エンターテインメント・ウェブマガジン
「ピアフ」や「GYPSY」など、舞台作品で多くの観客を魅了し、ドラマ「PICU 小児集中治療室」や「犬神家の一族」など、数々のドラマでも存在感を発揮する大竹しのぶ。6月24日から開幕する舞台「ヴィクトリア」では、21年ぶりに一人芝居に挑む。大竹に作品への意気込みや演じることへの思いを聞いた。
一人芝居だからというよりも、まず最初に(イングマール・)ベルイマンが書いた台本に興味を持ちました。その後に、改めてこれを一人でやるんだと驚いたのですが、興味を持ってしまったからどうしようと(笑)。
もちろん最初にプロデューサーさんから「一人芝居をやりたい」というお話をお伺いして、それで「とにかく読んでみます」と言って読み始めたのですが、読み始めたら一人で演じるということを意識せずに読んでしまって…。今になって、ひしひしと一人芝居なんだと恐怖を感じているところです。
ヴィクトリアという一人の女性の人生を描いている作品です。彼女の人生が狂っていくさまが悲しいなと思いながら読んだのですが…、今日、こうして取材を受けていて、こんな悲しい話を、誰が見たいんだろうと思い始めました(笑)。なので、よっぽど(演出の)藤田(俊太郎)くんが頑張ってくれないと(笑)。ただ、21年前に出演した(一人芝居の)「売り言葉」という作品は、不安もありましたがすごく楽しかったので、また一人芝居にトライできることはとてもうれしいです。
(取材当時は)まだお稽古に入ってないので、どういうイメージになるか分かりませんが、(一人芝居は)相手役との呼吸ではなく、自分で呼吸を作れるので、いいも悪いも自分の責任になる。一人で作れるという意味では楽な部分もありますし、面白いところでもあります。21年前は、(本番で)一人でその世界になってしまって、勝手に演じているのを見てもらえるのが楽しかったです。どんどん入り込んでいくのをお客さんはただ見ている。付いてきたい人は付いてくればいいという感覚でした(笑)。
藤田さんは蜷川(幸雄)さんの演出助手をやっているときから知っているので、俊太郎!という感じです(笑)。何度か泣かせてしまったこともあります(感激の涙を含めて)。今は彼の困った顔しか浮かんでこないですね(笑)。2人で必死になって道を見つけていこうと思います。
共感というのはないです。ただ、悲しい人だなと。愛されることに自信が持てず、弱くてプライドが高くて…。劇中に「ここは現実の世界じゃないんだ」というせりふがあるのですが、すごく悲しいせりふだと思うんです。ここは現実じゃない、つまり逃避するということだと思うのですが、それで楽になってしまうのがこのヴィクトリアで、「欲望という名の電車」で演じたブランチにも通じるものを感じています。
精神が崩壊していくというのは、現実に起こったら嫌ですが、お芝居の中だとすごく面白いんですよ。自分とかけ離れていればいるほど、その面白さはあるように思います。とても繊細な、まるで1ミリくらいの隙間を見つけながらお芝居をしていくチリチリした感覚があって、それを観客の皆さんと一緒に味わうのも好きです。
舞台・ミュージカル2024年11月20日
ドラマ・映画・舞台と数多くの作品で活躍する生駒里奈が、ストーリー性のある演劇的な世界観をダンスとJ-POPで作り上げるダンスエンターテインメント集団「梅棒」の最新作、梅棒 19th GIFT「クリス、いってきマス!!!」に出演する。生駒に … 続きを読む
ドラマ2024年11月17日
毎週月曜夜10時からカンテレ・フジテレビ系で放送している、ドラマ「モンスター」。趣里演じる主人公・神波亮子は、“高校3年生で司法試験に合格した”人物で、膨大な知識と弁護士として類いまれなる資質を持つ“モンスター弁護士”という設定。しかし今 … 続きを読む
映画2024年11月15日
韓国発の大ヒットWEBコミックを日本で映画化したサスペンスホラー『他人は地獄だ』が、11月15日から公開された。 地方から上京した青年ユウが暮らし始めたシェアハウス「方舟」。そこで出会ったのは、言葉遣いは丁寧だが、得体のしれない青年キリ … 続きを読む
ドラマ2024年11月15日
NHKで好評放送中の大河ドラマ「光る君へ」。11月10日に放送された第四十三回「輝きののちに」では、三条天皇(木村達成)の譲位問題を軸に、さまざまな人間模様が繰り広げられた。 病を患い、視力と聴力が衰えた三条天皇に、「お目も見えず、お耳 … 続きを読む
映画2024年11月15日
古代ローマを舞台に、皇帝の後継者争いの陰謀に巻き込まれ、剣闘士(グラディエーター)として壮絶な戦いに身を投じる男の姿を描いたスペクタクルアクション『グラディエーター』。巨匠リドリー・スコットが監督し、アカデミー賞で作品賞や主演男優賞など5 … 続きを読む