エンターテインメント・ウェブマガジン
松山 救いは、その立場の人の都合でしかないので、何とでもいえると思います。ただ、間違えなくいえるのは、今起きている介護殺人の多くが、決して殺したくて殺したわけではなくて、愛情があるから、愛している人をきちんとみとってあげたいという思いの中で、生じてしまったものだということです。
介護殺人を犯して刑務所に入った人のインタビューなどを見ていると、やっぱりみんな泣いているんです。「誰が殺したくて殺すんだ」というような、悔しさや悲しさ、怒り、そういうものがすごく混じっているんです。けれども、何とか踏みとどまっている人たちはもっとたくさんいると思います。その人たちに対して 斯波というキャラクターを通して、何かを表現していきたいということは思っていました。
長澤 答えのない答えが正しいのかなと。きれいごとではないので、「こうだったんですよ。終わり」というものではないし、殺してしまった人は、罪を償うために、まだ生き続けなければならない。そうなったときに、その人の人生がそこで終わってしまうわけでもない。その先を考えなければならない。だから、そのことが起きた、判断した、そこで終わりではないということです。結果が出たことが全てではなくて、その先がどうなるかというのが、ずっと続いていくので、答えをこれからも模索し続けることが大切なことのように思います。
松山 (鈴鹿)央士くん事件ですね(笑)。(大友の助手役の椎名が)斯波の供述を聞いて思わず涙してしまうというカットを撮ろうとしたときに、監督がいきなりパソコンを持ってきて、「これ、斯波とお父さんのシーン。これで泣けるよね」と。それで、監督が「ヨーイ、ハイ」って言ったら、央士くんが「すみません。泣けません」と(笑)。僕らは「そりゃそうだよね」と思ったという事件がありました。
監督には「よくあれで泣けると思いましたね」と言ったのですが、あの重苦しい空気の中でパソコンを出されて…というのは僕でも無理です。監督には、たまに無邪気さからくる天然な部分もあるんです。あそこだけはコメディーになっていました。もちろん本編には映っていませんが。真面目にやっていても、面白い瞬間というのはあります。
長澤 シリアスな作品だからといって、撮影もシュッと進んでいくわけではありません。ハプニングもたくさんあります(笑)。
(取材・文・写真/田中雄二)
映画2025年10月30日
-今後はどんな役をやってみたいと思いますか。 自分が選ぶよりは選ばれる仕事なので、自分からこの役をやりたいというのはないのですが、寡黙な役だったら、せりふは覚えなくていいのかなと(笑)。でもそれはそれで大変ですから、どんな役でもやりたいで … 続きを読む
ドラマ2025年10月30日
-今回の相手役がタイプロ(timelesz project AUDITION)で話題になっている橋本さんとお聞きしたときの心境はいかがでしたか。 お相手が橋本さんだとお聞きしてからタイプロを見始めたのですが、すごく一生懸命で頑張っている方 … 続きを読む
映画2025年10月30日
-お互いの演技を見てどう思いましたか。 佐藤 僕は撮影が終わって家に帰ると、妻に「ほんとに毎日撮影が楽しいわ。すごいよ」と言っていました。とにかく僕の前の席に、最初は染谷将太、その後が渡部篤郎で、寛一郎が入って、山田裕貴が座って…。いずれも … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年10月29日
本場ブロードウェイの舞台を中心に数々の傑作を映画館で楽しめる「松竹ブロードウェイシネマ」が、10月31日から「松竹ブロードウェイシネマ 2025秋」と題した連続上映を開催。トニー賞などを受賞した「エニシング・ゴーズ」「インディセント」「タ … 続きを読む
2025年10月28日
YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 ▼それは漫画本だった 玉秀斎が小 … 続きを読む