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第1話の撮影で、未来を予感するシーンとして、死ぬ前の、よろいを着た信繁を演じましたが、それと最終話を比べて「全然違うね」というふうになりたいんです。1年懸けて作る顔って全然違ってくると思うので、その違いをむしろ楽しみたいです。
「生き生きと」というのはひとつのキーワードになります。つい先回りして史実で考えてしまうと、教科書をなぞるような展開になりがちです。そうすると勝者は最初から勝者のような顔をして、敗者は最初から敗者のような顔をして演技をしがちになります。「一寸先は闇で、何があるか分からない」という闇を、三谷さんはしっかり描かれると思うので、分かったふりをせず生き生きと演じようと思っています。
その間に舞台(2007年上演の「恐れを知らぬ川上音二郎一座」)をやっています。不思議なことにみんな個人名ではなくグループ名がタイトル。「真田丸」も砦の名前でもあるし、船に見立てた家族の話でもあります。「新選組!」は多摩の一道場の若者たちが思いも寄らなかった所へ行くところに面白さがありましたが、三谷脚本は、個人を越えたコントロールできない大きなうねりの中で、予想もしない方向に物事が動いていくところが面白いんです。
重いんです。実は戦国時代も戦の直前までよろいは着ていなかったらしくて、なんとかその史実を持ち込めないかと思っています(笑)。でも美術部の人が目をきらきらさせながら信繁用によろいを新調してくださっていて、大喜びで「良いのができました」って言うのを見ていると「重い」とは言い出せませんでした(笑)。
いやあ、無理です。ムキムキよりは、サラリーマン(のような普通の人)が突進していく方が悲しさが出るんじゃないかな。だから今回は筋トレをせずに撮影に臨んでいます(笑)。
結果的には敗者ですよね。ただ面白いのは、「新選組!」は徳川の終わりの敗者を描いている。今回は豊臣の終わりの敗者を描いているんです。三谷さんは映画『清須会議』で織田の終わりを描いている。三つの終わりを描いているというのが、すごく面白いと思っています。特に信繁が生きた時代は徳川という、全国が一つの価値観に染められる前の最後の時代。信繁の死というのはその多様性の死のような気がします。右肩上がりの成長を続ける大名だけじゃなくて、何かの終わり、一つの価値観の終わりを丁寧に描く大河があってもいいと思います。ごまかさずに、負けた方を描くことが必要な時代になっているのではないかと、個人的に思っています。
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