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それは他の監督よりもあると思います。そこも“黒澤明人類講座”から学んだことです(笑)。黒澤監督は、各作品ごとに全てのキャラクターをゼロから作っています。例えば、志村喬さんをよく使うからといって、いつも同じような役ではない。役ありきでやっています。
僕自身は、普段映画や舞台を見る中で、「あっいいな、一緒に仕事がしたいな」という役者さんをリストアップしています。その意味では、松重さんも、酒向さんも以前から注目していました。今回、酒向さんはオーディションに来たのですが、ずっと舞台で見ていたので、実際はああいう髪形だとは知りませんでした。それで改めてオーディションで見て、「これは松倉だ」と即決しました。松倉は、見る人が「この人誰?」と思う中で、すごみが出てくるような役です。日本のワルの伝統を踏まえて、どちらに転ぶか分からないというような人間にしたかったんです。その意味では、今回はいいところにいい役者が入ってくれました。
時代劇や歴史物の合間には、現代に戻って、今の自分が考えていることや、日常に起きている怖いことを描きたいと考えています。そういう意味では、タイミングよくいい原作と巡り合えたと思っています。
ホームシアターで見ていただくと、画面の構図などを含めて、いろいろなことをチェックしてもらえると思います。これは犯罪映画ですから、一つの流れがありますけど、その中でも、例えば伏線や遊びの部分、衣装の色なども確認していただけたらと思います。DVDには、僕と木村さんと二宮くんによるビジュアルコメンタリーが収録されているので、3人の“内幕ばらし”も(笑)、楽しんでいただけたらと思います。
(取材・文・写真/田中雄二)
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