【真田丸 インタビュー】堺雅人(真田信繁) 「ムキムキじゃないです。筋トレせずに撮影に臨んでいます」

2016年1月1日 / 09:00

よろいを着た信繁

よろいを着た信繁

-1年懸けて同じ人物を演じることに対して役者としての意気込みを。

 第1話の撮影で、未来を予感するシーンとして、死ぬ前の、よろいを着た信繁を演じましたが、それと最終話を比べて「全然違うね」というふうになりたいんです。1年懸けて作る顔って全然違ってくると思うので、その違いをむしろ楽しみたいです。

-どんなふうに面白くしていこうと思っていますか。

 「生き生きと」というのはひとつのキーワードになります。つい先回りして史実で考えてしまうと、教科書をなぞるような展開になりがちです。そうすると勝者は最初から勝者のような顔をして、敗者は最初から敗者のような顔をして演技をしがちになります。「一寸先は闇で、何があるか分からない」という闇を、三谷さんはしっかり描かれると思うので、分かったふりをせず生き生きと演じようと思っています。

-三谷脚本への出演は「新選組!」以来2回目ですね。

 その間に舞台(2007年上演の「恐れを知らぬ川上音二郎一座」)をやっています。不思議なことにみんな個人名ではなくグループ名がタイトル。「真田丸」も砦の名前でもあるし、船に見立てた家族の話でもあります。「新選組!」は多摩の一道場の若者たちが思いも寄らなかった所へ行くところに面白さがありましたが、三谷脚本は、個人を越えたコントロールできない大きなうねりの中で、予想もしない方向に物事が動いていくところが面白いんです。

-よろいの着け具合はいかがでしたか。

  重いんです。実は戦国時代も戦の直前までよろいは着ていなかったらしくて、なんとかその史実を持ち込めないかと思っています(笑)。でも美術部の人が目をきらきらさせながら信繁用によろいを新調してくださっていて、大喜びで「良いのができました」って言うのを見ていると「重い」とは言い出せませんでした(笑)。

-最後の大坂城の時にはゲームの真田幸村のようにムキムキの体によろいというのは?

  いやあ、無理です。ムキムキよりは、サラリーマン(のような普通の人)が突進していく方が悲しさが出るんじゃないかな。だから今回は筋トレをせずに撮影に臨んでいます(笑)。

-信繁は徳川史観から見ると敗者ですが、堺さんは信繁を敗者だと思いますか。

 結果的には敗者ですよね。ただ面白いのは、「新選組!」は徳川の終わりの敗者を描いている。今回は豊臣の終わりの敗者を描いているんです。三谷さんは映画『清須会議』で織田の終わりを描いている。三つの終わりを描いているというのが、すごく面白いと思っています。特に信繁が生きた時代は徳川という、全国が一つの価値観に染められる前の最後の時代。信繁の死というのはその多様性の死のような気がします。右肩上がりの成長を続ける大名だけじゃなくて、何かの終わり、一つの価値観の終わりを丁寧に描く大河があってもいいと思います。ごまかさずに、負けた方を描くことが必要な時代になっているのではないかと、個人的に思っています。

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

香川照之「僕の中では6人全員にモデルがいました」「連続ドラマW 災」【インタビュー】

ドラマ2025年4月4日

-なるほど。  でも、同一性というのは非常に厄介で、これは本当に同じ人なのかという疑問を持つわけです。本当は同一人物じゃないけど、それをメタファーとして見せているだけなのかもしれないし、もっと高尚に考えれば、その存在自体が本当にいるのかどう … 続きを読む

【週末映画コラム】壮大な“時間旅行”を定点観測で描く『HERE 時を越えて』/チームワークを旨とした戦争冒険映画『アンジェントルメン』

映画2025年4月4日

『アンジェントルメン』(4月4日公開)  第2次世界大戦下、イギリスはナチスの猛攻により窮地に追い込まれていた。特殊作戦執行部に呼び出されたガス少佐(ヘンリー・カビル)は、ガビンズ“M”少将とその部下のイアン・フレミングから、「英国軍にもナ … 続きを読む

草笛光子「老女がはちゃめちゃな、摩訶不思議な映画ですから覚悟してご覧ください(笑)」『アンジーのBARで逢いましょう』【インタビュー】

映画2025年4月3日

-松本動監督の演出について、また寺尾聰さんら共演者の印象をお願いします。  松本監督とは初めてでしたが、私の問い掛けにも親切に細かく答えてくれました。とにかく自由にやらせてもらいました。寺尾聰さんは、昭和49年のドラマ「天下のおやじ」で寺尾 … 続きを読む

門脇麦、「芝居に対してすごく熱い」田中圭と夫婦役で5度目の共演 舞台「陽気な幽霊」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年4月2日

-ところで、門脇さんは映像作品でもご活躍されていますが、舞台に立たれることに対してはどのような思いがありますか。  気持ちの面では変わらないですが、舞台はカメラが寄ってくれるわけではないので、声や体の所作で伝えなければいけないと思います。映 … 続きを読む

今田美桜「『アンパンマン』のように、幅広い世代に愛される作品に」連続テレビ小説「あんぱん」いよいよスタート!【インタビュー】

ドラマ2025年4月1日

-高知県の「やなせたかし記念館 アンパンマンミュージアム」も訪問されたそうですね、  「アンパンマンミュージアム」には二度伺いました。どちらの日も親子連れでいっぱいで、改めて『アンパンマン』という作品が幅広い世代に愛されていることを知り、「 … 続きを読む

Willfriends

page top