「金栗さんの走り方は、ストックホルムオリンピックに向けて洗練されていくように考えました」金哲彦(マラソン指導)【「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」インタビュー】

2019年2月4日 / 15:47

-ストックホルムロケにも参加されたそうですね。

 撮影のために3週間ほど滞在し、40~50人ぐらいのランナー役のエキストラの方にも指導を行いました。助監督の方が走る順番を決めた後、順位に合わせて僕が「この人の走りはこう」と、走り方に差をつけていく感じです。中にはマラソン選手に見えない人もいたので、そういう人には走り方から指導して…。基本的に、今の人はランニングシューズを履いたときのように、弾むような走りになってしまうことが多いんです。でもそれは、当時の走り方とは違うので、そうならないように指導していきました。

-金栗四三が主人公と聞いたときのお気持ちは?

 一般には知られていませんでしたが、僕らにとって金栗さんは昔から知っている方で、日本のマラソンと駅伝の父のような存在。だから、金栗さんが主人公と知ったときは、ものすごくうれしかったです。僕も歴史好きで、大河ドラマはずっと見てきましたから。

-ご自身も前回の東京オリンピックが開催された1964年生まれということで、この作品に対する特別な思いはありますか。

 東京オリンピックの年に生まれ、生まれた土地も、マラソンで東京オリンピックに出場した君原健二さんの故郷・北九州です。僕が長距離を始めたのも、幼い頃から君原さんに憧れていたことがきっかけ。それから大学に入って瀬古利彦さんを育てた中村清さんと出会い、卒業後は小出義雄さんと出会って、オリンピックでメダルを獲った有森裕子さんや高橋尚子さんに指導する機会も得ました。そして今回、金栗さんを現代によみがえらせる役割の一端を担わせていただけることに…。やってきたこと全てがマラソンやオリンピックにつながっているので、これが自分の運命であり、与えられた役割なのかな…と思っています。

(取材・文/井上健一)

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【K-POPもKドラマも深読みしたら韓国が見えた】#受験競争だけではない韓国の教育問題、「鉄槌教師」が問う教師の役割

2026年9月29日

 K-POPや韓国ドラマは、エンターテインメントであると同時に、韓国社会を映す鏡でもある。何気ない言葉やしぐさ、習慣の背景をたどると、その国ならではの価値観や歴史、人との関わり方が見えてくる。この連載では、韓国カルチャーを入り口に、知ってい … 続きを読む

鈴鹿央士「絶対に映画館で見て損はさせない映画になっています」『藁にもすがる獣たち』【インタビュー】

映画2026年9月29日

-おばあちゃん役の風吹ジュンさんとの印象に残ったエピソードがあれば。  とても面倒見のいい方で、何か聞いたら何でも返してくれるし、気を使ってくださいました。本当は僕が気を使わなければいけないのに、風吹さんの方から、「大丈夫よ。頑張ろうね」っ … 続きを読む

向井理、演出家・倉持裕と再びタッグ 6人で描き出す会話劇に「戻ってきたな。こういうことがやりたかった」 M&Oplaysプロデュース「ブランク」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年9月29日

 向井理が主演するM&Oplaysプロデュース「ブランク」が、10月3日から開幕する。本作は、2023年に本多劇場で上演した「リムジン」に続き、向井と倉持裕が再びタッグを組んで贈る新作公演。ある弁護士事務所を舞台に、そこで繰り広げら … 続きを読む

「生きることはこんなに面白いと示したい」制作統括が「ブラッサム」に込めた思い【連続テレビ小説「ブラッサム」インタビュー】

ドラマ2026年9月28日

-そんな珠の父・清治は、現代ではありえないほど娘に厳しく接しますね。  厳しい父親の話は、宇野千代さんの著書にも書かれていることです。現代の視点で見るとつらい話ではありますが、当時の家父長制の下では、ああいう側面があったことは事実です。ただ … 続きを読む

石橋静河「皆さんに『一歩前進してみようかな』と思っていただけたら」連続テレビ小説主演に懸ける思い【連続テレビ小説「ブラッサム」インタビュー】

ドラマ2026年9月26日

  -劇中では、渡部篤郎さん演じる珠の父・清治が強烈な存在感を放っています。珠と清治の関係も物語の重要なカギになりそうですが、2人の関係をどのように捉えていますか。  実際のお父様は、宇野千代さんが「ドストエフスキーの小説に出てくる狂人のよ … 続きを読む

page top