エンターテインメント・ウェブマガジン
若い頃から藩のため、国のために各地を奔走してきた西郷吉之助(鈴木亮平)に代わり、薩摩の西郷家を守り続けてきたのが、次男の吉二郎だ。吉之助にとっては大切な弟であったが、「一生に一度、侍らしく戦場を駆け回りたい」という願いと共に従軍した戊辰戦争で命を落とすことになった。1年近くにわたって吉二郎を演じてきた渡部豪太が、これまでの撮影を振り返ってくれた。
正直、それほど沈んだ気持ちにはなりませんでした。むしろ、いまわの際に兄の吉之助に手を取ってもらい、その腕の中で死ねる…。こんなにすてきなことはないな…と。というのも、史実では吉之助は吉二郎の死に目に会えなかったそうなんです。それが、このドラマでは会えることになった。本当にすてきなことだと思いました。だから、家族を残して亡くなることについても、引け目も後悔もありません。戦に行くと言った以上、家のことは妻の園(柏木由紀)に託し、もう帰ることはないというぐらいの覚悟は持っていましたから。ある意味、自分のやるべきことを全うしたという気持ちです。
とても演じがいのある台本だと思いました。「吉二郎ってこんな人だったんだ!」と驚くと同時に、「すてきな話だな」という気持ちも湧いてきて…。まさか、あんなに小銭をためているとは思いませんでしたが(笑)。とはいえ、自分がそれまで積み重ねてきた吉二郎のキャラクターと相違はなく、そこに新しい一面が加わる感じだったので、とてもうれしかったです。
やっぱり侍なんです。半農半士なので、ドラマを見ていると主夫のように思われがちですが、“もののふ”なんですよね。だから、いつでも戦に出る準備はしている。とはいえ、常にそう考えていたわけではなく、今回新しく兵を募集するということで、それならば「おいも連れていってくいやい」ということだったのではないかと。
撮影に入る前、監督の野田(雄介)さんから「優しい弟であってください」とおっしゃっていただいたので、それは大事にしようと思っていました。具体的に西郷家の中で自分の役割を見いだしたのは、薩摩が舞台になっていた第8回までの家族のシーン。あれがなければ、その後を演じることはできませんでした。
吉之助が最初に江戸に勤めたときから、「薩摩のため、お殿様のために仕えている兄に代わって、自分が家を守らなければいけない」という気持ちでした。いろいろなことがあったので、その時々で湧いてくる感情は違いましたが…。相撲でお殿様を投げ飛ばしたときは「もう切腹だ…」という気持ちでしたし、京から月照様(尾上菊之助)を連れ帰ってきたときは、その後の島流しも含めて、どえらいことをしたなと…。ただ、そういうことを経験するたびに、「自分がしっかりしなければ」という気持ちになったのも事実です。
映画2024年11月22日
『六人の嘘つきな大学生』(11月22日公開) 大手エンターテインメント企業「スピラリンクス」の新卒採用の最終選考に残った6人の就活生への課題は「6人でチームを作り、1カ月後のグループディスカッションに臨むこと」だった。 全員での内定獲得 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2024年11月20日
ドラマ・映画・舞台と数多くの作品で活躍する生駒里奈が、ストーリー性のある演劇的な世界観をダンスとJ-POPで作り上げるダンスエンターテインメント集団「梅棒」の最新作、梅棒 19th GIFT「クリス、いってきマス!!!」に出演する。生駒に … 続きを読む
ドラマ2024年11月17日
毎週月曜夜10時からカンテレ・フジテレビ系で放送している、ドラマ「モンスター」。趣里演じる主人公・神波亮子は、“高校3年生で司法試験に合格した”人物で、膨大な知識と弁護士として類いまれなる資質を持つ“モンスター弁護士”という設定。しかし今 … 続きを読む
映画2024年11月15日
韓国発の大ヒットWEBコミックを日本で映画化したサスペンスホラー『他人は地獄だ』が、11月15日から公開された。 地方から上京した青年ユウが暮らし始めたシェアハウス「方舟」。そこで出会ったのは、言葉遣いは丁寧だが、得体のしれない青年キリ … 続きを読む
ドラマ2024年11月15日
NHKで好評放送中の大河ドラマ「光る君へ」。11月10日に放送された第四十三回「輝きののちに」では、三条天皇(木村達成)の譲位問題を軸に、さまざまな人間模様が繰り広げられた。 病を患い、視力と聴力が衰えた三条天皇に、「お目も見えず、お耳 … 続きを読む