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主人公・西郷吉之助(鈴木亮平)がついに三度目の結婚をした。その相手は、幼なじみで一度は他家に嫁いだ岩山糸。紆余(うよ)曲折を経てようやく結ばれた2人だが、その前には幕末の動乱が立ちふさがる。演じる黒木華が、革命に向かって突き進む吉之助を支える糸という女性に込めた思いを語った。
あのシーンは、糸の成長を感じた場面でした。吉之助さんのプロポーズを一度断った後、自分から「西郷吉之助の嫁として、新しい国を一緒に見たい」と告げたわけです。今までの家に縛られる女性とは違い、私はあなたの一番近くで、自分ができることをしてそれを見届けたいという、新しい男女の形を示した。それこそまさに、吉之助が目指す「新しい国」を象徴する言葉。だから、演じていても感極まるものがありました。
久しぶりの登場となりましたが、その間、糸は糸なりに結婚して、別の家に嫁いでいた時間があります。だから、昔の雰囲気も残しつつ、いろいろなことを受け入れて大人の女性に成長したことを意識しながら演じています。
まず何よりも「久しぶりだなぁ…」と(笑)。監督からは「少し複雑な気持ちを出してほしい」と言われたので、演じる上ではそういう部分も交えて。ただそれは、「恥ずかしい」といったものではなく、いろいろなことを乗り越えてきた分、昔の吉之助さんとは違うなと…。そんな気持ちです。
人を思いやる心はずっと変わりません。ただ、人の上に立つ責任や覚悟といったものを背負っている雰囲気が加わってきました。やはり、人の生死と向きあい続けている分、昔の朗らかな感じとは違うなと。それは、亮平さん自身からも伝わってきます。だから余計に、悩み、苦しむ吉之助さんの姿が、見ていて切ない。なので、糸としてもより一層、強さを出して見守ってあげなければいけないなと、気持ちを新たにしているところです。
自分には子どもができないという後ろめたさがあるので、気を使っているはずです。吉之助さんの子どもを2人も生んでくれた人なので、やっぱり糸にとっても重要な存在。後にその事実ときちんと向き合って、吉之助さんから愛加那さんの話を聞く場面もありますが、その過程を経て、2人はきちんと夫婦になったような気がします。そういう事実を受け入れられるところが、糸の強さかな…と。
外から見ていたときとは、関わり方が明らかに違います。革命に向かって突き進む人の家を守るということで、糸自身も大人にならざるを得ません。「西郷吉之助の妻」という肩書は、とても重い。新しい時代を作るという使命に燃える吉之助さんの妻として、糸は大黒柱の代わりにならなければいけない。そのためにいろいろと悩むわけですが、そういう悩みを人に見せないところにも、糸の強さを感じます。
そうですね。ただ、その強さがさらに増して、人としての器もどんどん大きくなっています。愛加那さんの子どもを引き取ることに関しても、将来を考えて…ということは理解できますが、私が同じ立場だったら「母親から子どもを奪うのか…」と考えてしまうでしょう。そういうところからも、糸の成長の跡がうかがえます。そういった部分をこれからどう演じていこうか、考えているところです。
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