「いろいろな苦労を経験しながらも、明るくたくましく、精いっぱい生きるふきを楽しんで演じています」高梨臨(ふき)【「西郷どん」インタビュー】

2018年3月3日 / 12:00

 物語の中心は薩摩から江戸へ。舞台が変わり、新たな登場人物も続々と姿を現してきた。その一人が、品川宿の旅籠(はたご)・磯田屋で女給として働くふき。だが実は彼女は、第2回で借金取りに売られていくところを吉之助(鈴木亮平)が助けようとした少女だった。吉之助と劇的な再会を果たしたふきを演じるのは、大河ドラマ初出演となる高梨臨。吉之助との関係や「花子とアン」(14)以来の共演となった鈴木の印象、撮影の舞台裏などを語ってくれた。

ふき役の高梨臨

-ふきをどのような女性と捉えて演じていますか。

 ふきは、第2回にも登場した西郷さんと同郷の農家の娘で、借金取りに売られ、いろいろなところを流れた末、江戸に来たという設定です。家族との悲しい別れも経験しましたが、それが人生で一番つらい出来事だったと思うので、基本的には今をたくましく生きている女性というイメージでやらせていただいています。

-第2回で柿原りんかさんが演じた少女時代のふきも評判になりました。演じる上で意識した部分はありますか。

 私自身も第2回に感動して、すごく切なくなりました。また、鹿児島を訪れる機会もあったので、ふきの家があった畑にも行かせていただきましたが、こんなところで生活していたんだと衝撃を受けました。自分が感じたそういうことを大切にしようと思って、クランクインする前に第2回をもう一度見直してから撮影に臨みました。でもそうやって現場に入ったら、スタッフから「ふきちゃん、こんなに大きくなって」と言われました(笑)。

-第9回で吉之助と再会したシーンの感想は?

 再会したときの西郷(吉之助)さんは、ものすごく衝撃を受けた顔をしていました。私の装いが全く変わっていたこともあったのでしょうけど、こっちがびっくりするぐらいで(笑)。西郷さんとしては、「よく生きていたな」くらいの気持ちだったと思うので、安心させるように「そんな顔しないでよ」という、逆に笑い飛ばす気持ちになりました。

-ふきにとって吉之助はどんな存在でしょうか。

 第2回で親と別れたところで、ふきの人生は大きく変わりました。ただ、その件に関して西郷さんを恨む気持ちは全くありません。西郷さんにとっては「救えなかった女の子」ですが、ふきから見たら「自分のために一生懸命尽くしてくれたお侍さん」という恩人。西郷さんと出会ったからこそ、ふきは親と別れても心が折れずに生きられたし、今、明るくたくましく磯田屋でやっていけている。だから、他の人とは全く違って、常に「心から尊敬するお侍さん」という感じで接しています。

-鈴木亮平さん演じる吉之助の印象は?

 亮平くんは、みんなに話しかけて雰囲気を明るくしてくれるので、誰からも好かれるタイプ。西郷さんそのままの本当に頼りになる感じなので、いてくれるだけで安心します。

-鈴木さんとは「花子とアン」(14)以来の共演だそうですが、当時との違いを感じる部分はありますか。

 まず、見た目が全く別人です。「本当に亮平くん?」と思うぐらいで(笑)。根本的な中身は変わっていませんが、今回は座長ということで、体も大きくなりましたし、存在感も安心感も、さらに頼れる人になっています。本当に西郷さんと話しているようで、“村岡印刷さん”の面影は全くなくなってしまいました(笑)。

 
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