「大泉さんったらリハーサルで私に『おこう』って言ったんですよ。本当にぶちぎれました」吉田羊(稲) 【真田丸インタビュー】 

2016年9月11日 / 08:00

 NHKの大河ドラマ「真田丸」で主人公、真田信繁(堺雅人)の兄、信幸(大泉洋)の正室で、徳川家との政略結婚で真田家に嫁いだ稲を演じている吉田羊。本多忠勝(藤岡弘)の娘としてのプライドを乗り越え、信幸と心を通い合わせる稲の心の変化を語る。

 

稲役の吉田羊

稲役の吉田羊

-これまでの三谷幸喜脚本の印象は?

 役者のことを愛してくださっていると思います。ただ、三谷さんの頭の中では役のイメージが出来上がっているので、その通りにやっても詰まらない。俳優としては、そこを超えていきたいという思いがあります。俳優としての想像力や演技力が鍛えられる作家だという感じがします。

-稲はどんな女性だと感じていますか。

 一見クールですが、熱いものを秘めていて、真田家の家族愛に触れて変わっていく女性です。

-これまで演技してみて、稲の人物像をどう考えていますか。

 お父さまに溺愛された方なのできちんと愛を知っている人だと思います。だから信幸さんも真田家もきちんと愛した方だと思います。

-大泉さんとの共演はいかがでしたか。

 波長が合うんです。あうんの呼吸。徳川家康(内野聖陽)の前で2人が顔見せをするシーンで、それぞれ名を名乗って顔を上げる時、相談もしていないのに同じタイミングで上げたんです。「ああ、この人となら夫婦になれる」と思いました(笑)。その時の大泉さんの顔がすごくハンサムに見えました。稲も本当はその瞬間に「ああ、この人すてき」って思ったのかもしれません。

-今回は、大泉さんのコミカルな部分を封印するという三谷さんの戦略があります。そういう大泉さんは、共演者としては調子が狂いますか。

 いいえ、ありです。ギャップ萌えしますよね(笑)。ただ、大泉さんは必死にそういうコミカルな部分を抑えているのを感じます。でも1年もあの役をやると、きっとどこからが自分なのかが分からなくなるぐらい信幸の人生を生きているわけですし、もしかしたら、そうやってのみ込むことこそが信幸さんの気持ちなのかもしれません。私たち「洋羊コンビ」、今のところ、夫婦漫才みたいな感じになっています(笑)。

-正室だったおこう(長野里美)が侍女として真田家にいることを知って、稲はどう思ったのでしょうか。

 それは稲も傷ついたでしょう。最初は信幸に冷たく接していたものを、実は前の正室が近くにいると聞けば気になり始める。それがだんだん好意に変わり、仲むつまじい夫婦になる。その過程がすごく人間的で、この時代に生きた血の通った人間だと思えますよね。

-信幸を受け入れた後の芝居の変化はどう意識しましたか。

 不思議なもので、ずっと突っぱねていたのが、信幸に突然迫るシーンで、気持ちの奥の奥からの女心を表現した時に、すごく楽になったんです。「ずっとこうしたかったんだわ、私」って思ったの。抱き着く前と後では信幸さんを見る目が違うし、楽に演じています。

-信幸さんも正室と前正室が一つ屋根の下にいると大変でしょうね。

 地震の後に私の部屋に来て、「稲、大丈夫か」って抱き締めた後に、おこうさんの所にも行って抱き締めるシーンがあったんですけど、大泉さんったらリハーサルで私に「おこう」って言ったんです(笑)。本当にぶちぎれました(笑)。その瞬間、普通に悔しかったですから。大泉さんは土下座していましたけど、リアルにこんなことがあったんじゃないかなと。

-藤岡さんのお父さまぶりは?

 俳優の藤岡さんとしても父の忠勝としても、現場にいらっしゃるだけで絶大なる安心感があります。

-藤岡さんから武術のプロとしてのアドバイスは受けましたか。

 なぎなたは先が重くて、振り回した時に引っ張られて体の中心がぶれます。なので「しっかりと丹田に力を入れて立つと良いですよ」という専門的なアドバイスを頂きました。

-堺さんはいかがですか。

 私、実は大河ドラマの「篤姫」で堺さんが演じた徳川家定公が好きで、携帯の待ち受けにしていたことがあるぐらいなので、一ファンとして見てしまいます。ずっと共演したかった方なのですが、一緒のシーンが少ないんですよ(笑)。


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

戸田菜穂「スッとあの時代に入っていけるような空気がありました」名作漫画の実写映画化で、昭和の母を好演『遥かな町へ』【インタビュー】

映画2026年10月9日

 10月9日から全国公開となる『遥かな町へ』は、「孤独のグルメ」「神々の山嶺」で知られる漫画家・谷口ジローの名作を実写映画化した作品だ。  建築デザイナーとして活躍する48歳の中原博史(大谷亮平)が、故郷・鳥取県の倉吉で母親の墓参りを済ませ … 続きを読む

【映画コラム】9月の公開映画から

映画2026年10月8日

「バックルームズ」(9月4日公開)★★★ 出口のない迷宮が生む恐怖  “あるはずのない隙間”から、黄色い壁に囲まれ蛍光灯に照らされた迷宮のような空間へ迷い込んだ男(キウェテル・イジョフォー)が、出口を求めてさまよう。インターネット発の都市伝 … 続きを読む

伊原六花「七五三掛さんが一緒で心強い」七五三掛龍也「伊原さんはオールマイティーな方」痛快リベンジ・エンターテインメントで共演「小麦とバターと復讐と」【インタビュー】

ドラマ2026年10月7日

 10月7日(水)よる11時からカンテレ・フジテレビ系全国ネット「水ドラ★イレブン」枠で、新ドラマ「小麦とバターと復讐と」がスタートする。  夫と助手に裏切られ、命を落としたパン職人の野崎ミチルが、2年前にタイムリープし、過去をやり直しなが … 続きを読む

川口春奈、高杉真宙「自分や家族、周りの人たちを大事にしようと思うきっかけになったらうれしいです」『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』【インタビュー】

映画2026年10月1日

 大腸がんによって24歳で他界した遠藤和(のどか)さんが亡くなる10日前までつづり続けた手記を映画化した『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』が、10月2日から全国公開される。本作で、主人公の和と夫の将一を演じた、川口春奈と高杉真 … 続きを読む

木戸大聖「悲しいと思っていてもそれを表情に出せないのが難しかったです」『沖晴くんの涙を殺して』【インタビュー】

映画2026年10月1日

 余命1年の音楽教師・京香(広瀬アリス)と、喜び以外の感情を失った高校生・沖晴が織りなす、切なくも温かい感動の人生賛歌『沖晴くんの涙を殺して』が10月2日から全国公開される。本作で、訳あり高校生の沖晴を演じた木戸大聖に話を聞いた。 -沖晴の … 続きを読む

page top