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白石 フワッとした話をした程度です。ジャズを聴いていたただのフーテンが、なんとなく若松プロに加わったという話で、特別こういうキャラを作りたいということではなかったので。麦ちゃんがやってくれることになった段階で、僕の中ではある程度見えていたので、信頼して任せました。
門脇 新さんとの、というよりは、作品全体の中で自分がどのあたりにいるのがいいのかというバランスを探っていました。白石監督や新さんなど、若松さんと縁のある方たちの中に、お会いしたことのない私が飛び込むことは、右も左も分からないまま若松プロに飛び込んだめぐみさんに重なると思ったので。
門脇 そうかもしれません。引っ張られ過ぎない人がいることで、当時を知らない人にも見やすい映画になったのかなと。
白石 本当にその通り。さらに言えば、麦ちゃん1人だけだったら、「おや?」と思う部分もあったかもしれないけど、ガイラ(小水一男)役の毎熊克哉くんとか、荒井晴彦役の藤原季節くんとか、同じような若者たちが何人か集団でいたので、それもよかったんだろうなと。
門脇 メークや衣装、ロケ場所などに導かれたところもあると思っています。ゴールデン街など、あの時代の名残があるところで撮影していたので…。あと、めぐみさんの写真があったので、それを毎日眺めながら、ひたすら「どうか助けてください」と祈っていました(笑)。
門脇 完成した映画を見たとき、まず思ったのが「これが青春映画だよな」ということ。今、世の中に「青春映画」と呼ばれる作品はいっぱいありますけど、そういうものとは全く違う。これこそ“キラキラ映画”(笑)。だから、私と同世代の人や、より若い10代の人たちが見て、「こういう青春の方がかっこいい」と思ってくれたらうれしいです。
白石 それは間違いありません。まずは、当時の若松さんたちの情熱を焼きつけたかった。その上で、僕らには同じ年代の頃、あんなに熱量を持って生きられなかったという思いがある。「時代のせい」と片づけるのは簡単だけど、結局それは自分の至らなさ。そういう意味で、そこに対する憧れはやっぱりありますから。だから、今の若い人が見て、少しでも「ああいうことをやりたい」と思ってもらえたらいいですね。
(取材・文・写真/井上健一)
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