エンターテインメント・ウェブマガジン
NHK-BSのプレミアムよるドラマ「はぶらし/女友だち」で、37歳独身の売れっ子脚本家・鈴音を演じる内田有紀と、鈴音の同級生でシングルマザーの水絵を演じる池脇千鶴。本作は20年ぶりに再会した同級生によって“今の幸せ”が侵食されていく恐怖を描く。二人がドラマの魅力と女友達の難しさについて語る。
内田 スケジュールがタイトだったので、3日間空いただけでも、(池脇と)随分会っていない感じがしました。それぐらい濃密な撮影だったから、会えないと寂しくなりました。
池脇 内田さんとは何年も前に舞台でご一緒したのですが、絡みはなかったので、ちゃんとお芝居するのはほとんど初めて。私たちはもちろん、スタッフもヘトヘトになる過酷な撮影でしたが、内田さんがずっとリーダーシップを取りながら、「息、抜いていこうね」と言っていただいたので助かりました。
内田 撮影が終わって気付いたのは“ストレスを感じていたんだな”ということ。基本的に鈴音の役は、自分から行動するというより、水絵の行動を受け入れてリアクションするという、受け身のお芝居が続いていたので…。受け身の生活をしている人って、こんなにもストレスがたまるんだと驚きました。
池脇 私が演技で気を付けていたことは、お芝居をあまりにもやり過ぎないこと。水絵を単なる悪人にしないこと。“しめしめ”とか、“ほくそ笑む”とか、“今、罠をかけたぞ”といった分かりやすいお芝居にはしたくなかった。あくまでも自然に、こういう人って本当にいるよね…という感じにしたかった。そんな中、監督からちょっとやり過ぎた演技を要求されることもあって、私は結構葛藤はありました(笑)。
内田 私と池脇さんがこのドラマをやるに当たって目指したのは、演技の上で決してうそをつかないことでした。物語を面白くするために、お芝居で小さなうそを積み重ねるのはしたくないね。こういう人が本当にそこにいるんだと、皆さんに感じていただけるお芝居をしていこうと話しました。
内田 灘さんは、鈴音にとっては“癒やしの人”ですね。鈴音は(尾美としのり演じるドラマプロデューサーの)柳井さんと不倫関係にあって、自分の身の丈に合わない恋愛を続けていた。脚本の仕事がうまくいっているのも柳井さんのおかげであったり、恋愛と仕事が一緒に進行するような状況に実は疲れていたと思うんです。だから水絵が言った「合わないよ、柳井さんとは…」という言葉は的を射ているんです。これは鈴音に憧れを持っている水絵ならではの直観だと思います。
池脇 そうなんです。今回、お芝居をするに当たって、水絵のいろんな部分を把握するために、最初に“水絵という人は…”と思い付いたことを紙に書き出しました。第一に、息子の耕太が何よりも大事。でも、鈴音のこともすごく大事。水絵が灘さんのことを好きになるのは、鈴音に憧れすぎているが故の行動なんです。水絵は確かに灘さんに引かれている。でも、本当は「鈴音には、柳井さんより灘さんの方が合っているよ」と伝えたい。それが、また水絵の場合は過激な行動に出て、とんでもない結果になるのですが(笑)。
池脇 「おどおどしているようで堂々としている」、「すごく図々しくて厚かましい」、「お願いごとをする時は、すごく恐縮して見せるのに、“ここに住んでます”と言わんばかりの存在感」といった感じでしょうか。
内田 女同士でがっつりとお芝居するのは好きですね。女優さんと向き合ってお芝居すると、相手がどういう生き方をしてきたのかが透けて見えてくるので、それを感じるのがとても楽しい。“あ~、この人はこういう感じで生きてきたんだな”と…。プライベートなおしゃべりをすれば、もちろんお互いを知ることはできるのですが、お芝居を通して相手が見えてくる感じがゾクゾクして好きです(笑)。今回は、とにかく池脇さんとお芝居できることがとても楽しかったです。
内田 きっと見えていると思いますよ(笑)。だから今の自分が持っている“すべてを見せる”覚悟でいつも演じています。
内田 私、距離感の縮め方が分からないんですよ(笑)。たぶん、池脇さんも同じだと…。
池脇 そうそう、分からないんですよ(笑)。月に何回連絡を取れば友達なのかとか…。自然でいいのに急に緊張しちゃう。好きで仲良くなりたい、でも仲良くする方法が分からない、という感じです(笑)。
内田 だから、昔から仲が良い子とはずっと仲良がいいというのが、私たちの共通点なんです。
ドラマはBSプレミアムで1月5日、午後11時15分から毎週火曜日に放送。
舞台・ミュージカル2021年1月28日
1920年代に実際に起こった、凶悪な伝説的犯罪を土台とした綿密な心理劇「スリル・ミー」が、2021年4月に上演される。出演者は、“私”と“彼”のたった2人。舞台上には、1台のピアノが置いてあり、その美的なメロディーとともに、濃厚な時間がつ … 続きを読む
ドラマ2021年1月27日
「恵比寿学園男子部(EBiDAN)」とマルチクリエーター「まふまふ」、漫画家「おげれつたなか」という布陣で2020年に始動した総合エンターテインメントプロジェクト「FAKE MOTION」。これまでにドラマ「FAKE MOTION-卓球の … 続きを読む
ドラマ2021年1月26日
NHKで好評放送中の大河ドラマ「麒麟がくる」。放送は残り2回となり、最終回で描かれると公表されている本能寺の変に向け、いよいよ準備が整ってきた。現在、番組公式サイトで公開されている次回予告には、「ときは今あめが下知る五月かな」という、明智 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2021年1月26日
映画『ウェイトレス〜おいしい人生のつくりかた』をベースに制作された、ブロードウェーミュージカル「ウェイトレス」が、高畑充希の主演で3月9日から上演される。本作は、グラミー賞にノミネート歴があり、楽曲を手掛けたサラ・バレリスをはじめ、脚本、 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2021年1月26日
渡辺えりと八嶋智人が喜劇で初共演する「喜劇 お染与太郎珍道中」2月1日から都内の新橋演舞場で上演される。本作は、作家の小野田勇が喜劇俳優・三木のり平とタッグを組み、落語や歌舞伎のエピソードを加えて作り上げた作品。江戸の街を舞台に、米問屋の … 続きを読む