【芸能コラム】現地調査!龍潭寺から井伊谷城まで、歩いて何分? 「おんな城主 直虎」

2017年10月23日 / 16:57

 「寺にこのような書状が届いてな…」

 そう口にしながら、直虎(柴咲コウ)を訪ねてくる龍潭寺の南渓和尚(小林薫)…。「おんな城主 直虎」の中で何度か見られた光景だ。直虎たちが日常を過ごす井伊家居館や菩提寺の龍潭寺、戦に備えるための井伊谷城などは、視聴者にとっておなじみの場所となっている。

 そうした場所で繰り広げられるドラマを見ていて、ふと疑問に思ったことがある。劇中ではあっという間にあちこちに移動するが、実際はどのぐらい時間がかかるのだろうか。

 そんな疑問を解決するため、静岡県浜松市内の現地を歩いて時間を計ってみた。龍潭寺を出て、直虎に会えるまでの所要時間は、果たして?

井伊谷城跡から見た麓の風景

 ドラマを見ている方ならご存じとは思うが、直虎たちが日常を過ごしたり、家臣たちと話し合いをしたりする場所は、城とは別の居館となる。残念ながらこの居館は現存しないが、住宅街の中にある“井伊氏居館跡”には、目印の案内板が立っている。

 その居館跡まで、龍潭寺からは徒歩でおよそ15~20分。途中まで、井伊谷城跡がある山を正面に見ながら進む格好となるため、何となく気分も上がる。

 だが、電話などの通信手段が無かった時代のこと、会いに行った居館に直虎がいないことも考えられる。戦の時などは、裏手の小高い山頂にある井伊谷城にこもって戦ったからだ。

 こうして、居館から井伊谷城へ向かうこととなる。その“井伊谷城跡”がある山の麓までは、居館跡からおよそ5分。途中、謀反の疑いで今川家に暗殺された直虎の大叔父・直満(宇梶剛士)とその弟・直義の墓、“井殿の塚”があったので、手を合わせる。

 難所は、その先の山道だ。標高115メートルということで、大したことはないだろうと高をくくっていたら、結構な急斜面。舗装はされているが、曲がりくねっているので距離は伸びる。入り口の標識によると、山頂まで310メートル。山道に不慣れな筆者の心臓はバクバクだ。

 ぜえぜえ言いながら何とか山頂までたどり着いた時には、息も絶え絶え。まるで、汗を拭き拭き殿の前に現れる奥山六左衛門(田中美央)になった気分だ。とはいえ、時計を確認してみたところ、山の入り口からまだ10分。入り口の案内板には頂上まで15分と書かれていたので、かなり頑張って歩いていたようだ。

 途中、2カ所ほど休憩場所があるので、これから行く方は、無理のないペースで歩いてほしい。なお、山頂からは辺りの風景が一望できて壮観。苦労して登ったかいはあり、ちょっとした殿様気分が味わえる。

 ということで、合計すると龍潭寺から井伊氏居館を経由して井伊谷城まで、徒歩で40分前後という結果になった。とはいえ、運動不足の現代人である筆者とは異なり、戦国時代の成人男性はより短時間でたどり着いたのだろうが…。

 そして最後に。井伊氏居館跡から10分ほど歩いた場所に、第33回で壮絶な最期を遂げた小野政次(高橋一生)の墓がある。「小野但馬守政次 終焉の地」と書かれた大きな看板も立っているので、併せて足を運んでみてはいかがだろうか。

 以上、トリビア的な話となったが、このように現地を訪れると、作品に対する愛着や理解が一層深まる。近隣には他にも、天白磐座(てんぱくいわくら)遺跡や初代・井伊共保公出生の井戸といった由縁の地があるので、ファンなら一度訪れてみることをお薦めしたい。ただし、住宅地の中に存在するものもあるので、住民の方への配慮をお忘れなく。(井上健一)

井伊氏居館跡案内板


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