「鈴木亮平さんたちと相談しながら、伸び伸びと演じています」田中道子(タマ)【「西郷どん」インタビュー】

2018年3月11日 / 20:50

 江戸にやってきた吉之助(鈴木亮平)が、仲間の大山格之助(北村有起哉)や有村俊斎(高橋光臣)に連れて行かれたのが、品川宿の旅籠(はたご)・磯田屋。にぎやかな雰囲気に包まれ、さまざまな人々が行き交う磯田屋で、吉之助は新たな出会いを重ねることになる。磯田屋で女給として働くふき(高梨臨)の同僚タマを演じているのが、ミス・ワールド2013日本代表に選ばれた田中道子だ。大河ドラマ初出演の感想や、現場で感じたことなどを聞いた。

タマ役の田中道子

-大河ドラマ初出演が決まったときのお気持ちは?

 事務所を挙げてのドッキリかと思いました(笑)。お話を伺ったのは、まだ女優デビューして1年足らずという時期だったので、まさかこんなに早いタイミングで大河ドラマに出演できるとは、夢にも思っていませんでしたから。最初はびっくりして、その次は、私にできるだろうかと不安になりました。

-ご家族の反応は?

 鹿児島出身の祖母や親戚は、涙を流すほど喜んでいました。特に祖母は、病気で入退院を繰り返していたのですが、大河出演の話をしたら目の輝きが変わって「生きる活力が湧いた」と言ってくれて。祖母は大河をずっと見ていましたし、西郷隆盛という故郷の英雄が題材ということで、二重の喜びだったようです。ただ、父はやっぱり「エキストラだろ」と、信じてくれませんでした(笑)。でも、今は家族が一番応援してくれています。

-タマは旅籠の女給という役ですが、役作りはどのように?

 タマは磯田屋の人気者ということで、男性との距離感については、ふき役の高梨臨さんと相談しながら現場で作り上げました。タマの本音としては、食事をした後、皆さんに泊まっていってほしいんです、お金になるので。ただ、薩摩の人たちはふきの知り合いでもあるので、あまり色仕掛けはせず、お友達的な距離感も保ちつつ…という設定を細かく考えて。そういうところで、相手に対する目線から言葉のトーンまで変わってきますから。そういうふうに一つ一つ、役を作り上げていくのは楽しいです。

-初めての大河の現場はいかがですか。

 セットが細部まで作り込まれていて、すごく壮大です。さすが大河だと感心していたら、鈴木亮平さんが「セットがこうなっていると、僕たちもこのぐらい演技をやらないと浮くね」というお話をされていたんです。私はそれまで、セットに合わせて演技を変えるという感覚がなかったので、気を付けなければと痛感しました。学ぶことがものすごく多いです。

-鈴木亮平さんの印象は?

 初めてお会いする日、私が緊張していたら、久しぶりに会った友達のように「タマどーん!」と声を掛けてくれました。「昨日まで鹿児島に行っていたからお土産」と言って入浴剤を頂くなど、最初から近い距離感で温かく迎えてくださったおかげで、伸び伸び演じることができました。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

「光る君へ」第十八回「岐路」女にすがる男たちの姿と、その中で際立つまひろと道長の絆【大河ドラマコラム】

ドラマ2024年5月11日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「光る君へ」。5月5日に放送された第十八回「岐路」では、藤原道長(柄本佑)の兄・道兼(玉置玲央)の死と、それによって空席となった関白の座を巡る道長と藤原伊周(三浦翔平)の争いが描かれた。  妻・定子(高畑充希 … 続きを読む

【週末映画コラム】映画館の大画面で見るべき映画『猿の惑星/キングダム』/“お気楽なラブコメ”が久しぶりに復活『恋するプリテンダー』

映画2024年5月10日

『猿の惑星/キングダム』(5月10日公開)    今から300年後の地球。荒廃した世界で高い知能と言語を得た猿たちが、文明も言語も失い野生化した人類を支配していた。そんな中、若きノア(オーウェン・ティーグ)は、巨大な帝国を築く独裁 … 続きを読む

「場所と人とのリンクみたいなのものを感じながら見ると面白いと思います」今村圭佑撮影監督『青春18×2 君へと続く道』【インタビュー】

映画2024年5月9日

 18年前の台湾。高校3年生のジミー(シュー・グァンハン)はアルバイト先で4歳年上の日本人バックパッカーのアミ(清原果耶)と出会い、恋心を抱く。だが、突然アミの帰国が決まり、落ち込むジミーにアミはあることを提案する。現在。人生につまずいた3 … 続きを読む

田中泯「日本の政治に対する僕自身の憤りに通じる部分も多かった」世界配信となる初主演のポリティカル・サスペンスに意気込み「フクロウと呼ばれた男」【インタビュー】

ドラマ2024年5月9日

 あらゆるスキャンダルやセンセーショナルな事件を、社会の陰に隠れて解決してきたフィクサー、“フクロウ”こと⼤神⿓太郎。彼は、⼤神家と親交の深かった次期総理候補の息⼦が謎の死を遂げたことをきっかけに、政界に潜む巨悪の正体に近づいていくが…。先 … 続きを読む

海宝直人&村井良大、戦時下の広島を舞台にした名作漫画をミュージカル化 「それでも生きていこうというエネルギーをお見せしたい」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2024年5月9日

 太平洋戦争下の広島県呉市に生きる人々の姿を淡々と丁寧に描いた、こうの史代氏による漫画「この世界の片隅に」がミュージカル化され、5月9日から上演される。主人公の浦野すず役をWキャストで務めるのは、昆夏美と大原櫻子。すずが嫁ぐ相手の北條周作を … 続きを読む

Willfriends

page top