三浦貴大「“Winny事件”のイメージがガラッと変わりました」不当逮捕と戦った弁護士役を熱演『Winny』【インタビュー】

2023年3月10日 / 08:00

-最終的に映画はほろ苦い結末を迎えます。映画の宣伝文句に「不当逮捕から無罪を勝ち取った7年の道のり。」とあるように、ハッピーエンドを予想していたので意外でした。

 「裁判に勝ってよかった」という気持ちはもちろんあります。ただそれ以前に、壇先生には「そもそも逮捕すべきではなかった」という、金子さんほどの技術者が7年も拘束されてしまったことへの憤りがあったと思うんです。7年あったら、どれだけ技術が進んでいたのかと。だから、「勝ってよかった」という終わり方にしなかったことは、僕自身もすごく納得できました。

-この映画を通じて“Winny事件”の見方が変わった部分はありますか。

 劇中にも出てきますが、インターネット上で金子さんの逮捕を疑問視する意見があったことは僕も知っていました。ただそれは、あくまでも一部で、世間の大勢を占めるのは、やっぱりテレビなどマスコミの報道だったんです。一度“容疑者”と報道されてしまうと、どうしてもそういう目で見てしまうので、僕も「報道の方が正しいのかな」と何となく思っていましたから。でも実際は、金子さんが1人の人間、1人の素晴らしい技術者だったことを知ることができ、そういうイメージはガラッと変わりました。

-金子勇という人が、単なる事件の容疑者から1人の人間として浮かび上がってきたと?

 そうですね。僕もIT技術にはすごく興味があるので、本当ならもっと新しい技術を開発していたであろう人が、この裁判で何年も拘束され、早くに亡くなってしまったことをとても残念に思いました。でも同時に、金子さんが時代を先取りした技術者だったと知ることができたのは、本当にうれしかったです。

(取材・文・写真/井上健一)

(C)2023映画「Winny」製作委員会

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

門脇麦、「芝居に対してすごく熱い」田中圭と夫婦役で5度目の共演 舞台「陽気な幽霊」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年4月2日

-ところで、門脇さんは映像作品でもご活躍されていますが、舞台に立たれることに対してはどのような思いがありますか。  気持ちの面では変わらないですが、舞台はカメラが寄ってくれるわけではないので、声や体の所作で伝えなければいけないと思います。映 … 続きを読む

今田美桜「『アンパンマン』のように、幅広い世代に愛される作品に」連続テレビ小説「あんぱん」いよいよスタート!【インタビュー】

ドラマ2025年4月1日

-高知県の「やなせたかし記念館 アンパンマンミュージアム」も訪問されたそうですね、  「アンパンマンミュージアム」には二度伺いました。どちらの日も親子連れでいっぱいで、改めて『アンパンマン』という作品が幅広い世代に愛されていることを知り、「 … 続きを読む

坂本昌行&増田貴久がミュージカルで初共演「笑顔になって、幸せになって帰っていただけたら」 ミュージカル「ホリデイ・イン」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年4月1日

-なるほど。では、坂本さんは増田さんのテッド、増田さんは坂本さんのジムについてはどんな印象がありますか。 坂本 テッドは一見すると自分の意見を押し通して歩んでいるように見えるけれども、実は周りを自然と幸せにしたり、勇気づけたりするタイプの役 … 続きを読む

藤原竜也が挑む「マクベス」 「1日1日、壁を突破することが目標」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年3月29日

-では、鋼太郎さんの演出の魅力はどこに感じていますか。  鋼太郎さんらしい的確に丁寧な演出をつけてもらえるので、われわれとしてはやりやすいです。尊敬していますし、シェークスピア作品の演出家としてこの方の右に出るものは今、日本にはいないんじゃ … 続きを読む

竈門炭治郎を演じる阪本奨悟が語る、舞台「鬼滅の刃」の魅力 「生身の人間が演じているからこそ、リアルに共感できる」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年3月28日

-炭治郎のどんなところに魅力を感じていますか。  優しいところです。言葉にするとすごく薄っぺらく感じますが、僕だったら自分の家族が殺されたら恨み殺してやると思ってしまうかもしれません。心が歪んでしまってもおかしくない状況なのに、炭治郎は純粋 … 続きを読む

Willfriends

page top