカーのカーナビに導かれ奇妙なドアにたどり着く。そのドアの先は、それぞれの「人生で一番やり直したい日」につながっていた。“ … 続きを読む

北香那「ラーメンを7杯くらい食べたことも」天野はな「香那ちゃんのバレエシーンは見どころ」 「ラーメン」と「クラシック・バレエ」が題材のコメディーで共演 NHK夜ドラ「替え玉ブラヴォー!」完成会見

ドラマ2025年12月19日

 12月19日、東京都内のNHKで、1月5日からスタートする夜ドラ「替え玉ブラヴォー!」の完成会見が行われ、主人公・千本佳里奈(ちもと かりな)役の北香那、佳里奈の親友・二木優美(ふたぎ ゆみ)役の天野はながドラマの見どころを語ってくれた。 … 続きを読む

【物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家ストーリー】(9)浅間神社で語る「厄よけの桃」

舞台・ミュージカル2025年12月18日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。  前回は、玉田家再興にあたり「三つ … 続きを読む

石井杏奈「人肌恋しい冬の季節にすごく見たくなる映画になっています」『楓』【インタビュー】

映画2025年12月17日

-実際に福士さんと共演してみていかがでしたか。  とてもすてきな方で、待ち時間にちょっとお話できたんですけど、すごく温厚な方でした。お芝居に関してはすごく真面目でストイックで、「このせりふはこうやって言ってみるのもありかも」というような優し … 続きを読む

染谷将太 天才絵師・歌麿役は「今までにない感情が湧きあがってきた」 1年間を振り返る【大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」インタビュー】

ドラマ2025年12月15日

-ご自宅でも絵の練習をされたそうですね。  台本が来るたびに絵を担当するチームとの打ち合わせがあり、練習用の絵が並んだ計算ドリルのようなプリントを数十枚いただくので、それを自宅に持ち帰り、宿題のように繰り返し描いて練習していました。 -歌麿 … 続きを読む

Willfriends

page top