永山絢斗、10年ぶりの宮藤官九郎作・演出の舞台出演に「開き直って今回は突っ走る」【インタビュー】

2023年4月8日 / 08:00

 映画『#マンホール』、映画『東京リベンジャーズ』シリーズ、ドラマ「リバーサルオーケストラ」と、次々に話題作に出演し、宮藤官九郎作のドラマにも多く出演している実力派俳優の永山絢斗。宮藤作・演出の舞台として、「大パルコ人(2)バカロックオペラバカ『高校中パニック!小激突!!』」以来、約10年ぶりの出演となる「ウーマンリブvol.15『もうがまんできない』」では、お笑いコンビ「ずっと待ってるズ」のボケ担当、隅田太陽役を演じる。永山に本作への意気込みや見どころなどを聞いた。

永山絢斗(ヘアメーク:ShinYa(PRIMAL)/スタイリスト:檜垣健太郎(tsujimanagement)) (C)エンタメOVO

-約10年ぶりの宮藤さん作・演出作品への出演となりますが、出演が決まったときの心境は?

 相変わらず舞台には苦手意識があったんです。ですが、2020年の舞台「十二人の怒れる男」では、コロナ禍で不完全燃焼だったこともあって、久しぶりに宮藤さんをはじめ皆さんの顔を見たいという気持ちもありましたし、10年がたって、少し自分の意識も変わってきたので、いいタイミングで声を掛けていただいたと思って二つ返事でお受けしました。

-舞台には苦手意識があるとのことですが、稽古に入っていかがですか。

 稽古に入る段階でもう前回とは意識が全く違いますし、毎日、笑っている稽古場で、本番が楽しみです。稽古では、少しずつ宮藤さんの細かい注文が増え始めたぐらいで、さすがの着眼点で、思いもしてないことを言われたりするんです。本番が始まってからもそうでしょうけど、改めて気付く前振りになっているせりふもたくさんあって、そういうところを指摘してもらっています。

-本作の見どころは?

 とにかくもう笑いっ放しで、稽古で自分のせりふを言って爆笑しちゃっています(笑)。とにかく笑える作品であることは間違いないです。舞台の上手と下手でいろいろと物語が展開するので、僕が立っている反対側へ物語が移ったときに、自分は邪魔にならないような動きをしなければと思うんですけど、一言だけのせりふを挟んだりもするので、突っ立っているわけにもいかないんです。ですが、稽古では僕の立っている側と反対側に芝居が移ったら、観客のように見て笑っています(笑)。

-本作は、ウーマンリブvol.14として20年に上演予定でしたが、コロナ禍で中止後に無観客で収録・放送されたという作品の再上演です。前作との違いを感じるところはありますか。

 映像を見ましたが、本作は日々台本が変っているので、別物になっているように思います。前回、僕の役を演じていた要潤さんがどう演じていたか気になりはしますけど、できるだけ見ないようにしています。全ての公演が終わったら見るつもりです(笑)。

-演じる役柄についての印象は?

 お笑い芸人で、笑いに関しては人一倍考えているつもりなんだけど、どこか無責任で、あくまでも自分はばかじゃなくて、あえてばかをやっているんだと言っているばかです(笑)。それこそ僕もちょっと意識的にばかをやるというか、宮藤さんにいじられているんじゃないかなと思うぐらいの役です。

-本作の取材会で、宮藤さんは「絢斗くんの、力いっぱいばかなことをやってくれるところがすごく好き(笑)」とおっしゃっていました。

 僕はもう本当にばかだと思われています。悔しいですけど(笑)。だから、開き直って今回は突っ走ろうかなと思っています。(仲野)太賀くんがいるので、安心して僕はふざけていこうと思います(笑)。

-お笑いコンビの相方としてツッコミを担当する仲野さんの印象は?

 映画で一度だけ共演したときは、そんなにお話ができなかったので、今回、改めてという形ですが、すごくいい人です(笑)。非の打ちどころがないというか、駄目なところが一つもないように感じますし、優しいですし、人にもすごく気を使いますし、努力もしていて賢いですし、芝居も上手です。完璧過ぎて悔しいです(笑)。

-大絶賛ですね。稽古場では仲野さんとどう接していますか。

 別に変な距離を感じることもないですけど、まだ稽古の話ばかりで、そんなにプライペートの話はできていないです。少し稽古が落ち着いたら、家も近所なのでご飯を一緒に食べようよ、という話もしています。

-実際の永山さんはボケとツッコミのどちらですか。

 ツッコムことはできないです。ボケているほうだと思います。

-仲野さんから、普段でもツッコミを受けたりとか?

 いや、そんなことはさせません(笑)。

-仲野さんはボケとツッコミのどちらですか。

 まだ素の部分が見えたりはしてないんですけど、どっちもな気がします。素晴らしい役者さんなので、僕が何をしても大丈夫です。年下ではありますけど、経歴は太賀くんが上なので、先輩に胸を貸してもらいます(笑)。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

二宮和也「子どもたちの映画館デビューに持ってこいの作品です」『シナぷしゅ THE MOVIE ぷしゅほっぺダンシングPARTY』【インタビュー】

映画2025年5月17日

 テレ東系で毎週月~金、朝7時30分から放送中の乳幼児向け番組「シナぷしゅ」の映画化第2弾。番組のメインキャラクター「ぷしゅぷしゅ」と相棒「にゅう」が、バカンスで訪れた「どんぐりアイランド」を舞台に繰り広げる冒険をオリジナルストーリーで描き … 続きを読む

【週末映画コラム】異色ホラーを2本 デミ・ムーアがそこまでやるか…『サブスタンス』/現代性を持った古典の映画化『ノスフェラトゥ』

映画2025年5月16日

『サブスタンス』(5月16日公開)  50歳の誕生日を迎えた元人気女優のエリザベス・スパークル(デミ・ムーア)は、容姿の衰えによってレギュラー番組を降ろされたことから、若さと美しさと完璧な自分が得られるという、禁断の再生医療「サブスタンス= … 続きを読む

新原泰佑、世界初ミュージカル化「梨泰院クラス」に挑む「これは1つの総合芸術」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年5月16日

 世界中で大ヒットを記録した「梨泰院クラス」が、初めてミュージカル化される。主人公のパク・セロイを演じるのは小瀧望。日本・韓国・アメリカのクリエーターが集結し、さまざまな人種が混じり合う自由な街・梨泰院で権力格差や理不尽な出来事に立ち向かう … 続きを読む

グレッグ・ターザン・デイビス「とにかく、ただ純粋に面白い映画を撮ることだけが、自分たちに与えられたミッションでした」『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』【インタビュー】

映画2025年5月15日

 トム・クルーズ主演の大ヒットスパイアクション「ミッション:インポッシブル」シリーズの第8作『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』が、5月23日の公開に先駆けて17日から先行上映される。前作『ミッション:インポッシブル/デッ … 続きを読む

研ナオコ、認知症のおばあちゃん役で9年ぶりの映画主演「主演女優賞を狙ってます(笑)」岡﨑育之介監督「研さんの人生の奥行きがにじみ出た」『うぉっしゅ』【インタビュー】

映画2025年5月12日

 人生に迷いながらソープ嬢として働く若い女性・加那と、彼女に介護されることになった認知症の祖母・紀江の交流を明るくポップなタッチで描いたユニークな映画『うぉっしゅ』が絶賛公開中だ。  本作で、加那を演じる若手注目株の中尾有伽と共に、紀江役で … 続きを読む

Willfriends

page top