米倉涼子さん、ブロードウェーミュージカル「CHICAGO(シカゴ)」に主演

2012年7月6日 / 16:30

稽古でも真剣な表情を見せた

英語で演じることによって、私のロキシーが見えてきた

Q 英語で新しい視点を得たということで、演じるロキシーに対する解釈が変わったということはありますか。

A 全然違いました。一般的な日本人が考える“かわいらしさ”とか“セクシーさ”は、(欧米人と)求めていることが違うと思う。日本だとガーリーで、目をパチパチさせたり、守ってあげたくなるような女性を見て“かわいい”と思うかもしれませんが…。外国人の子どもって、小さいときから髪をかき上げるしぐさひとつとってもセクシーでしょ。日本版のロキシーを演じていた時に、一生懸命内股にして、声もちょっと高めにして「こわぁい」なんて、私ではあり得ないようなキャラクター作りに徹していたんですけど、今回はそれをやめてみて、アラフォーの大人らしく、それなりに“自分は女なんだ”っていうものをアピールすることによって、すごく解放されて、歌と踊りとせりふと芝居がすごく楽になって、肩の荷が下りました。こうしなきゃいけないというのはない。いくら私が日本版的なロキシーを演じても、ただの若い子にしか見えないから、私らしいロキシーを演じてもいいのかなって思えるようになりました。それからは、すごく楽しくなりました。いろんな方が演じたロキシーがありますが、私にとってのロキシーがカチッとはまった感じがしています。ただ、ニューヨークへ行ったら、すべて崩されてしまう可能性もありますけどね。

Q 英語の発音を正しくするためにやっていることを教えてください。

A 初めは、とにかく、言う。今では、何が苦手なのか分かっているので、HERとかAREとか、子どものころから言っている簡単な単語なのに駄目。LもRも大変なんですけど…。アムラさん(ヴェルマ・ケリー役のアムラ・フェイ・ライト)が、私のためにダビングして録音したものをずっと聞いていました。

Q ブロードウェーの舞台に立つ日も近づいてきましたが、イメージできていますか。

A イメージトトレーニングはしたいんだけれども、どうも苦手で、やっていません。

Q 演じるのではなかったけれど、実際にブロードウェーの舞台に立ったことがあるんですよね。

A 2年前に1回だけ、5分ぐらいですけどね。すっごく、狭く感じました。日本のアクトシアターでやっていた時に比べたら、バックステージがすごく狭くて、自分がふらふらするような場所がないんですね。本当はいろんな所から(上演中の舞台を)のぞいたりしたいんですけど、自分の出番のぎりぎりまでどこにいたらいいんだろう、舞台上にいるときはいいけれど、はけているときはどこにいたらいいんだろうという不安はあります。

Q 観客のレベルとか、厳しい意見も覚悟していると思いますが…

A いま、それを考えても仕方がないので、実際に舞台に立ってシーンとしていたら“あー、私の舞台は、まだまだなんだな”って思うし、まぁ、そうならないように頑張っているんですけど…、覚悟はしています。でも、せっかく出られるんですし、人生においてこのようなチャンスが得られるのはなかなかないことですし、無駄にしないように、カッコよく言えば謳歌したい。緊張するのは百二十%なので、緊張する中で今までやってきたことが無意識に出せるように、練習するしかないんです。やったことのないことですから。リハーサルとかゲネプロ(公開稽古)とか(現地で)やらせてもらえないみたいだし、全体を通して演じるのは、ほぼ、ぶっつけ本番のようなので、誰が何役なのか分からないまま演じなくてはならない状態。舞台に立ったら、頭の中が真っ白になってしまうかもしれないけど、そうならないようにしたい。私のど根性でやるしかない。自分のことだけを考えて立ちたいと思います。


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【週末映画コラム】映画館の大画面で見るべき映画『猿の惑星/キングダム』/“お気楽なラブコメ”が久しぶりに復活『恋するプリテンダー』

映画2024年5月10日

『猿の惑星/キングダム』(5月10日公開)    今から300年後の地球。荒廃した世界で高い知能と言語を得た猿たちが、文明も言語も失い野生化した人類を支配していた。そんな中、若きノア(オーウェン・ティーグ)は、巨大な帝国を築く独裁 … 続きを読む

「場所と人とのリンクみたいなのものを感じながら見ると面白いと思います」今村圭佑撮影監督『青春18×2 君へと続く道』【インタビュー】

映画2024年5月9日

 18年前の台湾。高校3年生のジミー(シュー・グァンハン)はアルバイト先で4歳年上の日本人バックパッカーのアミ(清原果耶)と出会い、恋心を抱く。だが、突然アミの帰国が決まり、落ち込むジミーにアミはあることを提案する。現在。人生につまずいた3 … 続きを読む

田中泯「日本の政治に対する僕自身の憤りに通じる部分も多かった」世界配信となる初主演のポリティカル・サスペンスに意気込み「フクロウと呼ばれた男」【インタビュー】

ドラマ2024年5月9日

 あらゆるスキャンダルやセンセーショナルな事件を、社会の陰に隠れて解決してきたフィクサー、“フクロウ”こと⼤神⿓太郎。彼は、⼤神家と親交の深かった次期総理候補の息⼦が謎の死を遂げたことをきっかけに、政界に潜む巨悪の正体に近づいていくが…。先 … 続きを読む

海宝直人&村井良大、戦時下の広島を舞台にした名作漫画をミュージカル化 「それでも生きていこうというエネルギーをお見せしたい」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2024年5月9日

 太平洋戦争下の広島県呉市に生きる人々の姿を淡々と丁寧に描いた、こうの史代氏による漫画「この世界の片隅に」がミュージカル化され、5月9日から上演される。主人公の浦野すず役をWキャストで務めるのは、昆夏美と大原櫻子。すずが嫁ぐ相手の北條周作を … 続きを読む

「ジョンは初恋の人、そしてかけがえのない友達」『ジョン・レノン 失われた週末』メイ・パン【インタビュー】

映画2024年5月9日

 ジョン・レノンとオノ・ヨーコ夫妻が別居していた「失われた週末」と呼ばれる、1973年秋からの18カ月の日々。その時ジョンは、彼とヨーコの元・個人秘書で、プロダクション・アシスタントを務めていた中国系アメリカ人のメイ・パンと恋人関係にあった … 続きを読む

Willfriends

page top