武井咲、ピュアな恋愛観に憧れ「一途な思いはすてき」 NHK土曜時代劇に初主演

2016年9月16日 / 17:00

019s 諸田玲子氏による「四十八人目の忠臣」を原作に、究極の侍“赤穂浪士”を愛した女性、きよの波乱の人生を描くNHKの土曜時代劇「忠臣蔵の恋~四十八人目の忠臣~」。連続20回の長編ドラマにヒロイン・きよ役で主演する武井咲が、恋仲を演じる福士誠治の印象や、演じて実感した現代劇との恋愛観の違いなどを語った。

 武井演じるきよは、浅野内匠頭(今井翼)の正室・阿久利(田中麗奈)に仕える琴が得意な新人女中。鮮烈な初恋から身分違いの障害を乗り越え恋に生きると心に決めたとき、恋しい礒貝十郎左衛門(福士)ら47人の赤穂浪士とともに、討ち入りには参加できない48人目の忠臣としての運命が動き出す。

 赤穂浪士が討ち入りを成功させた後はきよの第2の人生のスタートとして、男たちも成し得なかったことのため、ついには江戸城大奥へとその身を投じていく。武井は大河ドラマ「平清盛」での常盤御前役以来の時代劇で、さらにはNHKドラマ初主演となる。

──時代劇をやる楽しみ、またNHKドラマ初主演に対する思いはありますか。

 お勉強ができること。現代劇だと普通の日常が描かれたりしますが、その時代の関係や所作、日本人らしい奥ゆかしい感じをいま勉強できるのが面白い。ドラマが始まらないと実感は沸かないのですが、うれしかったです。準備を進めていってポスターができて撮影を重ねていって、ニュースで情報解禁されたりするとすごいことが始まってしまったなという感じはしました。

──演じるきよの印象と、役作りの準備などをお聞かせください。

 全20話を通して変化していく女性なので、最初の方は幼いというかバタバタしているシーンが多くて。おてんばというか初々しい女性だなと思いました。琴を弾くシーンがあって、その練習もしましたが3~4回くらいしかできず、あとは現場で教えていただきながらなんとか弾けるようになったのでよかった。難しかったです。

──現代の女性として、きよに共感できるところはありましたか。

 ああいう一途な思いはすてきだなと思います。その時代ならではの儚さ、相手への思い方は今のとは全然違って変わってきちゃっているのかなと…。私ももっとその時代のように人を好きになれたらいいのになと思いました。単純に心にくる感じで、今のようにいつでもどこでも連絡が取れる環境ではない、そういうのはすてきだと思いました。

──恋仲の礒貝十郎左衛門を演じる福士誠治さんの印象は。

007s 福士さんは誰とでも打ち解けられる方で、お話がとっても上手。私は初めてお会いした方とは話すまでに時間がかかるのですが、いい距離感で入ってくれて緊張をほぐしてくれたり、頑張っていこうと一緒にいてくれる感じがします。いま普通に話せているのが不思議なくらい。すごく気を遣われる方ですから、(私が)甘えているところはあるかもしれないです。

──役柄のきよと重なる部分も?

 本当ですね(笑)。意識はしなかったですけど…。福士さんは明るくて周りの方に気を遣えて、スタッフさんにもキャストの皆さんにも同じようにお話をされていてすごく優しい方です。

──福士さんは時代劇の出演も多く、参考になるところもあるのではないでしょうか。

 一緒にお芝居をしていて、シーンによって目つきが全然変わっているのがすごいと思いました。武士の人たちは思いを表に出せないことも多いので、目の色や体の雰囲気や息遣いで表現する。言葉や行動だけじゃなくて、本当にそこにいる人のように演じられる方なんだと思って私はハッとしました。

