斎藤工、水上恒司「映像作品としてパンドラの箱を開けるタイミングが来た」【インタビュー】Prime Originalドラマシリーズ『犯罪者』

2026年7月27日 / 09:47

 ある無差別殺傷事件が、日本社会の大きく深い闇へとつながっていく。刑事・記者・生存者という“出会うはずのなかった3人”が命を懸けて真相に挑むノンストップ・クライムミステリードラマ『犯罪者』が、Prime Videoで世界独占配信中だ。本作で記者の鑓水を演じた斎藤工と事件の生存者の修司を演じた水上恒司に話を聞いた。

斎藤工【スタイリスト:三田真一/アシスタント:那須野/ヘアメーク:くどうあき】(左)と水上恒司【スタイリスト:能城匠/ヘアメーク:Kohey】(C)エンタメOVO

-最初に脚本を読んだ時の印象から伺います。

斎藤 活字の段階で映像を想像すると複雑でしたし、(原作者の)太田(愛)さんも映像を想像できなかったとおっしゃっていました。ただ、映像化できないようなものを作るという理念があるともおっしゃっていたので、それを理解するというか、3人の主線があって、そのややこしさみたいなものには、原作を含めてレイヤーがたくさんあると理解するには時間がかかりました。でも、何か心拍数がだんだん上がっていくようなクライム感というか、サスペンス感というのは、日本では前例がないような作品になるような気もしました。

水上 僕も、正直なところ脚本を読んだ段階では、なかなか映像をイメージすることが難しかったです。でも、撮影をしていく中で、松永(大司)監督の演出というか、組をどういうふうに持っていくのかということを、多少なりとも感じることができて、「あそこをそういうふうに捉えるのか、なるほど」とも思えたので、そういう意味では非常に勉強になりました。

-監督とのディスカッションや入念なリハーサルを通して役を作り上げていった感じですか。

斎藤 役作りに関しては、3人の関係性がとても重要だと思いました。だから自分で準備していったものや、水上さんと高橋(一生)さんがいる中で行われたエチュード(練習)を含めたリハーサルが、鑓水という役を形成してくれているという感覚がありました。また、原作があるものを実写にした時に、唯一原作を超えられるのは人間を映しているということ。そのうまみみたいなものをあぶり出す作業だったのかなと思います。リハーサルが苦しかったわけではありませんが、「そこに答えがあったのか」という意外なものが、自分に戻ってくるような不思議な感覚がありました。それが水上さんと高橋さんとの三角形の中で感じられて作品に臨めたことは、僕にとっては本当に宝物のような経験でした。3人のシーンが、ドラマの核の一つになるので、鑓水の部屋で3人がどう過ごすのかという部分に関しては、リハーサルを厚めにした記憶があります。

水上 僕は、自分がちゃんと考えていないといくら演出する側が水をくれても花は咲かないと思うんです。だから、今回はリハーサルが大きな肥料になったと思えるぐらい、今まで感じたことがないものを頂きました。そこからどう花を咲かせていくのかは、自分自身の問題ですが、今回はリハーサルの期間があったからこそ、クランクインから飛ばすことができました。いくら自分がイメージしたとしても、生身の人間がそこにいたら、予想しないことが起きたり、うまくいかなかったりもするので、なかなか最初からアクセルは踏めないのですが、今回はいきなり踏めました。

-3人の関係性についてはどう考えましたか。

斎藤 3人の関係性はとても特殊だと思います。不思議だったのが、僕と高橋さんのシーンの時に、そこにはいない修司の存在がすごく大きかったんです。むしろそのシーンにおける主人公は修司だったりもする。いない人が三角形の中で存在感を出すみたいな関係性がすごく面白いなと。これがバディだったらちょっと違います。三角形ということの絶妙さを介して、そのエネルギーの中でぐるぐるしていくことが面白いなと。その分、誰が演じるのかというのがすごく大事になります。それにいい意味で左右され合う関係性がとてもすてきでした。人を見るとか話を聞くとか、それを受けてどう自分が反応するかみたいなところに丁寧に向き合えた現場だったと思います。例えば、合わせ鏡のような瞬間がたくさんありました。言葉として表現しなくても、表情やまなざしなどで描かれているものがたくさんあったので。自分のキャラクターを形成してくれたのは、確実に水上さんの修司と高橋さんの相馬だったと、今振り返って強く思います。

 
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