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お絹役の清原さんは、あの若さなのにりんとしていて、誰よりも大人な感じがするし、中川大志くんの弥吉はすごく難しい役で、一歩間違えたら「こいつ頭悪いのかな」みたいな見え方をするところも感情で乗り切ってくれました。また、落語は「あの50両はどうしたの?」という話だから、実際に源兵衛が厠(かわや)に行く前にあそこに入れるのは、絵的にはどうなのかなと思ったけど、國村さんにやってもらったら、至って自然な感じがして、改めて俳優ってすごいなと思いました。脚本で困っている時は、大体役者が助けてくれます。
京都に行くと、本当にそう思います。僕は助手の人に至るまで、彼らはスタッフではなくて全員がクリエーターだと思っています。そういう意味では、まだまだ腕のいい想像力豊かなクリエーターが京都にはたくさんいます。一度なくなると、それを復活させるのは本当に大変なことだから、できるうちに継承して、みんなでやっていかなければいけないし、何なら国が補助金を出して、年に何本か時代劇を作らせるということをやってもいいぐらいの話だと思います。
新しい企画は時代劇しか考えていないです(笑)。現代劇はあまり考えたくない(笑)。それぐらい今は時代劇に魅力を感じています。以前から、海外の映画祭などでディレクターやクリエーターと話していると、「何で君たちは時代劇を作らないの。侍や忍者の映画を作らないの」と言われます。彼らはみんな時代劇を見たいんですよ。だから、実は日本映画にとって時代劇がストロングポイント、売り物であるということを日本の映画界が忘れてしまっているということです。それは今後の課題だと思います。
あります。むしろそっちの方を撮ってみたいです。この映画みたいなハッピーエンドじゃないバッドエンドのものを。例えば、三隅研二監督の映画の、刀で人を斬ったらどうなるかってことに生涯を費やした人とか、刀で斬られて真っ二つになる人とか、そういうことをやってみたいです(笑)。時代劇ってジャンルのようだけど実はジャンルではなくて、モチーフなだけなんです。だから時代劇の中にもいろんなジャンルがある。もちろんホラーだってできるし、戦争ものだって作れる。本当に無限の可能性があると思います。
基本はエンタメとして描いているので、囲碁が分からない、時代劇は苦手だという人でも楽しめる映画になっているので、その辺は心配せずに見に来ていただければと思います。今の日本人が忘れてしまった品格やわびさびの雰囲気を、特に若い人に見て感じてもらいたいなと思います。
(取材・文・写真/田中雄二)
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