大貫勇輔&小野田龍之介&木村達成、ミュージカル「マチルダ」トリプルキャストで挑む憎まれ役【インタビュー】

2023年3月21日 / 08:00

 英国ロイヤル・シェークスピア・カンパニーが2010年に制作し、瞬く間にウエストエンドで最も人気のある作品となったミュージカル「マチルダ」が、日本オリジナルキャストで初上演される。本作は、高い知能と豊かな想像力を持った少女・マチルダが、持ち前の頭脳と不思議な力で理不尽な仕打ちをする両親や校長先生たちに立ち向かっていく姿を描く。怪力の持ち主で、暴力で学校を支配しているミス・トランチブルをトリプルキャストで演じる大貫勇輔、小野田龍之介、木村達成に本作の見どころを聞いた。 

(左から)大貫勇輔、小野田龍之介、木村達成 (ヘアメーク:エムドルフィン) (C)エンタメOVO

-3月22日の開幕に向け、現在稽古中だと思いますが、稽古をしていて感じていることを教えてください。

大貫 トランチブルは、情緒がおかしいところがあり、理解に苦しむところも多いのですが、稽古を重ねる中で、いい意味で奇妙なせりふに面白さを感じています。本当によくできた、ミュージカルらしいミュージカルなので、稽古段階から、これは面白い作品になると確信しています。

小野田 とにかく稽古の進むスピードが早いので、われわれ日本チームは海外のクリエーティブチームに付いていくのに必死です。全ての音や動きが厳密に決まっているので、それを的確にやらなければいけないのは大変ですが、バチッとハマったときは言葉に表せないぐらいの高揚感とワクワク感が作品に生まれることを感じました。こうした高揚感の連続がこの作品の感動や衝撃を生み出していることをひしひしと感じながら、日々、稽古に臨んでいます。

木村 僕は、久しぶりのミュージカルということもあり、「こんなに覚えることがあったっけ?」と頭をフル回転しながら取り組んでいます。なので、いっぱいいっぱいです(笑)。マチルダ役の子どもたちはものすごい熱量で臨んでいるので、僕たち大人が負けられないと思いながら稽古に励んでいます。

-現在、演じる上で意識していることは?

 大貫 クリエーティブスタッフから、トランチブル校長は言葉にすごくこだわりがあって、かみ締めながら話していると演出を受けたので、言葉の持つパワーを大切にしたいと思っています。この作品は、ロイヤル・シェークスピア・カンパニーが制作した作品だけに、やはり言葉というのはとても重要なのだと思います。シェークスピアのお芝居のせりふって、すごく心地いいじゃないですか。あのニュアンスが出せたらいいなと思っています。

小野田 この作品に限ったことではありませんが、それぞれの役をリアルに生きるということは第一に考えているところです。それから、この作品の原作は児童文学なのですが、本には挿絵があって、それらの挿絵はマチルダから見た大人の姿が描かれています。とても劇画的に描かれているのですが、その挿絵を大事に、そして言葉回しも動きもとにかく大胆に動きたいと思います。マチルダから見たトランチブルはすごくヒステリックで非常に威圧感のある人物だと思いますが、そうしたトランチブルを三者三様に作っていけたら面白いと思っています。

木村 僕はまだ現時点では形にとらわれているので、まずはその形が決まらないとかなとは思います。ただ、トランチブルの姿勢の保ち方や子どもたちに対するフォーカスの当て方はつねに頭の中に置いて演じるようにしています。何にせよ、お客さまからも子どもたちからもどう見られるかが大切だと思うので、どう見られているのかを意識しながら演じたいと思います。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【映画コラム】時空を超えた愛の行方は『楓』『ビューティフル・ジャーニー ふたりの時空旅行』『星と月は天の穴』

映画2025年12月20日

『楓』(12月19日公開)  須永恵と恋人の木下亜子は、共通の趣味である天文の本や望遠鏡に囲まれながら幸せな日々を送っていた。しかし実は本当の恵は1カ月前にニュージーランドで事故死しており、現在亜子と一緒にいるのは、恵のふりをした双子の兄・ … 続きを読む

北香那「ラーメンを7杯くらい食べたことも」天野はな「香那ちゃんのバレエシーンは見どころ」 「ラーメン」と「クラシック・バレエ」が題材のコメディーで共演 NHK夜ドラ「替え玉ブラヴォー!」完成会見

ドラマ2025年12月19日

 12月19日、東京都内のNHKで、1月5日からスタートする夜ドラ「替え玉ブラヴォー!」の完成会見が行われ、主人公・千本佳里奈(ちもと かりな) 役の北香那、佳里奈の親友・二木優美(ふたぎ ゆみ) 役の天野はながドラマの見どころを語ってくれ … 続きを読む

【物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家ストーリー】(9)浅間神社で語る「厄よけの桃」

舞台・ミュージカル2025年12月18日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。  前回は、玉田家再興にあたり「三つ … 続きを読む

石井杏奈「人肌恋しい冬の季節にすごく見たくなる映画になっています」『楓』【インタビュー】

映画2025年12月17日

 須永恵(福士蒼汰)と恋人の木下亜子(福原遥)は、共通の趣味である天文の本や望遠鏡に囲まれながら幸せな日々を送っていた。しかし実は本当の恵は1カ月前にニュージーランドで事故死しており、現在、亜子と一緒にいるのは、恵のふりをした双子の兄・涼だ … 続きを読む

染谷将太 天才絵師・歌麿役は「今までにない感情が湧きあがってきた」 1年間を振り返る【大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」インタビュー】

ドラマ2025年12月15日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」。“江戸のメディア王”と呼ばれた“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く物語も、残すは12月14日放送の最終回「蔦重栄華乃夢噺(つたじゅうえいがのゆめばなし)」の … 続きを読む

Willfriends

page top