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日曜夜8時の大河という枠をお預かりする以上、子どもさんも含めて幅広く多くの方に愛される枠でなくてはならないと思っています。ただ、直虎という人は決してスーパーヒーローではありません。どんなにつたなくても、どんなに自分のできることが限られていても、自ら汗を流して、より良い時代や社会のために奮闘する主人公です。そういった姿に現役世代が共感してくださったというのは、非常に有り難く、うれしいことでした。
民衆史の研究が発達してきたおかげだと思います。30年前と比べても、新しく分かったことがかなりあります。例えば、ドラマの中にも借金に苦しむ百姓たちが、「徳政令を出してくれ」と訴える場面がありましたが、ただ虐げられるだけではない百姓の姿もその一つです。そういうとき、誰が首謀者か分からないよう、訴状には円形に名前を書いたそうです。そういうディテールが見えると、一生懸命に生きてきた人たちの息遣いみたいなものが感じられて、物語を作る上でも生活感が出るように思います。今まではそういう部分が分からなかったので、描けなかったのかもしれません。
あとは私事ですが、実家が林業をやっていたので、木が盗まれる話は、実は祖父の体験談なんです。昔は木材というのは相当お金になったらしく、山から盗伐されたことがあったそうです。森下さんとそんな思い出話をしていたら、龍雲党に盗伐されるという話(第19回)が出てきました(笑)。
小学生の頃には父に連れられて植林をしたこともありますが、木の成長には時間がかかるので、40年たってもまだまだ切れるようにはなりません。自分が生きている間には現金化できず、次の世代、その次の世代になってやっと商品になるという時間がかかるものなんです。そういう息の長いものであるという話も森下さんとしました。それが、小さなお子さんがいらっしゃる彼女自身の「次世代に何を残していくべきか」という問題意識とリンクしたのかもしれません。
そう思います。とはいえ、最も強く反映されているのはやはり題材選びです。戦国時代に生きる人でありながら武将ではない、という一事をもってある程度、方向性は決まりますから。
そうなるといいですね。歴史的事実を知るためではなく、私たちがいまだに堺の町や町人の姿を描いた「黄金の日日」(78)を思い出すように、「あの人たちの生きざまが面白かったね」という形で記憶に残ってくれたらうれしいです。
(取材・文/井上健一)
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