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お笑いトリオ・ネプチューンの原田泰造。芝居の世界で活躍している芸人は大勢いるが、原田のようにコンスタントに起用され、NHK大河ドラマや朝の連続テレビ小説などにも出演し、役者としての顔も全国区である芸人はそうはいない。それは、高い演技力が評価されているからだが、過去には撮影現場で悔しい思いをしたこともあるという。そんな原田が、ネガティブな思いをはねのけ、役者業を謳歌(おうか)するまでに至ったいきさつや、2度目の映画主演に弾む胸中を語ってくれた。
直木賞候補にもなった伊吹有喜氏の同名小説を、竹下昌男監督が実写映画化した本作は、新潟~東京間を走る長距離深夜バスの運転手で、バツイチ子持ちの中年男・高宮利一が主人公のヒューマンドラマだ。
恋人(小西真奈美)との再婚を考えていた利一(原田)が、16年ぶりに元妻(山本未來)と再会したことで、バラバラになっていた家族の時間が再び動き出す様子が描かれており、原田は関越トンネルを挟んで「父性」と「男性」を往来する難しいキャラクターを見事に演じ切っている。
竹下監督とのタッグは、原田が初主演した映画『ジャンプ』(04)以来2度目。前作で主役に抜てきしてもらったこともあり、「竹下監督が撮るなら出なくちゃ」と思っていた原田は、今回のオファーに何のプレッシャーもなく、ただただ「うれしい」と顔をほころばせる。
役柄上、必要不可欠だった大型自動車免許の取得も苦にはならず、3カ月ほど教習所に通い、普通免許では3、4回もトライしたという技能試験に一発合格したそうで、「バスを運転することで、気持ちが利一へ近づいていった」と、教習期間が役へのアプローチに役立ったことも教えてくれた。
そして、「原作を読んだ時に泣いたし、一番好き」と明かすフェリーでの山場のシーンに向かい、全員で力を合わせて一生懸命に作り上げたことを語った。また、他の作品に出演している原田の演技を見て、「いいと思ったことがない」と常々話している竹下監督に対して、「ひどいよね」と笑いながらも、「分からないことは何でも聞いたし、利一役を一緒に作っているなぁと実感した」と吐露すると、「これはさすがに『いい』と言ってくれるでしょう」と自信をのぞかせた。
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