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福田 9分間のね。あれはもうアドリブというか…。
山田 そのシチュエーションで作っていくっていう感じですよね。
福田 ライブですね。とりあえず松山(ケンイチ)くんと染谷(将太)くんには「二朗が何かわけの分からないことを言ってくるけど、それなりの対応をしてください」という話しかしていないんです。その後、変なダンスを踊ったところで、多分二朗は収集がつかなくなったと思うんです。「勇者ヨシヒコ」の仏と一緒で、何か逸脱したことをやったら、自分で収拾がつかなくなって台本にないことをつらつらと言い始めた。それに2人がずっと付き合っている。しまいには、松山くんがもうどうでもいいという感じで津軽弁になっている…。それがそのまま出ているんです。
(ミカエル役の)岩ちゃん(岩田剛典)にも、踊ってなんて一言も言っていないのに、段取りやりましょうってなったら、急に踊り始めたんです。それがすごく面白かったので、プロデューサーに聞いたら、岩ちゃんが「僕はふざけられない役なのに何で福田組に呼ばれるんだろう」と思って悩んだらしいんです。それで出た結論が「自分はダンスなんじゃないか」と(笑)。それで急に踊り始めたと。それがすごく面白かったので、「岩ちゃん、今の倍やってもらっていい」と言って、やってもらったのがあれです。2人(松山と染谷)はびっくりしていました。だって、岩ちゃんが踊っているところでは、あの2人はずっと素で笑っていますから。
福田 僕の作品を好きなお客さんが、僕に一番期待するのはパロディーだと思うんです。でも、普通はやらせてもらえないです。涙も感動もないんですから。それをやらせてもらえる幸せの中で、自分が何をやるべきかと思ったら、やっぱり一番得意なきわきわなパロディーをやるべきなんじゃないかなと思って、原作の中にちょっと忍び込ませていただいたという感じです。
福田 僕はお二人とはこれが初めてなんです。ずっとこの2人のファンだったんです。松山くんに関しては『デスノート』(06)から、染谷くんは『寄生獣』(14)からのファンです。でも今まで何回もオファーをしたけど全部断られました(笑)。松山くんに関しては、今回はホリプロまで直接交渉に行きました。それで初めて受けていただけました。2人は本当に楽しんで演じてくれています。だってイエスとブッタですからね。なかなかやれる役者さんはいないと思います。
福田 僕が一番言いたいのは、こんな超豪華キャストで、最初におっしゃってくださった「くだらないけど面白い映画」ができた。徹頭徹尾、笑いにこだわった映画ができたことは本当に幸せだし、まれにみるギャグ映画になったと思うので、子どもが見てもおじいちゃんおばあちゃんが見ても絶対に面白い。全世代に見てほしいと思います。戦隊ものは僕らの年代も楽しめるし、子どもが見ても絶対に楽しいじゃないですか。それに再来年の大河ドラマの主役(十一面観音役の仲野太賀)や今の日曜劇場の主役(ヨハネ役の神木隆之介)も出ているんですから。そのすごいメンバーがこんなばかなことをやっている映画なんて他には絶対にないと思うので、ある意味貴重だと思います。
山田 Mrs. GREEN APPLEさんの「ビターバカンス」が、映画の内容や見方を分かりやすく解説してくれたと思います。そもそも中村先生がイエスとブッダが忙しいから休んでもらいたいということで原作が生まれたので、それを見事にくみ取った曲だと。それはこの映画を見てくれる人たちにも同じことが言えて、やらなきゃいけないこと、考えなきゃいけないことはいっぱいあるけれど、たまには息抜きをする時間がないと詰まってしまうし、思考が停止する部分も結構多いと思うので。この90分間は何も考えずに息抜きをして、また来年からやるべきことを頑張るという年末にぴったりな作品だと思います。
(取材・文・写真/田中雄二)

(C)中村光/講談社 (C)2024映画「聖☆おにいさん」製作委員会
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