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ギリシャ悲劇の最高傑作ともうたわれる「オイディプス王」を英国演劇界の実力派マシュー・ダンスターの翻案と演出で送る「オイディプス」が10月にBunkamuraシアターコクーンで上演される。主役のオイディプスを演じるのは、2020年に13代目市川団十郎白猿の襲名を控える市川海老蔵。そして、オイディプスの妻であり母でもあるという悲劇的な運命を背負う王妃イオカステ役を黒木瞳、オイディプスに嘆願するコロスたちの中心人物である神官役を森山未來が演じる。「ギリシャ悲劇」「歌舞伎」「ダンス」が相まみえ、新たな可能性を感じさせる本作に挑む黒木に公演への思いを聞いた。
ギリシャ悲劇に参加するということは非常に光栄であると同時に、ハードルが高いとも感じています。
オイディプス王の悲しい運命が描かれていますが、人間の愚かさを凝縮している作品だと思いました。今回、この作品を上演するに当たっては、ご覧になった方が悲しみだけを持ち帰るのではなくて、その中からも何かを見つけて楽しんでお持ち帰りいただける作品になればと思います。
いつも客席で拝見しておりましたので、同じステージに立つことで、また違った海老蔵さんの風景が見られるのではないかと楽しみにしております。新たな海老蔵さんを発見できるのではないかなと思っています。
お若いときから素晴らしい歌舞伎役者でいらして、一言で言ってしまえば「日本の宝」であると感じています。その海老蔵さんがオイディプス王を演じられるというのは、想像できないところがありますが、その意外性が面白いなと思います。
はい、昔々、共演したことがあるのですが、その当時、彼はティーンエイジャーで、それ以来になります。どう大人になられたか楽しみです。
当時は、自転車で稽古場に通っていらして、すごくかわいかったのを覚えています。息子役でしたので、それもあって放っておけない気持ちになりました。かわいい、かわいい息子でした。今、いろいろな作品でご活躍されている姿を拝見すると、ずいぶんと大人になられたので、それも楽しみです。
ギリシャ悲劇をどういった形で日本のお客さまに届けようとなさるのか、それは見ものだと思います。
彼女はどこまで知っていて、いつどうやって自身とオイディプス王の運命を知るかということが一番の疑問です。そして、このお話はそれこそが物語の運びになってくると思うので、演出家とお話をしながら作っていきたいと考えています。
日本人の役ではないときは、扮(ふん)装したり、せりふが入っていく中で、こういう人だということを考えていきます。日本人の役よりも逆に外国の人の方が、自分とは全く違うものを作れると思います。
舞台はライブですので、お客さまの反応がすぐに分かることにあると思います。ですので、映像とは全く違う魅力があると思います。ただ、映像と舞台という違いはあっても、一つのエンターテインメントの世界です。見てくださる方がいて一つの作品が出来上がるものですので、お客さまに楽しんでいただけたらいいなということはどの仕事をしていても思いますし、それに尽きると思っています。そのために、自分がどんなことをしなければいけないのかを考えています。
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