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寒さです。マイナス30度の設定ですが、経験がないですし、撮影時期は秋で非常に過ごしやすい気温だったので、寒さの表現が難しく、ちゃんとできているのか不安でした。でも、美術チームが作り上げた映像や木枯らしの効果音、さらには曇天にも恵まれて、かなりイケてるんじゃないかと思っています。
撮影所の馬なのに調教されていなくて、馬車が定位置になかなか止まらないんです(笑)。あとは言葉です。文化の違いもあり、僕らの演出意図が現地のスタッフやキャストにうまく伝わらず、どんどん日が暮れていくからスリリングでした。例えば、「軽くうなずく」が翻訳されると、「大きくうなずく」になっていたり、日本人の繊細な感覚が大陸的な中国人には伝わりづらいところがありましたね。
原田さんは非常に落ち着いた大人の方。僕は役柄も相まって情熱だけで突っ走るところがあるので、原田さんの存在はねたましくもあり、尊敬もあり、複雑な気持ちでした。満島はいつもくだらないギャグを言って場を和ませていたけど、年の割にしっかりしているところもあります。撮影外では、それぞれのキャラクターを引きずりつつ、たわいない話をして関係を深めていたので、本番では三銃士のように息が合っていたと思います。
木村さんは本当にビシッとした、白黒がはっきりとした方なので、女性としての強さを持つ万里子にぴったりでした。特にすてきだなと感じたのは、ご結婚されて、お子さまもいらっしゃるので、子どもへの接し方にうそがないところです。母だ!と思いました。
ショーケンさんとは初共演ですが、芝居を楽しみ、とても細やかに役を作り上げていく方で、眼鏡一つ、つえ一つにもこだわり、とても真剣に準備されていると感じました。最初に吉田茂に扮(ふん)したショーケンさんとお会いしたときは、「あっ、吉田茂がいる!」と思いました。
中国ロケを敢行し、また、きめ細やかなCGの力も借りて、自分自身この作品を見て、「とても壮大でスケールの大きな作品に仕上がっているじゃないかっ」と驚きました。堅苦しい政治劇ではなく、事実の材料を使いながら、見る者にエネルギーをくれる冒険劇に仕上がっていますので、ぜひ楽しんで見てください。
(取材・文/錦怜那)
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