【インタビュー】『今夜、ロマンス劇場で』坂口健太郎&本田翼 役へのアプローチの鍵は綾瀬はるかの“ナチュラルさ”と監督の“執念”

2018年2月13日 / 17:53

 モノクロ映画の中から飛び出してきたヒロインと、現実世界で映画監督を目指す青年のロマンチックで切ない恋模様を描いた『今夜、ロマンス劇場で』。本作で、坂口健太郎は高飛車な王女様・美雪(綾瀬はるか)に恋する青年・健司役、本田翼は健司に恋心を抱く社長令嬢・塔子役という、これまで演じてきたキャラクターとは異なる役どころに挑戦し、新たな魅力を発揮している。そんな2人が、役に近付くためのキーポイントや映画の魅力などを語ってくれた。

坂口健太郎(左)と本田翼

-最近では珍しく、漫画や小説などが原作ではない、武内英樹監督による完全オリジナルの映画ですが、台本を読んだ時の感想を教えてください。

本田 美雪が映画の中から出てくるからファンタジーだと思って読み始めましたが、全く展開が読めませんでした。でも、最後に「こうつながるんだ!」と分かったときは感動しました。

坂口 僕も、最初はモノクロでスクリーンから人が出てくるというところで、撮ってみないと分からないと思いました。ジャンルでは、健司と美雪とのラブの部分や、塔子さんとの気持ちの通い方が丁寧に描かれていたので、ファンタジーというより、ヒューマンラブに近い感じがしました。

-健司は、ちょっと情けないところもあるけれど、純粋で優しい青年ですが、どのように役作りをしましたか。

坂口 映画のムードがコミカルからシリアスへと変わっていくので、前半はドタバタ感を出すため、演じていて「テンポが速いな…」と思うぐらいの、スピード感ある演出を監督にしてもらいました。誠実さや優しさの面では、美雪に対する言葉や表情に真実味を持たせることに気を遣いました。でも、誠実さは出そうとして出るものではないので、自然に醸し出せるように、撮影中は何となくでも美雪のことを考えるようにしていました。

-普段はヒロインをメロメロにする役柄が多く、今回の女性に振り回されている坂口さんは新鮮でしたが、“爽やか好青年”という面では、変わらない坂口さんらしさも感じました。そのようなイメージの定着について、どうお考えですか。

坂口 顔の作り的に、ひどい役をやっていても爽やかに見えるんですよね。だから、こんな役をやりたいのに…とか、自分が見せたいふうに見せられない…とか、悩んでいた時期はあります。でも今は、自分を反映した役にしかならないし、それは自分にしかできないことだから、このままやればいいと開き直るようになりました。

-本田さんは、恋に奥手なお嬢さまという役柄ですが、演じてみていかがでしたか。

本田 おてんば娘や明るい役が多く、清楚(せいそ)なお嬢さま役は初めてだったので、最初は戸惑いましたが、監督が細かく演出してくださったので助かりました。撮影初日では何テイクも撮り直されましたが、かなり粘っていただいたおかげでつかめたものがあったので、後からとてもやりやすくなりました。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

前田旺志郎「世の中に関心を持つ大切さに気付いた」窪塚愛流「止まっていた時間が動き出した」初共演の2人が福島原発事故を題材にした映画で感じたこと『こんな事があった』【インタビュー】

映画2025年9月16日

 東日本大震災から10年後の福島を舞台に、原発事故で引き裂かれた家族と青春を奪われた若者たちの姿を描いた『こんな事があった』が9月13日から全国順次公開中だ。監督・脚本は、『追悼のざわめき』(88)などで日本のみならず世界の映画ファンから支 … 続きを読む

グイ・ルンメイ、真利子哲也監督「お互いが思い合うからこそすれ違う。でもそこには愛があるという家族の形を描きたかった」『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』【インタビュー】

映画2025年9月12日

 ニューヨーク・ブルックリンで暮らすアジア人夫婦を主人公に、息子の誘拐事件をきっかけに夫婦の秘密が浮き彫りとなり家族が崩壊していく姿を、全編NYロケで描いた『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』が、9月12日から全国公開され … 続きを読む

【物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家ストーリー】(3)無鉄砲小僧、恐れを知らぬ行動力

舞台・ミュージカル2025年9月12日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 ▼無鉄砲小僧、恐れを知らぬ行動力 … 続きを読む

北村匠海 連続テレビ小説「あんぱん」は「とても大きな財産になりました」【インタビュー】

ドラマ2025年9月12日

 NHKで好評放送中の連続テレビ小説「あんぱん」。『アンパンマン』を生み出したやなせたかしと妻・暢の夫婦をモデルにした柳井のぶ(今田美桜)と嵩(北村匠海)夫婦の戦前から戦後に至る波乱万丈の物語は、ついに『アンパンマン』の誕生にたどり着いた。 … 続きを読む

中山優馬「僕にとっての“希望”」 舞台「大誘拐」~四人で大スペクタクル~の再始動で見せるきらめき【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年9月11日

 中山優馬が主演する舞台「大誘拐」~四人で大スペクタクル~が10月10日に再始動する。本作は、天藤真の小説「大誘拐」を原作とした舞台で、2024年に舞台化。82歳の小柄な老婆が国家権力とマスコミを手玉に取り、百億円を略取した大事件を描く。今 … 続きを読む

Willfriends

page top