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本当に素晴らしかったです。2人で練習していく中から「ここで目線を合わせれば、タイミングを合わせているように見えるから、リアルに見えるよね」みたいなことを、自分たちできちんとつかんでいくんです。若さってすごいな…と。
そうですね。それがなければ、ここまでできるようにはならなかったと思います。そういう関係性があるとは知らずにキャスティングしていましたが、その意味では、やっぱりご縁があったんだなと。
単純に音楽映画が好きなんです。普段、他の映画を撮っていると、「ちゃんと感動してもらえるかな」とか、「心に残ってもらえるだろうか」と不安になる瞬間がいっぱいあります。だけど、音楽映画は音楽の強度があるおかげで、自分の作品でありながら、自分が心動かされることがあるんです。だから、すごくやりやすいし、安心して見ていられる。いい音楽であればあるほど、何回見ても心動かされる。音楽映画はそういう力を持っています。だから、お話を頂くと「ぜひやらせてください」と言ってしまいます(笑)。
圧倒的に難易度が高かったです。今までやってきた作品は、ロックバンドとか合唱とか吹奏楽という、ある程度決まった形をプレーするもの。だけど、ジャズの魅力はやっぱりセッション。だから、その場で出たアドリブ感を、アドリブでない形で撮らなければいけない。レコーディングしたプロのミュージシャンですら、「アドリブなので、同じことはできません」と言う音源を完璧にマスターして演奏しなければいけない。圧倒的に難しいことを俳優に要求しなければいけないんだなと、後になって気付きました。でも、2人が頑張ってくれたおかげで、うそをつかずに撮影できたのは、本当にうれしかったです。
そうですね。特典映像にはセッション場面をマルチアングルで収録しています。知念くんと中川くんはもちろん、ディーン・フジオカさんや中村梅雀さんの演奏もすごくすてきです。時間の都合で心を鬼にしてカットした分、特典映像に収録しています。本編に出せなかった映像がたくさん収録してあって見どころたっぷりなので、ぜひご覧ください。
(取材・文・写真/井上健一)
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