エンターテインメント・ウェブマガジン
佐藤二朗が脚本を務める舞台「そのいのち」で宮沢りえと舞台初共演を果たす。本作で描かれるのは、持つ者と持たざる者の愛と憎しみの「境界線」。俳優としてもさることながら、演劇ユニット「ちからわざ」の主宰を務め、全公演で作・出演を担当する佐藤が、ミュージシャン中村佳穂の同名曲にインスパイアされ、12年ぶりに書き下ろした新作戯曲だ。佐藤に本作に込めた思いを聞いた。

佐藤二朗 【ヘアメーク:今野亜季 (A.m Lab)/スタイリスト:鬼塚美代子(Ange)】 (C)エンタメOVO
『紙の月』というりえちゃんが主演した映画を見て、なんて抑圧されるのが似合う俳優なんだと思いました。けれど内には熱く、強い何かを秘めている。そんな独特のオーラを持つ俳優だと思います。
ちょっとはっきりは分からない。5年くらい前かな。
これを書いたのは結構前なんですよ。構想から書き終わるまでは何年もかからなかったです。何カ月というレベルだと思います。
いやいや、全然。インスパイアとは言いますが、とにかくその曲にグワーンと衝撃を受けて、とにかくこれが流れる物語を書きたいと思ったはいいものの、もちろん物語は全然思いつきませんよ。ただ、僕は中村さんの「そのいのち」という歌は、人間への讃歌、命の讃歌だと受け取って。命の讃歌だと受け取ったこの楽曲が流れる物語としては、例えば、黒い部分や人間のきれいごとだけではないところ、生くさいところ、ドロドロしたところまで描かないと“命の讃歌”にはならないというくらいは思ってはいましたが、物語は全然その後に思いついたというところです。
ごめんなさい、正直にいうとキャッチコピーは僕が考えたものではないんです。なので、いいキャッチコピーだとは思っていますが、僕自身はあまりこれに対しては何も思っていないです。もちろんこの時代なので、溝はない方がいいに決まっているし、共生できる社会がいいはずです。ただ、この作品では「負を力に」という思いがどうしても僕の中にあって。なので、僕個人は、境界線や溝どころか、負があるからこそ何かすごい力を発揮したりするところを見てみたい。溝や境界線の有無さえも超越した力を信じたい気持ちがあります。
映画2025年11月14日
日本海沿岸の小さな漁師町を舞台に、元ヤクザの漁師・三浦と目の見えない少年・幸太という、年の離れた孤独な2人の絆を描くヒューマンドラマ『港のひかり』が、11月14日から全国公開中だ。 主演に舘ひろしを迎え、『正体』(24)の俊英・藤井道人 … 続きを読む
2025年11月14日
YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 ▼玉田永教と神道講釈 銭湯の湯け … 続きを読む
映画2025年11月13日
40人の武装強盗団が、ニューデリー行きの特急寝台列車を襲撃! 刀を手に乗客から金品を奪う強盗団のリーダー、ファニ(ラガヴ・ジュヤル)は、大富豪タークルとその娘トゥリカ(ターニャ・マニクタラ)を人質に取り、身代金奪取をもくろむ。だがその列車 … 続きを読む
映画2025年11月11日
何かに夢中になると他のことが目に入らなくなってしまうジュゼッペ(声:佐野晶哉)は、街の人々から「トリツカレ男」と呼ばれている。ある日、ジュゼッペは、公園で風船売りをしているペチカに一目ぼれし、夢中になるが…。作家・いしいしんじの同名小説を … 続きを読む
ドラマ2025年11月10日
草なぎ剛主演の月10ドラマ「終幕のロンド -もう二度と、会えないあなたに-」(カンテレ・フジテレビ系/毎週月曜午後10時)。第3話で強烈なインパクトを残したゆずは(八木莉可子)の母(雛形あきこ)が、再びHeaven’s messenger … 続きを読む