エンターテインメント・ウェブマガジン
おっしゃる通りです。最初は、プリンスの周りにいたコミュニティーの人たちにインタビューをしたいと思っていましたが、割と閉鎖的というか、皆あまり話をしたがらないんです。実際に、昔からプリンスのことを知っている人たちの中には、彼の悪いところや汚いところを強調する人たちが結構多かった。例えば、彼がドラッグの中毒で死んでしまったとか、悪い方向に話を持っていってしまうんです。僕は、この映画を通して、プリンスが素晴らしい人物だったことを描きたかったし、純粋に彼をたたえる映画にしたいと思っていたので、そうした思いをコミュニティーの人たちに伝えると、「今までそんなふうに取材をする人はいなかった」と。そこから皆さん打ち解けて、さまざまな真実を語り始めてくれました。正しい意図を伝えたことで、周囲の人たちが真実を提供してくれたと思いました。
プリンスは、もちろん才能あふれる人ではありましたが、もちろん人間なので、何かしらのあらがあったり、何かしらの失敗もしてきた人ではありました。ただ、彼はそこをうまく解消して、消化していったというふうに感じました。それをファンの人たちもよく理解していたのではないかと思います。今までいろいろな映像を制作してきましたが、この映画は、僕にとって一番大切なドキュメンタリーになったと思います。どちらかというと彼の音楽よりも、彼の人間性に引かれたところが多かった気がします。この映画を作りながら、彼が僕の人生を変えてくれたと言っても過言ではありません。僕をよりよい人間にしてくれたと思っています。
この映画の一番の見どころというか、大切なところは、スパイク・モスという人物の存在だと思います。彼はとてもいいボクサーだったので、ムハマド・アリのようになってもおかしくはなかったのに、彼はその道を行かずに、ストリートにいる子どもたちをいい方向に導きたいという強い信念によって、「ザ・ウェイ」というコミュニティーセンターを作り上げました。そこで、子どもたちがアイデンティティーを形成していく手助けをし、彼らの成長に多大な貢献をしてきた人物です。彼はプリンスにとってはメンター(師)であったばかりでなく父親的な存在でもあったし、「ザ・ウェイ」は後に議員になった人や著名な映画監督、ミュージシャンなども輩出しています。僕もそうしたコミュニティーセンターを作る手助けをしていきたいと思っています。そうした考えに至ったのも、スパイク・モスという素晴らしい人がいたからです。ですから、この映画ではスパイク・モスという人物がかなり大きな存在になっていると思います。
(取材・文・写真/田中雄二)

(C)PRINCE TRIBUTE PRODUCTIONS INC.
舞台・ミュージカル2026年4月25日
内館牧子によるベストセラー小説『老害の人』が、リーディングドラマとして舞台化される。出演者は、友近と千葉雄大の二人だけ。登場人物のすべてを、二人が自在に演じ分ける。 物語の主人公は、小さな玩具屋を大企業に育てた元社長の福太郎。老いてなお … 続きを読む
舞台・ミュージカル2026年4月25日
小手伸也が舞台初主演を務める「俺もそろそろシェイクスピア シリーズ『コテンペスト』」が、6月27日から上演される。公演に先立ち、小手が取材に応じ、本作への思いを語った。 本作は、シェイクスピアの最後の作品「テンペスト」の設定を現代に置き … 続きを読む
映画2026年4月24日
『今日からぼくが村の映画館』(4月17日公開) 南米ペルー、アンデスの小さな村に住む少年シストゥは、風が運んできた新聞の映画広告を手にする。導かれるままにたどり着いた移動映画館で初めて“映画”を知ったシストゥは、たちまちその物語に魅了され … 続きを読む
ドラマ2026年4月23日
-りん役の見上愛さんとの共演はいかがですか。 見上さんは、お芝居のスイッチをすぐに切り替えられる器用な方で、同世代の俳優としてとても刺激を受けています。現場では、大変なことも多いはずですが、常に元気いっぱい、楽しそうで。そんな見上さんが、 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2026年4月23日
舞台「鬼滅の刃」其ノ陸 柱稽古・無限城 突入が6月13日から上演される。原作漫画「鬼滅の刃」はコミックスの全世界累計発行部数が2億2000万部を突破。その大人気作品の舞台化で、シリーズ6作目となる本作では、柱稽古、そして無限城の戦いを描く … 続きを読む