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主人公の真田信繁を演じる堺雅人
2016年のNHK大河ドラマ「真田丸」の初回完成試写会が14日、東京都内で行われ、試写会後に主演の堺雅人ほかが会見に応じた。
本作は、家族で力を合わせて戦乱の世を生き抜いた戦国最後のスーパースター真田信繁(幸村)の物語。
第1回の「船出」は、1582(天正10)年からスタート。名将・武田信玄の死から9年、武田家は絶体絶命の危機を迎えていた。武田に仕える真田昌幸(草刈正雄)は、上野国にある自らの居城・岩櫃城で織田信長を迎え撃つよう当主の勝頼(平岳大)に進言するが…という内容。
「船出の時がようやく来たという感じ」と笑顔を見せた堺は、第1話を見た感想を「草刈さんのお芝居に尽きると思う。本当に若々しくて何を考えているのか分からない。でも、時代の波に必死にあらがおうとしているその姿を見て僕(信繁)は育っていくんだな…という思いを新たにしました」と語った。
若き日の信繁を演じる上での工夫を問われると「若づくりに関して?」と笑いながら「それは、あまり考えてはいないけど、はきはき、生き生きというのは心掛けていました。でも実際に共演の方とお芝居を生でやることが生き生きの秘訣(ひけつ)。あまり自分でああしよう、こうしようとは考えてはいません」と答えた。
また「これは本当に信濃でなければ起こり得なかった物語」と強調した堺は「どんどん領地を増やしていく右肩上がりの大名の話ではなく、武田の滅亡という終わりから始まっている物語。見方を変えればあまり元気の出るような話ではない。でも、行け行けどんどんのお話でないところが僕はすごく面白いところだと思っていて…」と持論を展開。
続けて「一つの価値観を誰かに押し付け領土を増やしていくというのももちろん面白いかもしれないけど、迷いながら悩みながらいろんな価値観を共存させて、前に前に進んでいく…。その“だましだましの感覚”みたいなものが僕は『真田丸』の魅力じゃないかと勝手に思っていて、それは個人的に今の日本で一番見たい物語なのではと思っている」と語った。
13日に最終回を迎えた大河ドラマ「花燃ゆ」の平均視聴率が12パーセントだったことを踏まえて、視聴率の目標を問われた堺は「真田幸村が言ったとされる言葉に『損得を考えない人間が一番怖い』というのがある」と切り出し「もちろんやるからには、皆さんに楽しんでもらいたいという気持ちはあるが、あまり損得ばかりを考えると縮こまった詰まらないドラマになってしまう。なので、自分たちが面白いと思うものを一生懸命やるというのが、われわれにできることではないかと思っております」と言葉に力を込めた。
なお、この日の会見では、織田信長役を吉田鋼太郎、ナレーションをNHKの有働由美子アナウンサーが務めることが発表された。
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