柿澤勇人&吉田鋼太郎が挑む「ハムレット」 「ずっと心に残る、一生の財産になる作品」に【インタビュー】

2024年4月7日 / 08:00

柿澤勇人(左)と吉田鋼太郎(C)エンタメOVO

-柿澤さんから見た吉田さんの魅力は?

柿澤 僕が鋼太郎さんと初めてお仕事したのは、「デスノート THE MUSICAL」でした。そのときから、鋼太郎さんの背中追い続けて、ずっと食らいついています。楽屋にお邪魔させてもらって、芝居について教えていただいたり、役者としての悩みを聞いてもらったり、今後、僕はどうやって生きていけばいいのかというお話までさせていただいたり。そうした時間を過ごさせていただいて、鋼太郎さんが本当にたくさんの人に愛されて慕われているというのもすごく感じました。こんなにも年齢が離れている大先輩なのに、すごくフランクに僕の意見も聞いてくれるんですよ。こんな言い方は失礼かもしれませんが、かわいらしいし、チャーミング(笑)。その後も、何作品もご一緒させていただき、稽古場でもいろいろと試させていただいて、いろいろなメソッドも教えていただいて。稽古場はワクワクする要素がいっぱいありました。

-シェークスピア作品は、やはり難しいというイメージが強いと思いますが、「彩の国シェイクスピア・シリーズ」はエンターテインメント性も一つのポイントだと思います。そこで、ぜひお二人からシェークスピアの楽しみ方や観劇のポイントを教えてください。

吉田 半世紀以上前から、シェークスピアは敷居が高いとか、難しいと言われ続けていますよね。少なくとも僕が演劇を始めた1970年代の後半にはすでにそういわれていました。その頃、僕は「シェイクスピア・シアター」という劇団に入り、100人入れば満杯という小劇場で、ジーパンにTシャツ姿でパイプ椅子だけのセットでシェークスピア作品を上演していて、それが大好評だったんですよ。ジーパンにTシャツというのは、現代に生きている人たちにも、身近な物語なんだよというアピールですよね。その影響で、僕は今も分かりやすくなければやる意味はないと思っています。ただ、もう1つ言えるのが、お客さまの中にも、知的興味がないと楽しめないということです。面白くするためにといって改ざんしたり、ぐちゃぐちゃなものにしてしまっては意味がないので、あくまで原型はきっちりとどめつつ楽しませなくてはいけない。でも、それはなかなか難しい。そうすると、僕らにもお客さまにお願いがあって、お客さまたちも知的興味を持って観劇に来ていただきたいのです。それがあるとお互いにWin‐Winなんじゃないかと思います。僕たちも僕たちでこの作品を伝えようとしている。ある意味、これは僕たちとお客さまの勝負のようなところがあるんです。こんなことを言うと、ますます面白くなさそうと思われてしまうと思うので、はたしてこの発言でいいのかなと思いますが(笑)、そうした覚悟を持って見に来ていただくのが大事かなと思います。絶対に面白い作品なのは間違いないです。世界最高峰だといわれている戯曲ですから。ストーリーも登場人物たちの行動も面白いし、キャラクターも豊か。ずっと心に残る、一生の財産になる作品です。

柿澤 僕は、まだまだシェークスピアを語れるほどではないですが…「ハムレット」の戯曲を読んでいると、僕自身も読み方が分からず、意味も分からないという言葉もたくさんあります。使っている言葉は現代語でも日常で使う言葉ではないので、やはり難しいんですよね。ですが、そこで語られていることは、2024年に生きている僕たちにも刺さる物語です。今は、人間関係がどんどん希薄になって、携帯電話だけでもやり取りできる時代ですが、この作品からは人とはなんだとか、愛とはなんだといった普遍的なテーマを感じることができます。そして、普段、僕たちが日常で思っていても表に出せない感情を表に出して演じている俳優たちを見るときっと引き込まれると思うんです。それは、舞台ならでは、シェークスピアならではのエネルギーだとも思うので、それを皆さまに劇場で受け取っていただけるのではないかと思います。

(取材・文・写真/嶋田真己)

 彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd Vol.1「ハムレット」は、5月7日~26日に彩の国さいたま芸術劇場 大ホールほか、宮城、愛知、福岡、大阪で上演。

彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd Vol.1「ハムレット」

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【映画コラム】2月前半の公開映画から『ほどなく、お別れです』『クライム101』『ブゴニア』

映画2026年2月21日

『クライム101』(2月13日公開)  米西海岸線を走るハイウェー101号線上で、数百万ドルの宝石が消える強盗事件が多発。デービス(クリス・ヘムズワース)の4年間にも及ぶ犯行は完璧だったが、犯罪組織からの追跡や警察内部の陰謀、そしてルー刑事 … 続きを読む

【物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家ストーリー】(12)道明寺天満宮と歴史の英雄たち ~野見宿禰、白太夫、そして道真~

舞台・ミュージカル2026年2月19日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。     ▼相撲 … 続きを読む

小林聡美、名作ドラマ「岸辺のアルバム」 舞台化は「今の時代も共感できる」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年2月19日

 小林聡美が主演する舞台「岸辺のアルバム」が、4月3日から上演される。本作は、数々の名作ドラマを世に残した山田太一が原作・脚本を務め、1977年に放送された連続ドラマを舞台化。一見平和で平凡な中流家庭の崩壊と再生を描く。ドラマでは八千草薫が … 続きを読む

「豊臣兄弟!」第6回「兄弟の絆」 序盤の集大成となった小一郎必死の説得【大河ドラマコラム】

ドラマ2026年2月17日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=小一郎/仲野太賀)が、兄・秀吉(=藤吉郎/池松壮亮)を支え、兄弟で天下統一を成し遂げるまでの軌跡を描く物語は快調に進行中。2月15日に放送された第6回「兄弟の絆」 … 続きを読む

名取裕子「“ぜひ友近さんと”とお願いして」友近「名取さんとコンビでやっていきたい」2時間サスペンスを愛する2人が念願のW主演『テレビショッピングの女王 青池春香の事件チャンネル』【インタビュー】

映画2026年2月16日

-本作を経験して、2時間サスペンスの魅力をどのように感じましたか。 名取 普遍的な人間の心情を描きながらも、泣いて、笑って、手に汗握って、リラックスしながら見られるところが一番の魅力ですよね。「何番目に名前が出る俳優が犯人だ」とか、だいたい … 続きを読む

Willfriends

page top