吉岡里帆「一つの映画やドラマで人生が変わることもある」 脚本家役を演じたミステリーの現場で感じたその力「連続ドラマW 湊かなえ『落日』」【インタビュー】

2023年9月9日 / 09:41

吉岡里穂(HM:北原 果 KiKi inc./スタイリスト:安藤真由美 スーパーコンチネンタル)(C)エンタメOVO

 9月10日(日)午後10時からWOWOWで放送・配信スタート(第1話無料放送)となる「連続ドラマW 湊かなえ『落日』」(全4話)に出演する吉岡里帆。湊かなえのミステリー小説を原作にした本作で演じるのは、主演の北川景子扮(ふん)する映画監督・長谷部香と共に映画製作のため、15年前に起きた“笹塚町一家殺害事件”の真相を探っていく新人脚本家・甲斐真尋だ。吉岡は俳優として、身近な世界を舞台にした本作を通じてどんなことを感じたのか。その思いを聞いた。

-ある事件を映画化しようとする主人公・長谷部香と甲斐真尋の気迫あふれる物語に引き込まれます。真尋役を演じる上で、心掛けたことは?

 北川さん演じる香と真尋が手を組み、事件の映画化を通じてそれぞれのトラウマを乗り越え、希望を見いだしていく構図になっているのですが、その関係がとてもすてきなんです。相反する2人なのに、心の奥底でつながるような繊細さがあって。だから、演じるに当たっては2人の対比を大事にして、香の強さや格好良さ、包容力が引き立つように、真尋は前に進むことができず、停滞している雰囲気を心掛けました。

-吉岡さんは映画の街・京都の太秦育ちで、子どもの頃から映画を身近に感じてきたと思いますが、映画製作を題材にした本作に共感する部分はありましたか。

 「映画を信じている」という香のせりふにすごく共感しました。私自身、この仕事をするようになってから、映画の現場でもの作りをする人たちと出会うようになり、皆さんのワンカットずつ真摯(しんし)に撮っていく姿に、ぐっとくるものがあるんです。私もその一員になれたという誇りは今も強く持っています。だから、「映画を信じる」って、いい言葉だなと。

-子どもの頃を思い出すようなことも?

 私が育った地域では、かつては今より盛んに映画が撮影されていて、時代劇もたくさんあったそうです。子どもの頃は、近所のお店で侍の格好をした役者さんが休憩している姿もよく見かけましたし、映画村にあるお化け屋敷は本職の役者の方がお化けを演じているらしく、怖さが半端じゃなくて(笑)。当時はそれが当たり前だと思っていましたが、今考えると、恵まれた環境だったなと。

 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

前田旺志郎「世の中に関心を持つ大切さに気付いた」窪塚愛流「止まっていた時間が動き出した」初共演の2人が福島原発事故を題材にした映画で感じたこと『こんな事があった』【インタビュー】

映画2025年9月16日

 東日本大震災から10年後の福島を舞台に、原発事故で引き裂かれた家族と青春を奪われた若者たちの姿を描いた『こんな事があった』が9月13日から全国順次公開中だ。監督・脚本は、『追悼のざわめき』(88)などで日本のみならず世界の映画ファンから支 … 続きを読む

グイ・ルンメイ、真利子哲也監督「お互いが思い合うからこそすれ違う。でもそこには愛があるという家族の形を描きたかった」『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』【インタビュー】

映画2025年9月12日

 ニューヨーク・ブルックリンで暮らすアジア人夫婦を主人公に、息子の誘拐事件をきっかけに夫婦の秘密が浮き彫りとなり家族が崩壊していく姿を、全編NYロケで描いた『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』が、9月12日から全国公開され … 続きを読む

【物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家ストーリー】(3)無鉄砲小僧、恐れを知らぬ行動力

舞台・ミュージカル2025年9月12日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 ▼無鉄砲小僧、恐れを知らぬ行動力 … 続きを読む

北村匠海 連続テレビ小説「あんぱん」は「とても大きな財産になりました」【インタビュー】

ドラマ2025年9月12日

 NHKで好評放送中の連続テレビ小説「あんぱん」。『アンパンマン』を生み出したやなせたかしと妻・暢の夫婦をモデルにした柳井のぶ(今田美桜)と嵩(北村匠海)夫婦の戦前から戦後に至る波乱万丈の物語は、ついに『アンパンマン』の誕生にたどり着いた。 … 続きを読む

中山優馬「僕にとっての“希望”」 舞台「大誘拐」~四人で大スペクタクル~の再始動で見せるきらめき【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年9月11日

 中山優馬が主演する舞台「大誘拐」~四人で大スペクタクル~が10月10日に再始動する。本作は、天藤真の小説「大誘拐」を原作とした舞台で、2024年に舞台化。82歳の小柄な老婆が国家権力とマスコミを手玉に取り、百億円を略取した大事件を描く。今 … 続きを読む

Willfriends

page top