「無鉄砲でも当たってみることが大事ということを吉之助さんから学んでいます」鈴木亮平(西郷吉之助/西郷隆盛)【「西郷どん」インタビュー】

2018年1月1日 / 17:00

 2018年の大河ドラマ「西郷(せご)どん」は、林真理子氏の小説を原作に、二度の島流しと三度の結婚を経て、明治維新を成し遂げた幕末の英雄・西郷隆盛の激動の生涯を描く。主人公・西郷吉之助(隆盛)を演じるのは、大河ドラマ初出演となる鈴木亮平。男性からも女性からも愛された西郷という人物の魅力や、演じるに当たっての意気込みを語ってくれた。

西郷吉之助/西郷隆盛役の鈴木亮平

-西郷隆盛の魅力とは何でしょうか。

 クランクイン前、西郷さんについて勉強する中で、非常に人間力のある方だなという印象を受けました。目の前にいる人の痛みを自分の痛みのように感じる…。僕はそれを“共感力”と呼んでいます。若い頃は、困っている農民や貧窮している武士のことを考え、それが後々交渉の場でも発揮されるようになると、相手の苦しい立場を理解した上で判断を下すことができる。江戸の無血開城などもそうです。そういう人間性が何よりも西郷さんの魅力なのだと思います。そしてもう一つが“行動力”。一人で相手のところに乗り込み、話し合いをして帰ってくるような行動力は素晴らしいです。

-演じてみた感想は?

 今はまだ“吉之助”と呼ばれた20代の西郷さんを演じているところですが、実際に演じてみると、思った以上に未熟な印象です。その未熟な吉之助さんが、これからいろいろなことを経験して人間力の高い人物に成長していくことを想像して、ワクワクしているところです。

-西郷を演じる上で大事にしていることは?

 一番は、相手の気持ちに寄り添うということです。困っている人や悲しんでいる人など、目の前の人を愛し、相手の立場になる。だから、武士というとどっしりとしたイメージがありますが、この西郷さんは体の大きさの割にはよく泣く、繊細な男です。演出家の方からは、完璧な人間でなくていいので、若さ故の突っ走る部分を恐れずに、といわれています。

-“薩摩男”は現代の“草食男子”の対極に位置する男性像ですが、そのあたりはどのように演じようと思っていますか。

 “薩摩隼人”といわれる薩摩の男たちは、江戸時代を通して戦国時代の気風を守り続けていたと聞きます。その一方で、歴史考証の先生に聞いたところ、当時の武士の間では“泣く”ことが男らしさの対極にある行為とは捉えられていなかったそうです。感動して泣いたり、悔しくて泣いたりすることが、ある種の美徳だったと。そういうお話を聞くと、必ずしも僕たちが思う“男らしさ=武士”ではないような気がして、“男らしさ”にはあまりこだわらず、“人間くささ”という部分を意識しながら演じています。

-やや意外な感じがしますね。

 ただ、西郷さんの周りにいる大山格之助(北村有起哉)さんや有馬新七(増田修一朗)さんは、後々突っ走るような行動を取りますから、いろいろな人間がいるということでは、今と同じだと思います。そういう意味では、吉之助さんは当時としては草食系寄りかもしれません。鹿児島の歴史学者の方も、「西郷さんは女性的な繊細さを兼ね備えた人で、当時の薩摩の武士としては珍しい」とおっしゃっていましたから。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【映画コラム】8月の公開映画から

映画2026年9月4日

「ミニオンズ&モンスターズ」(8月7日公開)★★★ 映画のパロディーが満載  最強最悪のボスを求めて旅を続けるミニオンズがたどり着いたのは、1920年代のハリウッド。西部劇の撮影に乱入したことから映画スタジオに入り込み、人気スターと … 続きを読む

山口馬木也 柴田勝家の最期は「不思議な体験でした」【大河ドラマ「豊臣兄弟!」インタビュー】

ドラマ2026年8月30日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」(総合 毎週日曜 夜8:00~ほか)。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=小一郎/仲野太賀)が、兄・秀吉(池松壮亮)を支え、兄弟で天下統一を成し遂げるまでの軌跡を描く物語は快調に進行中だ。8月30日放 … 続きを読む

パク・ジョンミン「一人二役は想像以上に大変でした」韓国のヒットメーカーが「ガス人間」に続いて送り出すサスペンス・ミステリーで熱演『顔 -かお-』【インタビュー】

映画2026年8月28日

 日本でも話題を集めた『新感染 ファイナル・エクスプレス』(16)やエグゼクティブプロデューサー&脚本を務めたNetflix「ガス人間」も大ヒットした韓国のヒットメーカー、ヨン・サンホ。その最新監督作『顔 -かお-』が8月28日から全国公開 … 続きを読む

【映画コラム】「生き残る」とは何か『ラスト・サバイバー』『シェルター』が描く極限の人間ドラマ

映画2026年8月28日

『ラスト・サバイバー』(8月28日公開)  謎のパンデミックによって人類の大半が死滅し、生き残った者たちが奪い合い、殺し合う荒廃した世界。  パイロットのヒッグ(ジェイコブ・エロルディ)は、元軍人のバングリー(ジョシュ・ブローリン)と共同戦 … 続きを読む

安田章大「僕が演じられたのは、のんちゃんのおかげ」のん「安田さんとの出会いは衝撃でした」自閉スペクトラム症の兄とその妹役で初共演『平行と垂直』【インタビュー】

映画2026年8月28日

 自閉スペクトラム症(ASD)の大貴は、清掃の仕事に就き、周囲のサポートを受けながら自立した生活を送っている。一方、妹の希は、心理カウンセラーとして働きながら大貴を支えて暮らしていた。長い間、変わることなく続いてきた兄妹の日常は、希の結婚話 … 続きを読む

page top