エンターテインメント・ウェブマガジン
表立ってお家を再興していくのが万千代ということは史実がある以上、動かせません。ただその際、お家を再興する意味や立ち位置といった背骨のようなものを与えていくのが直虎の役割です。当初、同じ目的を持っていた直虎と万千代は、さまざまな事情から一度立場が分かれた後、再び関係が戻って、以前よりさらに強い絆で結ばれます。川に例えるなら、同じ川から出た流れが一度別れた後、再び一つになってさらに大きな川に流れ込み、最終的には海に出ていく…そんなイメージになればいいなと思っていました。
たくさんいて切りがありませんが、最近驚いたのは家康役の阿部サダヲさんです。万千代に「色小姓にならぬか」と迫るくだりは、もっとコメディー寄りになるかと思っていたら、かなり生々しい感じで…(笑)。ドキドキしました。
信玄(松平健)が踊り出したときもびっくりしました。打ち合わせでは冗談で言っていたんです。「サンバのリズムとともに、赤い軍団が侵攻してくる」みたいなことを。そうしたら、松平(健)さんの方から「僕、踊った方がいいよね」と言ってくださって。実際に踊っているのを見たときは、ものすごい衝撃でした(笑)。松平さんすてき過ぎる! 他には、第43回で植林をする場面、「甚兵衛の松じゃ」と言った直虎の顔を見ずに「なんですか、そりゃあ」と答える甚兵衛役の山本學さんのお芝居にも驚かされました。「見ないか!あぁ、見ないわーって」納得しました。山を背負って立つ殿の立ち姿も良かったです。大地から生えてきたような力強さと美しさ。他にもたくさんあり過ぎて、説明し切れません(笑)。
演者が決まる前は、誰かを想定して書くことはあまりしませんが、決まるとどんどん引っ張られることはあります。例えば、菅田くんといえば“キレ芸”。史実に残る直政(万千代)も“人斬り兵部”、“赤鬼”などといわれていたので、これはキレてもらわないと…と思ってやりました。また、六左は史料には名前しか残っていないので、初めてお会いした田中さんからイメージを頂きながら色付けして行きました。
竜宮小僧は、そういう人がいてくれればいいという祈りであり、そういう人であれという訓戒でもあります。直虎さんが行きつく先は、結局そこなのかもしれません。彼女には井伊谷という場所でそれを成した後、もっと大きな範疇(はんちゅう)でそういう人になってほしいという思いが私の中にありました。
(取材・文/井上健一)
映画2025年11月28日
-結婚したサチとタモツのすれ違いが最初に垣間見えるのが、共通の友人の結婚式に1人で参加したサチが帰宅した後のシーンです。勉強しながら留守番していたタモツに、結婚式の様子を話したサチがトイレに行った後、何気なく「トイレットペーパーないよ」と声 … 続きを読む
映画2025年11月28日
-そんな親しい関係を築き上げたお二人に加え、WEBで公開されている本作のプロダクションノートを拝見すると、秋山監督をはじめとするスタッフの熱量もかなり高い現場だったようですね。 松谷 俳優がスタッフも兼任するのが秋山組の特徴で、「慎太郎さん … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年11月28日
吉高由里子が2022年の「クランク・イン!」以来、3年ぶりに舞台主演を果たす。吉高が挑むのは、日常に潜む人間の葛藤や矛盾を丁寧にすくい取り、鋭い視点の中にユーモアを織り交ぜる作風で共感を呼んできた蓬莱竜太が描く新作舞台、パルコ・プロデュー … 続きを読む
映画2025年11月22日
『金髪』(11月21日公開) ある公立中学校で、市川(岩田剛典)が担任するクラスの数十人の生徒たちが髪を金色に染めて登校してきた。生徒たちは校則への抗議を主張し、学校中は大騒ぎになる。活動の発起人である板緑(白鳥玉季)に「なぜ髪を染めては … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年11月22日
数々のミュージカル作品へのオマージュが登場するコメディーミュージカル「サムシング・ロッテン!」が12月19日から上演される。2015年にブロードウェイで初演された本作は、「コーラスライン」、「アニー」、「レ・ミゼラブル」などの人気ミュージ … 続きを読む