──下着を交換して再会を誓ったり、人目を忍んで会ったりと人を好きになることの現代との違い、思いの持っていき方で意識している点はありますか。

 今の時代の恋愛は、いろいろな邪魔が入ったりダメだと分かっていながらも突き進んで行く感じがありますが、このドラマはとてもピュア。強く一途な思いを持っていて、人を思うことに対してはどこかで(現代と)は繋がると思うけど、演じるところでは所作からまったく違います。『好きだ!』って表現できないし、本来は三歩引いて歩かないといけないような時代ですから、添い遂げ方も思いの伝え方も違いますよね。まったく別のものとして考えています。

──武井さんが演じる役柄はしっかりとした女性が多い印象ですが、自身の中にあるものなのでしょうか。

 自分の持っているボキャブラリーで演じる中で『ここは真っすぐにいたい』『納得した上でお芝居したい』と思うと、どうしても自分っぽいところが出てしまうかもしれないです。今回は時代劇なのでわからないですけど…、頑張ります。

──最後に前半の見どころや注目してほしい点をお聞かせください。

01_04_069s

放送はNHK総合で9月24日午後6時10分から毎週土曜(連続20回)

 全20話というのは私もやったことがなく、一つ一つのお話にこれだけ時間をかけられてたっぷり見られることがこのドラマのいいところだと思います。きよという一人の女の子の変化や、気持ちが動かされていく瞬間を全話を通して見てやっと理解できるというか…。見続けていただくことがこのドラマの一番の面白さじゃないかなと思います。一つの時代の流れを感じていただきながら楽しんでもらえれば。

 


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

織山尚大、芸能活動10周年を迎え「今のこの年齢で演じる意味がある」 舞台「エクウス」で3年ぶりの主演【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年12月29日

 映画『うちの弟どもがすみません』やドラマ『リベンジ・スパイ』など、数々の映画やドラマ、舞台で活躍する織山尚大の3年ぶりの主演舞台となる「エクウス」が1月29日から上演される。本作は、実際に起きた事件を基に描かれた、ピーター・シェーファーに … 続きを読む

【映画コラム】「2025年映画ベストテン」

映画2025年12月28日

 今回は、筆者の独断と偏見による「2025年公開映画ベストテン」を発表し、今年を締めくくりたいと思う。 【外国映画】  2025年公開の外国映画を振り返った時に、今年の米アカデミー賞での受賞作は最近の映画界の傾向を象徴するようで興味深いもの … 続きを読む

【Kカルチャーの視点】家族の情緒が国境を越える、俳優ムン・ソリが語る「おつかれさま」ヒットの理由

ドラマ2025年12月26日

 今年のヒットドラマ、Netflixシリーズ「おつかれさま」。子どもから親へと成長していく女性の人生とその家族を描き、幅広い世代から支持され大きな話題を呼んだ。IU(アイユー)との二人一役で主人公エスンを演じたムン・ソリに、ドラマの振り返り … 続きを読む

田中麗奈「こじらせ男の滑稽で切ない愛の行方を皆さんに見届けていただきたいと思います」『星と月は天の穴』【インタビュー】

映画2025年12月24日

 脚本家としても著名な荒井晴彦監督が、『花腐し』(23)に続いて綾野剛を主演に迎え、作家・吉行淳之介の同名小説を映画化した『星と月は天の穴』が12月19日から全国公開された。過去の恋愛経験から女性を愛することを恐れながらも愛されたい願望をこ … 続きを読む

天海祐希、田中哲司、小日向文世、でんでん、塚地武雅「12年の集大成を見届けてください!」大ヒットシリーズ、ついに完結! 劇場版「緊急取調室 THE FINAL」【インタビュー】

映画2025年12月23日

 2014年1月にスタートしたテレビ朝日系列の大ヒットドラマ「緊急取調室」。たたき上げの取調官・真壁有希子が、可視化設備の整った特別取調室で取り調べを行う専門チーム「緊急事案対応取調班(通称:キントリ)」のメンバーとともに、数々の凶悪犯と一 … 続きを読む

Willfriends

page top