【インタビュー】『ミッドナイト・バス』原田泰造 「演じてもいいんだ…」芸人故のかせを捨ててつかんだ役者魂

2018年1月26日 / 18:33

 お笑いトリオ・ネプチューンの原田泰造。芝居の世界で活躍している芸人は大勢いるが、原田のようにコンスタントに起用され、NHK大河ドラマや朝の連続テレビ小説などにも出演し、役者としての顔も全国区である芸人はそうはいない。それは、高い演技力が評価されているからだが、過去には撮影現場で悔しい思いをしたこともあるという。そんな原田が、ネガティブな思いをはねのけ、役者業を謳歌(おうか)するまでに至ったいきさつや、2度目の映画主演に弾む胸中を語ってくれた。

長距離深夜バスの運転手を演じた原田泰造

 直木賞候補にもなった伊吹有喜氏の同名小説を、竹下昌男監督が実写映画化した本作は、新潟~東京間を走る長距離深夜バスの運転手で、バツイチ子持ちの中年男・高宮利一が主人公のヒューマンドラマだ。

 恋人(小西真奈美)との再婚を考えていた利一(原田)が、16年ぶりに元妻(山本未來)と再会したことで、バラバラになっていた家族の時間が再び動き出す様子が描かれており、原田は関越トンネルを挟んで「父性」と「男性」を往来する難しいキャラクターを見事に演じ切っている。

 竹下監督とのタッグは、原田が初主演した映画『ジャンプ』(04)以来2度目。前作で主役に抜てきしてもらったこともあり、「竹下監督が撮るなら出なくちゃ」と思っていた原田は、今回のオファーに何のプレッシャーもなく、ただただ「うれしい」と顔をほころばせる。

 役柄上、必要不可欠だった大型自動車免許の取得も苦にはならず、3カ月ほど教習所に通い、普通免許では3、4回もトライしたという技能試験に一発合格したそうで、「バスを運転することで、気持ちが利一へ近づいていった」と、教習期間が役へのアプローチに役立ったことも教えてくれた。

 そして、「原作を読んだ時に泣いたし、一番好き」と明かすフェリーでの山場のシーンに向かい、全員で力を合わせて一生懸命に作り上げたことを語った。また、他の作品に出演している原田の演技を見て、「いいと思ったことがない」と常々話している竹下監督に対して、「ひどいよね」と笑いながらも、「分からないことは何でも聞いたし、利一役を一緒に作っているなぁと実感した」と吐露すると、「これはさすがに『いい』と言ってくれるでしょう」と自信をのぞかせた。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

柳楽優弥「川栄さんと真剣に作品に向き合ってきた」川栄李奈「柳楽さんを信頼しています」共演4度目の2人が伝説的作品に挑む『RYUJI 竜二』【インタビュー】

映画2026年10月30日

 1983年に公開されるや否や観客の熱狂的な支持を集めた『竜二』。直後に主演・脚本の金子正次が急逝したことも重なり、伝説的作品として時代を超えて語り継がれてきた。その伝説が、新たに『RYUJI 竜二』として令和の現代によみがえる(10/30 … 続きを読む

横浜流星に「流星をよろしく」の声続々 『国宝』脚本家・奥寺佐渡子が「LOST10」で感じた愛される人柄【インタビュー】

ドラマ2026年10月30日

 横浜流星が主演するドラマ「LOST10」が、毎週金曜午後10時からTBS系で放送中だ。本作は、横浜と映画『国宝』以来の再タッグとなる奥寺佐渡子氏が脚本を担当し、「Nのために」「最愛」などを手掛けた塚原あゆ子監督らのチームが制作するヒューマ … 続きを読む

桐谷健太、「聖地X」で5年ぶりの舞台に挑む 「きっといろいろな刺激を受け、新たな感覚に出会える」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年10月30日

 桐谷健太が主演する舞台、PARCO PRODUCE 2026「聖地X」が、11月5日から上演される。本作は、SFやホラー、怪談など“目に見えないもの”との関わりから人間の本質を描いてきた劇作家・演出家で、劇団イキウメ主宰の前川知大の代表作 … 続きを読む

丘みどり、ジャッキー・ウー監督「もっとうまく歌えと言われたことは何度もありますが、もっと素人っぽく素朴に歌ってほしいというのは初めてでした」『演歌の坂道』【インタビュー】

映画2026年10月29日

 乾物屋の女将として家族を支えながら、48歳にして演歌歌手の道を歩み始めた女性の奮闘を描く『演歌の坂道』が、10月16日から全国公開された。本作のジャッキー・ウー監督と、ヒロインの高橋良子を演じ、映画初主演を務めた演歌歌手の丘みどりに話を聞 … 続きを読む

「それぞれの年代で、あの時これをやっていたなという見方ができるのも面白いです」渡辺いっけい『月影のゴールデン街』【インタビュー】

映画2026年10月29日

 長年にわたり、テレビ界で活躍してきた錦信次監督が63歳にして長編映画監督デビューを果たし、新宿ゴールデン街を舞台に描いた人間ドラマ『月影のゴールデン街』が、10月30日から全国順次公開される。本作の主人公でスナックのマスター青木を演じた渡 … 続きを読む

page top