「篤姫役の北川景子さんがとてもかれんなので、張り切って演じています(笑)」南野陽子(幾島)【「西郷どん」インタビュー】

2018年3月25日 / 20:50

-教育係ということで、言葉遣いや所作にも気を使われたのでは?

 そうですね。ただ今回は、これまで積み上げてきたことが役に立ちました。初めての時代劇だった「武田信玄」の時は、浴衣を着ることすらできず、どう動けばいいのかも分からない状態でしたが、30数年の間にいろいろと学ぶ時間がありましたから。それからいろいろ教えていただき、さまざまな役を演じる中で経験を積み、20代の頃には2年ほど学校に通って時代考証や着物のことを勉強した時期もあります。NHKで5年間、「にっぽんの芸能」という古典芸能の番組をやらせていただいたときは、いろいろな方にお会いするたびに「こんなときはどうしたらいいでしょう?」と聞いたり…。そういう引き出しを生かして、今回はちょっと得意になってやりました(笑)。

-篤姫との関係については、どんなことを感じていますか。

 幾島の登場シーンから撮影が始まったのですが、その時の北川さんが、何ともかれんで…。あまりにすてきだったので、「さあ、これをどうしよう…?」とがぜん張り切りました(笑)。以来、一番近い距離で篤姫のことを感じていますが、さまざまな困難を乗り越えていくときに手を取ることも多いので、彼女の熱も伝わってきて…。共に戦う者として、一緒に時間を過ごしています。せりふを聞きながら北川さんを見ていると、「いつの間にこんなに育ったんだろう?」と思ったりしますが、「私が育てたんだ」と気付くと、それだけでグッときます。

-第12回、将軍・家定(又吉直樹)に世継ぎができないと知った幾島が、枕絵などを焼いて吹っ切るシーンは印象的でした。

 良かれと思ってやっていたことが、いとしい篤姫を不幸にするのかと思ったら、自分が火に飛び込みたい…というぐらいの気持ちになりました。でも、それ以上のことを成し遂げるためには…という斉彬の思いも分かるので、そこはもう能面のように一枚皮をかぶった気持ちでいなければと。

-その直後には「自分の身は自分で守れ」と、なぎなたで篤姫を厳しく鍛える場面がありましたね。

 「頑張れ!」と心から思えることはなかなかないのですが、あの場面は本当にそう思いました。北川さん自身も、時間も場所も限られる中で一生懸命、なぎなたを練習したでしょうから、いろいろ大変だろうなと考えたら、自然と気持ちが入ってしまいました。あまりに気持ちが入りすぎて、まるで殺陣師のようでしたけど(笑)。

-篤姫に対する幾島の気持ちには、北川さんに対する南野さんの思いも重なっているように感じます。

 そうですね。待ち時間にお話をしていたら、同じ兵庫県出身ということもあって、いろいろな共通点も見つかりましたし。お芝居も場面に応じて「いつの間に、こんなに年を取ったの?」と思うぐらい、とてもしなやかに役に入っていくので、こっちが引っ張られているような気にもなるし…。「兵庫の星」として頑張ってほしいです。私もすっかりファンになりました(笑)。

(取材・文/井上健一)

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