エンターテインメント・ウェブマガジン
小玉ユキの人気コミックを実写映画化した『坂道のアポロン』のBlu-ray&DVDが9月19日に発売される。孤独な高校生・西見薫と同級生の不良少年・川渕千太郎のジャズを通じた交流をつづった青春音楽映画だ。薫役に知念侑李、千太郎役に中川大志という人気若手俳優2人を起用した本作の監督を務めたのは、『ホットロード』(14)、『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』(16)など、青春映画を数多く手掛けた三木孝浩氏。2人のキャスティングや、見どころである演奏シーンの裏話などを聞いた。
実は先にアニメ版を見ていたんです。そこで「アニメでこんな音楽表現をしている作品があるんだ!」と興味を持ち、原作も読みました。だから、お話を頂いたときは「あの作品か!」と思ったものの、アニメのライブシーンがあまりにも素晴らし過ぎたので、「これを実写で越えるのは相当、難易度が高いな」と、やや及び腰になりました。
薫と千太郎のキャラクターも、腰が引けた理由の一つです。薫の方はまだ捜せばいそうな気がしたんですけど、千太郎みたいな人はどこにいるんだろうと。若い俳優で、豪快で、ドラムもできる、みたいなキャラクターはなかなかいない。企画自体はいいなと思ったのですが、まずキャスティングが難航しました。
相性の良さとか、バランスの良さです。身長差を大事にしました。あとは一応、2人ともピアノとドラムに触ったことがあるということだったので。本当に触った程度でしたけど(笑)。だから、最初に練習を見たときは、ここから撮影までの間に、どれぐらいスキルアップできるのかと心配になりました。場合によっては、演奏シーンの手元はプロにやってもらった方がいいのかな…と。
はい。ただ、音楽映画でそういううそはできればやりたくないので…。
やっぱり分かっちゃうじゃないですか。「ここはプロがやっているのね」と。だから、絶対に逃げないところまでやりたいとは思っていました。その点では、知念くんと中川くんが、僕らスタッフの想像以上に頑張ってくれました。クランクイン前のリハーサルを見た時点で、2人のセッションがあまりにも素晴らしくて…。「この感動をきちんと映画にしなければ」という使命感があふれてきたぐらいです。
本当は10カ月でも全然足りなかったはずです。しかも、10カ月と言っても、最初は基礎練習ばかりで、ちゃんとレコーディングされた本番用の曲ができたのは、撮影の3カ月前。あんな短期間であそこまでできたのは奇跡的と言っていいでしょう。何人ものミュージシャンの方が、2人の演奏シーンを見て「1年弱であんなレベルに行けるのは信じられない」と驚いていたぐらいです。
現場ではプロがアドリブで演奏した音源をコピーして演奏するけど、それをアドリブのように見せなければいけない。だから、ピアノやドラムの指導の方に、アドリブのように見せるにはどうしたらいいのかと、いろいろ相談しながらやってもらいました。それは演出できる領域ではないので、僕はただ祈るのみでしたけど(笑)。
映画2021年1月21日
チャールズ・ディケンズの『デイヴィッド・コパフィールド』を、『スターリンの葬送狂騒曲』(17)のアーマンド・イアヌッチ監督(イタリア系のスコットランド人)が映画化した『どん底作家の人生に幸あれ!』が、1月22日から公開される。 ディケン … 続きを読む
ドラマ2021年1月20日
NHKで好評放送中の大河ドラマ「麒麟がくる」。1月17日放送の第四十一回「月にのぼる者」は、前回、壮絶な最期を遂げた松永久秀(吉田鋼太郎)の遺品「平蜘蛛の釜」を巡り、濃密なドラマが繰り広げられた。 今回、平蜘蛛の釜が話題に上ったのは、羽 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2021年1月18日
須賀健太が主演する、「朗読劇 #ある朝殺人犯になっていた」が、1月29日に開幕する。本作は、藤井清美の同名小説を、藤井自身が戯曲化し、ステージングと生演奏、映像を使用した新感覚の朗読劇として上演する。主人公・浮気淳弥(須賀)がある朝、目覚 … 続きを読む
ドラマ2021年1月18日
バブル経済崩壊後の1996 年、経営破綻した住宅金融専門会社(住専)の不良債権回収を目的に設立された国策会社「住宅金融債権管理機構」。その中でも、特に悪質な債務者への取り立てを担当したのが、不良債権特別回収部、通称“トッカイ”だ。1月17 … 続きを読む
ドラマ2021年1月17日
クライマックスとなる“本能寺の変”に向かって、ますますアクセルを踏み込んできたNHKの大河ドラマ「麒麟がくる」。見逃せない展開が続く中、織田信長(染谷将太)の下で主人公・明智光秀(長谷川博己)と並ぶ活躍を見せるのが、羽柴秀吉(後の豊臣秀吉 … 続きを読む