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舞台「シラの恋文」(撮影:宮川舞子)
皆さん今、コロナを乗り切ったという同じ経験を持っていますが、そうしたことも舞台上で思い出して、リアルな気持ちが湧いてくるんですよ。もしかしたら、また恐ろしいことが起こるということもあるのかなと、ハッとするような脚本だと思います。もちろん、この作品自体はフィクションですが、その中にも胸がザワザワしてしまうシチュエーションがあって、例えば、サナトリウムで結核になられた方が肩を寄せ合いながら畑仕事をするという姿も現実にあるのかなと思ってしまうと、より役に入り込めます。
今、僕たちが普通にクリスマスや年末年始を過ごせるというのは、改めて考えると素晴らしいことですよね。ただ、裏を返せば死は誰にでも平等にあるもので、いつ訪れるか分からないものでもある。そう考えると、日常の中の幸せやちょっとしたことがかけがえのない時間なんだなということを、今一度、僕に教えてくれているように思います。
演出の寺十吾さんから「志羅は人の話を引き出すような何かの力がないといけない」と言われていたので、どこかはかなげで、浮世離れしているところがあるのではないかと思い、そう演じたいと思っています。自分の死に対しても客観視していて、不思議な雰囲気がある。実際に、なぜかこの人には話しやすい人っていると思うんですよ。そういうイメージで演じています。
皆さんチームワークが良くて、真面目で優しくて、なんでこんなに嫌な人がいないんだろうと思うカンパニーでした(笑)。僕は恵まれていて、周りに嫌な人がいないんですよ。一人くらい嫌な人がいた方が面白くなるのにと思うくらい、いい人ばかり。(今回のカンパニーのメンバーは)だしやリンゴや食べ物をいろいろくださるんです(笑)。だから、稽古していると食料に困らないんです(笑)。ずっとこの舞台をやっていたいな。
2023年はたくさんの役を演じることができて、幸せ満開の春がきたという感じでした。舞台も映画もドラマも、演じるということに関しては全て網羅できてしまったので、すごく幸せでした。良いものをたくさんみんなから受けて、拾わせていただいたので、2024年も焦らず、コツコツと進んでいけたらと思います。2023年に受けた良いものを自分の中で開花させる1年になればと思うので、頑張ります。
舞台・ミュージカル2025年7月18日
-「違和感を持ち帰ってほしい」ということですが、今の世の中、「分からないもの」は何かと切り捨てられがちです。その点については、どのようにお考えでしょうか。 まず、僕自身は分からないものを提示しているつもりはありません。だから、その人の中で … 続きを読む
映画2025年7月18日
『「桐島です」』(4日公開) 1970年代に起こった連続企業爆破事件の指名手配犯で、約半世紀におよぶ逃亡生活の末に病死した桐島聡の人生を高橋伴明監督が映画化。 桐島が逃亡中に何を考えどういう生活を送っていたのかは想像するしかない。だから … 続きを読む
イベント2025年7月14日
-先ほどグルメの話がちょっと出ましたが、台湾で撮影中の思い出とかエピソードがあれば。 台湾におじゃまさせていただいたのは、映画『テルマエ・ロマエ』の撮影以来2回目だったんですが、とにかくスタッフのみなさんと和気あいあい撮影が … 続きを読む
映画2025年7月11日
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映画2025年7月10日
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