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やっぱり、政次役の(高橋)一生さんがクランクアップした時は「もう明日からいないんだ…」という気持ちになりました。ご本人も寂しそうにしていましたし…。政次とは碁を打つシーンが多かったのですが、撮影はものすごく大変だったんです。1日で何シーンも撮るので、せりふが混乱してしまったり…。そういうものを乗り越えた役者同士の絆みたいなものが培われたと思っていたので、それがなくなる不安や寂しさがありました。
お母さんも亡くなりましたからね…。少しずつ減っていくにつれ、徐々に「終わるんだな」という覚悟ができますが、1年以上にわたるプロジェクトならではの、心の交流やお芝居の交流があったので、喪失感や寂しさみたいなものも感じています。ただ、龍雲丸はまだ生きているので、また出てくるのかどうか…。それが気がかりです(笑)。
今振り返ると、そんなにたっていた? という感じで、浦島太郎状態です。家に帰るのは、せりふを暗記するのと寝るためだけ。他のことは一切やっていなかったので、本当に一瞬という感じで…。特に城主時代は、これしかやっていないというぐらい夢中でやっていました。でも、それはイコール、充実していたということですからね。
そうです。自分では飽き性だと思っているので、モチベーションが続くかどうか、最初は不安でした。でも、台本が本当に面白くて、スタッフや共演者の方にも恵まれていたおかげで、ずっと楽しいまま続けてこられました。だから、まだ終わりたくないなと思いつつも、いやそろそろ終わらないと…という気持ちです(笑)。
今は万千代や万福たち新しい世代が活躍しているので、城主時代とは違った立場を生かして、彼らにどんなことを継承していけるのか。それが楽しみです。人々の心情を上手に捉えた脚本の面白さはずっと変わりませんが、私も右脳派の人間なので、そういった感情の表現には最後までこだわっていきたいです。
(取材・文/井上健一)
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