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NHKの大河ドラマ「真田丸」の主人公、真田信繁を演じる堺雅人。信繁は信濃の小国を治める父・昌幸のもとに生まれ、長い雌伏の時を経て、人生の最後にその武名をとどろかせ、“真田幸村”として後世にその名を残した。劣勢に立たされながら、大坂夏の陣で徳川家康をあと一歩のところまで追い込んだ智将、信繁の宿命と心に秘めた熱い思いを堺が語る。
三谷(幸喜)さんの作品を1年間、50本演じられるというのは役者にとってすごい魅力なんです。それが理由です。
兄の信幸が信繁を評して「ものごと柔和忍辱(にんにく)にして強からず」と言っています。つまり感情を表に出さない。ほんわかとしていて一見捉えどころがなく、口数も少ないが、心に秘めた何かがあると。今回の大河では、それにプラスして近代の幕開けにふさわしい旺盛な好奇心を持った人物として描かれています。
洋さんは普段コメディータッチのお芝居が多いのですが、今回は今まで見たことがない感じです。真っすぐで不器用で、でも誠実一辺倒で攻めてくる大泉洋というのは、実に魅力的です。
信繁は裏方に回ることが多い人物。なんか忍者っぽい(笑)。だから私も一応主役ではあるのですが、常に2番手、3番手のような気分で撮影現場にいます。真っすぐな兄を支える信繁でありたいと思います。
テレビゲームの影響で、筋肉ムキムキの裸によろいを着てやりをぶんぶん振り回すという真田幸村像が世間的には印象が強い(笑)。今回の信繁はそのイメージよりは僕自身に近いと思います。でも信繁の面白さは49年の人生のうち47年間は裏方だったのに、最後の最後で恐ろしいばかりの武者になるというその変わり目。普通のサラリーマンのような人間が何故「日の本一のつわもの」と言われるまでになったのか、その秘密を三谷さんは1年懸けて描くのだと思います。
いや、僕は実務の能力が全くありません。でも三谷作品に登場する裏方さんや、日の当たらないところにいる人たちは、いつも生き生きとしているので、そんな三谷さんが描く戦国の実務方としての信繁をすごく楽しみにしています。
草笛光子さんが演じる祖母は本当にりりしくて、歴戦をくぐり抜けてきた女性。高畑淳子さんが演じる母は、都(みやこ)の出身で真田家の暮らしになじめない悲しさを持っていますが、生き生きとした女性像を作っていらっしゃいます。姉役の木村佳乃さんが持つ天性の明るさが、裏切りとか血なまぐさいものになりがちな物語に光や華を注いでくださっていますね。信繁の生涯のパートナーとなる、きりを演じる長澤まさみさんは計り知れないようなスケールの大きな女優さん。物語をかき乱す役ですが、魅力的で素晴らしい演技をされます。黒木華さんは時代劇が似合うし、手堅いお芝居と技術はすごいですね。
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