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2018年の大河ドラマ「西郷(せご)どん」は、林真理子氏の小説を原作に、二度の島流しと三度の結婚を経て、明治維新を成し遂げた幕末の英雄・西郷隆盛の激動の生涯を描く。主人公・西郷吉之助(隆盛)を演じるのは、大河ドラマ初出演となる鈴木亮平。男性からも女性からも愛された西郷という人物の魅力や、演じるに当たっての意気込みを語ってくれた。
クランクイン前、西郷さんについて勉強する中で、非常に人間力のある方だなという印象を受けました。目の前にいる人の痛みを自分の痛みのように感じる…。僕はそれを“共感力”と呼んでいます。若い頃は、困っている農民や貧窮している武士のことを考え、それが後々交渉の場でも発揮されるようになると、相手の苦しい立場を理解した上で判断を下すことができる。江戸の無血開城などもそうです。そういう人間性が何よりも西郷さんの魅力なのだと思います。そしてもう一つが“行動力”。一人で相手のところに乗り込み、話し合いをして帰ってくるような行動力は素晴らしいです。
今はまだ“吉之助”と呼ばれた20代の西郷さんを演じているところですが、実際に演じてみると、思った以上に未熟な印象です。その未熟な吉之助さんが、これからいろいろなことを経験して人間力の高い人物に成長していくことを想像して、ワクワクしているところです。
一番は、相手の気持ちに寄り添うということです。困っている人や悲しんでいる人など、目の前の人を愛し、相手の立場になる。だから、武士というとどっしりとしたイメージがありますが、この西郷さんは体の大きさの割にはよく泣く、繊細な男です。演出家の方からは、完璧な人間でなくていいので、若さ故の突っ走る部分を恐れずに、といわれています。
“薩摩隼人”といわれる薩摩の男たちは、江戸時代を通して戦国時代の気風を守り続けていたと聞きます。その一方で、歴史考証の先生に聞いたところ、当時の武士の間では“泣く”ことが男らしさの対極にある行為とは捉えられていなかったそうです。感動して泣いたり、悔しくて泣いたりすることが、ある種の美徳だったと。そういうお話を聞くと、必ずしも僕たちが思う“男らしさ=武士”ではないような気がして、“男らしさ”にはあまりこだわらず、“人間くささ”という部分を意識しながら演じています。
ただ、西郷さんの周りにいる大山格之助(北村有起哉)さんや有馬新七(増田修一朗)さんは、後々突っ走るような行動を取りますから、いろいろな人間がいるということでは、今と同じだと思います。そういう意味では、吉之助さんは当時としては草食系寄りかもしれません。鹿児島の歴史学者の方も、「西郷さんは女性的な繊細さを兼ね備えた人で、当時の薩摩の武士としては珍しい」とおっしゃっていましたから。
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