「テーマ曲は、1964年の東京オリンピックの会場に、たくさんの人が集まって、盛り上がっている雰囲気を意識しました」大友良英(音楽)【「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」インタビュー】

2019年2月1日 / 17:09

-東京都内でロケハンもされたとか。

 金栗さんや志ん生さんが暮らしていた辺りを回ってみましたが、東京は関東大震災や太平洋戦争で破壊されているので、当時の痕跡はほとんど残っていないんです。ただ、チーフディレクターの井上剛さんが、当時の写真を見て「中東みたいだ」と。それはなぜかというと、当時の日本人が、影響を受けた欧州風の建築にしようと頑張ってみた。でもやっぱり日本人が作る以上、同じものはできず、和洋折衷の状態になってしまったからなんです。そういうところから、音楽も和洋折衷的なものをたくさん作りました。

-テーマ曲同様、劇伴の方もにぎやかな感じに?

 NHK交響楽団と僕のビッグバンド、僕と長年一緒にやってきた芳垣安洋さんの打楽器グループ“Orquesta Nudge! Nudge!”が三本柱となって演奏しています。他にも、必要に応じて、三味線や和太鼓、鼓といった和楽器奏者の方に加わってもらったり、ブラジルで録音した打楽器の音を散りばめたり、一般の方たちにも演奏してもらたり…。面白いところでは、アルゼンチンのトップパーカッション奏者サンチャゴ・バスケスさんを日本に招いて、一緒に即興演奏した曲もあります。そんなふうに、色々な方が参加してくれたので、劇伴の方もにぎやかな仕上がりになったと思います。

-田畑政治(阿部サダヲ)が主人公になる後半の構想は?

 金栗さんが主人公の前半は明治から昭和初期が舞台ですが、田畑さんが活躍する後半は昭和初期から1964年まで。その時代感の違いは出てくるのかなと。登場人物もまだご本人がお元気な方がいますし、1964年の東京オリンピックを覚えている人も世の中にたくさんいます。そういう意味で、僕たちの時代に近づいてくるので、そのあたりも意識した音楽になっていくでしょうね。いろいろと仕掛けも考えているので、楽しみにしていてください。

(取材・文/井上健一)

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

「生きることはこんなに面白いと示したい」制作統括が「ブラッサム」に込めた思い【連続テレビ小説「ブラッサム」インタビュー】

ドラマ2026年9月28日

-そんな珠の父・清治は、現代ではありえないほど娘に厳しく接しますね。  厳しい父親の話は、宇野千代さんの著書にも書かれていることです。現代の視点で見るとつらい話ではありますが、当時の家父長制の下では、ああいう側面があったことは事実です。ただ … 続きを読む

石橋静河「皆さんに『一歩前進してみようかな』と思っていただけたら」連続テレビ小説主演に懸ける思い【連続テレビ小説「ブラッサム」インタビュー】

ドラマ2026年9月26日

  -劇中では、渡部篤郎さん演じる珠の父・清治が強烈な存在感を放っています。珠と清治の関係も物語の重要なカギになりそうですが、2人の関係をどのように捉えていますか。  実際のお父様は、宇野千代さんが「ドストエフスキーの小説に出てくる狂人のよ … 続きを読む

【映画コラム】戦争が終わった後に残るものは…『ハート・オブ・ビースト』『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』

映画2026年9月25日

『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』(9月11日公開)  ニューヨークの貧しい家庭に生まれたアフリカ系アメリカ人のアレン・ネルソン(ロドニー・ヒックス)は、貧困と差別から抜け出すため18歳で海兵隊に入隊する。1966年、ベトナム戦争 … 続きを読む

市川團十郎、市川新之助「こういう形で記録に残せたのは非常によかったと思います」【インタビュー】『襲名』

映画2026年9月24日

-クライマックスの「勧進帳」で、歴代の團十郎さんによる弁慶と富樫が重なって映るシーンも、三池監督の発案でしょうか。 團十郎 私からは何も言っていません。三池さんが一生懸命にお作りになって、ああいう形になってよかったと思います。父(十二代目) … 続きを読む

尾上松也「金田一耕助を演じる喜びがふつふつと」奥智哉「今の時代にふさわしい作品に」名作ミステリー映画で共演『八つ墓村』【インタビュー】

映画2026年9月18日

-お二人は今回が初共演だそうですが、そういう金田一と辰弥の関係をどのように作っていったのでしょうか。 松也 僕のクランクインが、ロケ地の岡山でちょうど奥さんや堀田(真由/森美也子役)さんと3人のシーンでしたので、初日の撮影が終わった後にみん … 続きを読む

page top